現代教育科学 2007年9月号
「道徳教育の再生」何が改革課題か

A612

«前号へ

次号へ»

現代教育科学 2007年9月号「道徳教育の再生」何が改革課題か

紙版価格: 859円(税込)

送料無料

電子版価格: 772円(税込)

Off: ¥87-

ポイント還元20%

ファイル形式

PDF
ジャンル:
教育学一般
刊行:
2007年8月6日
対象:
小・中
仕様:
A5判 116頁
状態:
絶版
出荷:
ダウンロード
定期購読

目次

もくじの詳細表示

特集 「道徳教育の再生」何が改革課題か
提言・「道徳教育の再生」何が問われているか
道徳教育と「道徳」教育―五つの基本課題
新堀 通也
理論的な議論の「土俵」づくりが必要
貝塚 茂樹
愛国心より人間の尊厳性を
押谷 由夫
〈本音〉こそ原点なのだ
宇佐美 寛
教師の道徳授業能力を養成することこそ急務
荒木 紀幸
「道徳教育の再生」これまでの論争点を検討する
教育勅語と修身科
正しいか正しくないかは歴史が決める―冷静な歴史的内省を今―
野口 芳宏
社会科教育と道徳教育
資質育成における「社会認識」と「態度」の抗争
片上 宗二
道徳教育と生活指導
道徳教育における心理主義と体験主義 ―「生活と道徳の二元論」の再検討―
深澤 広明吉田 成章
道徳教育と宗教教育
「徳育」の教科化に潜む新宗教
平野 久美子
道徳授業における資料に問題はないか
資料の問題は道徳教育観の問題である
安藤 豊
教師は、自分の生き方を語ろう
吉川 廣二
先人から「責任の取り方」を学ぶ
長野 藤夫
「道徳の時間」ここを改善したい―小学校からの提言
規範意識と知的な気づき
松野 孝雄
単発授業からの脱却
大江 浩光
多様な授業形態を工夫して子どもに自分の生き方を振り返らせる
板倉 弘幸
改善のための三つの鍵「教育課程・教材・家庭地域との連携」
大谷 和明
「道徳の時間」ここを改善したい―中学校からの提言
「道徳」は説教の時間ではない。《生き方》を伝える時間にしたい
染谷 幸二
様々な授業の可能性をつぶしてはいけない
三浦 二三夫
教師自身が腹の底から感動した資料で授業を組み立てよ
杉村 繁治
人権教育時代の同和教育の実践 (第6回)
同和教育と学力保障の実践的取り組み
桂 正孝
教育再生に向けて (第6回)
規範意識どこが問題か
大森 修
論理的思考力の鍛え方 (第6回)
「文章の型にはめた作文指導では生徒の個性が表現できない」に反論する
市毛 勝雄
人間力を育てる理科教育 (第6回)
世界に棲息する生物を含め考察させる 生命科学の基礎を持たない日本の学習指導要領(小学校理科)
武村 重和
TOSS授業技量検定の成果 (第18回)
実力なき人が指導するとき崩壊が始まる
向山 洋一
教育行政をめぐる論争と問題点 (第6回)
学校の管理下の災害の責任をめぐる対立
若井 彌一
編集後記
江部 満樋口 雅子

■編集後記

○…教育再生会議第一分科会(学校再生)は去る三月下旬に、首相官邸で会合を開き、学校で最低限の社会規範などを教えるために、「道徳」を小・中・高の学習指導要領で正式な教科として位置づけることで一致したと各新聞が報道しました。その報道によりますと、教科名は「徳育」とする案などが出ており、現在の「道徳の時間」は正式な教科でないため成績評価は対象外となっており、専用の教科書もなく授業の実態も不透明との指摘もあったと報道されていました。ただ問題は「道徳」を正式な教科とする場合、(1)どのような教科書を作るべきか、(2)客観的な成績評価をどうするか、などの意見をどう処理するか、でしょう。早くも「徳育」は教育再生に欠かせぬ課題として支援する社説(産経)が表れています。「道徳教育は長年、授業の形骸化などが指摘されており、見直しは教育再生に欠かせぬ課題だ」と言うわけです。

○…日本の道徳教育は戦後、事実上崩壊したとする杉原誠四郎氏(武蔵野大教授)は、次のように言明されています。「教育基本法の改正は、道徳教育の再生の意味も含まれている。道徳教育の要である愛国心≠ニか国を愛する心≠ニかも、その必要性や意義は認識されながらも占領軍の指導の下で、どうしても盛り込むことのできなかったものである」と(日本教育新聞から)。

○…日本人の魂を抜こうとした占領政策に抗議する市村真一氏(京都大名誉教授)は、教師の任用更新を厳しくする他に、「道徳教科書」の作成に着手し、著者を厳選することを提案しています(産経『正論』から)。修身が担っていた道徳教育はいまだに復活していない、と言うわけです。

 本号は学習指導要領の改訂の核ともなる道徳教育の在り方に向け、ご提言をお願いする特集を組みました。

〈江部 満〉

○…同業他者の人と企画の発想力についてカンカンガクガクした折、私は思わず、「社会科教育界はどうあるほうがベター・ベストなのか―そこから考えると、取り上げたいテーマやライターも自ずから浮び上ってくる」とエラソーに宣言した、その翌日。

『学校マネジメント』誌の企画のヒントになるかな…と、渡部昇一氏の『指導力の差』を買ったところ、我田引水したくなる記述が…。

 あらかじめ解答がわかっている問題を処理するインテリジェンス「学校秀才的頭脳の使い方」では通用しない問題が世の中には多い。そういう問題を直観的にわかるのがインテレクト。情報力≠ニいうのは、インテリジェンスレベルの情報をどれだけ持っているかでは十分ではなく、断片的な末梢情報から全体像を把握するインテレクトな能力↓どれだけ明確なビジョンを持てるかが勝負―とか。

 今、起こっている問題が今後にどのような影響を与える問題かを見極める眼力≠アそが発想の基地ということはわかるのですが、視界不良でよく見えてこない…。

 フム、残念無念!まだまだ修業不足のようで…。

〈樋口雅子〉

    • この商品は皆様からのご感想・ご意見を募集中です

      明治図書

ページトップへ