- 特集 「教員の業績評価」何が問題か
- 提言・「教員の業績評価」何が問題か
- 「新たな教職員評価制度」のねらいと課題
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- 教育評価としての教員評価
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- 教員の業績評価を教員の資質向上策の一環として位置づける
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- 偽装利害が広まる
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- 教員を評価する三つの領域
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- 評価者としての校長・教頭の責任
- 事実に基づいた評価が責任を果たす
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- 集中力・忍耐力を維持させるアクション・コントロール
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- 人が人を評価することの難しさを感じつつ
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- 教員評価への信頼性をどう確立するか
- 教職員の意欲と潜在力を伸ばす「教職員評価システム」
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- 信頼性の根源は校内の信頼から
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- 評価者の信頼獲得とバランスのとれた評価手法
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- 「業績評価」は教員の資質・能力向上に影響するか
- 業績評価と資質・能力の向上との絡み
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- プラスの影響は少なかろう―「修養」重視への回帰をこそ―
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- 教員の実践的資質・能力を重視する評価と処遇
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- 「業績評価」する側の言い分
- 「学校文化」の継承を
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- 二年間経験してみての実感 問題は多いが業績評価導入に賛成
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- 教員の指導力と意欲を向上させる校長の役割
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- 評価のないところに前進なし!
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- 信頼される「業績評価」にするために
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- 「業績評価」される側の言い分
- 本実施は、システム化してから
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- 大きく条件が違う中での業績評価
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- 正しい「見る目」と納得する形が必要である
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- 業績評価の欠点は評価する側にある
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- プロの世界だから、本物のプロに評定してほしい
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- 人権教育時代の同和教育の実践 (第11回)
- 人権教育運動の新たな展開
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- 〜日教組「人権教育指針」の改訂〜
- 教育再生に向けて (第11回)
- 若手官僚、学校現場で現場感覚を学ぶ
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- 論理的思考力の鍛え方 (第11回)
- 演繹的思考と帰納的思考のワークシート(小中学生用)
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- 人間力を育てる理科教育 (第11回)
- 今、子どもが社会で生きられない、危ない社会力の低下
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- TOSS授業技量検定の成果 (第23回)
- 教師評定を評定するメタ認知システムが必要だ
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- 教育行政をめぐる論争と問題点 (第11回)
- 「学力」向上方策をめぐる対立の克服
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- 編集後記
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■編集後記
○…教員の業績や職務実態に関する評価が問題になっています。各都道府県教育委員会等において教員の勤務評価について、新しい評価システムの導入に向けて、さまざまな改革案が話題になっています。特に、東京都教育委員会は、二〇〇〇年度から教員の自己目標を設定して自己評価を行う自己申告制度に基づき、職務遂行の成果や努力等を評価する人事考課制度を全国に先駆けて導入しています。
○…教員評価を検討するとき、思い出すのは、一九五六年十月一日に任命制教育委員会が全国で発足し、その後、日教組が展開した勤務評定反対をめぐる保守、革新の激突でしょう。「教員評価」でまず問題となるのは指導力ではないでしょうか。具体的には、(1)教授能力、(2)児童・生徒指導能力、(3)学級経営能力、(4)保護者、地域等の連携能力に大別できるでしょう。(『最新教育キーワード一三七』から)
○…さらに免許更新制の導入があります。問題は「免許更新制は教員の資質向上に寄与するか」ということでしょう。教員の業績評価はどの府県でも行われるようになりました。しかも問題は、その業績評価の結果が開示されだしたことでしょう。東京都では業績評価がCとDの人には、通知をすることになっており、それは評価開示の始まりであると元校長の舘野健三氏は著書『教員の業績評価』で解説しています。その解説によりますと、評価がDの教員は、三ヶ月の昇給延伸になるため、定期昇給はなくなったそうです。こうなってくると教員は評価に敏感になってくるでしょう。結果、評価をCとされた教員が納得せず「何で私がCなの」と不満に思う教員が多いと、舘野氏は書いています。
○…本号は、この「評価」のどこが問題なのか、率直なご意見をお聞きしたいと思い、特集を組みました。
(江部 満)
○…「最近の子どもは考える力が不足しているようだ。PISAの結果からもそのことは明らかだ。だから国語授業は目新しいことに取り組むより、基礎基本を大事にしよう」ある現場の先生の原稿の一部です。
いったいこの先生は、ホントに子どもを担任しているのだろうか?と疑いたくなる文言の羅列です。
今日、12月9日の産経には、子どもの国語学力が落ちつづけ、作文のすべてをひらがなで書く小学3年や、「八つ↓はちつ」と読む小学4年生。という岩波書店のレポートがあったと伝えています。
このような具体例があれば、読み手に実態情報が記憶される可能性が高くなります。しかし、くだんの原稿のような中味は、何の作用も起こさないのではないでしょうか。
その文から何らかの映像が浮かばないようなものは少なくとも読者には何の影響も与えない―長年のカンです。ぜひ原稿はイメージが湧くものを!―エラソーで切実な読者の視点に立った?要望です。
(樋口雅子)
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- 明治図書