- 特集 進んだ子への「発展学習」の開発
- 提言・最低基準の新国語科で考える「発展学習」とは
- 発展学習は「知識量の発展」から「学習の質の進化」へ
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- 国語科における発展的学習
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- 個に応じて言語活動力をより伸ばす発展学習
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- 「発展学習」の三類型
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- あくまでも、学習者の興味・関心、実態に応じた「発展学習」を
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- 「発展学習」開発は国語科リテラシーと授業システム改革
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- 最低基準の「新教科書」を補う発展教材の開発
- 1~2年の国語教科書のどこを補うか
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- 1~2年の国語教科書のどこを補うか
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- 3~4年の国語教科書のどこを補うか
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- 3~4年の国語教科書のどこを補うか
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- 5~6年の国語教科書のどこを補うか
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- 5~6年の国語教科書のどこを補うか
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- 中学校の国語教科書のどこを補うか
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- 中学校の国語教科書のどこを補うか
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- 中学校の国語教科書のどこを補うか
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- 中学校国語科の「選択教科」の開発
- 中1・入門期の指導を大切に
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- 「関心・意欲・態度」を大切にした魅力的なことばの学習を
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- 戯曲を読む―山田太一作品を例に―
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- 一人ひとりの個性に応じた力を伸ばす小学校の「発展学習」の開発
- 作文の授業に「発展学習」を取り入れて、個性を育てよう
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- 協同による学び合いを重視した個性の伸長を!
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- 読書こそ、「発展学習」への道
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- 学習過程の複線化、学習材の複数化を図る中で
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- 「○○たくなる学習」を工夫する
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- 一人ひとりの個性に応じた力を伸ばす中学校の「発展学習」の開発
- 必修三時間で発展学習が開発できるか
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- 絵本づくりを「発展学習」に位置づける
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- 個に応じた学習を組み込んだ意見文の指導
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- 発展学習の開発に必要な四つの観点
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- 先生、これって失恋の歌だよね?
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- 参加型板書で集団思考を育てる (第5回)
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- 総合的学習を国語学習で支える (第17回)
- 「総合的な学習」は「発信型教育」で
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- 書評
- 『国語力を育てる言語技術教育入門』 (市毛勝雄著)
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- 『国語教育は言語技術教育である』(宇佐美寛著)
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- 『論理的思考力を育てるドリル 第1集』(市毛勝雄編)
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- 国語教育人物誌 (第137回)
- 鳥取県
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- 島根県
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- 岡山県
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- 広島県
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- 山口県
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第53回)
- 螺旋的系統「基礎・基本・統合発信力」の指導改革で,国語学力を向上
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- 国語教育時評 (第17回)
- 3分間スピーチは論理学習の基礎である
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- 到達度を見る絶対評価の問題づくり・小学校 (第5回)
- 絶対評価を見えるようにする(1)
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- 到達度を見る絶対評価の問題づくり・中学校 (第5回)
- ペーパーテストで作文技術を発揮させる―書くこと(1)
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- 「漢字文化の授業」がなぜ必要か (第5回)
- 具体的な研究から輪郭漢字の誕生
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- 国語の基礎学力とは何か―言語技術教育の視点から考える (第5回)
- 広岡亮蔵氏の「基礎学力」論に学ぶ
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- 絶対評価で変わる国語の授業 (第5回)
- 絶対評価と柔軟な学習指導
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- メディア教育の実践課題 (第5回)
- メディア教育の教育内容(2)
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- 編集後記
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編集後記
文部科学省は二月下旬、算数・数学や理科で発展的な学習や補充的な学習など個に応じた指導を学校現場が進めやすくするため、小・中学校の教師用参考資料の作成作業に着手した、と新聞が報じています。新学習指導要領で教育内容が三割程度削減されたことから、一部から起きている「学力低下」論に対応、子どもたちの学習の理解度に応じて発展・補充的な学習を行ってもらうための指導資料を提供するということのようです。文科省は「理解力や習熟の程度に差がつきやすい算数・数学と理科に対象をしぼる」と解説していますが、国語や社会はどうなのか、問題を先送りしたままです。学力低下を批判している数学者の藤原正彦氏は「小学校は一に国語、二に国語、三、四がなくて五に算数」と提起し、「国語の時間を倍増し、漢字を容赦なくたたきこみ、名文を暗唱、朗読させ、読書をさせること」をすすめ、「国語こそがすべての知的活動の基礎」と言明されています。折から国立教育政策研究所の「評価規準」では、「関心・意欲・態度」「思考・判断」「技能・表現」「知識・理解」の観点がオールAなら「3」だとしています。最低基準の新国語教科書では、「3」のままで放置できず個に応じた指導のために、進んだ子への発展的学習が求められています。つまり進んだ子への発展学習を個別指導や習熟度別グループ指導、選択教科の指導など必要に応じて行うというわけです。しかし「どのような国語力」をつけるかということになりますと、発展学習は「読むこと」に限定されるという意見もあります。そのために「必要な情報を得るため」とか「読書に親しむ」などが浮上しています。新教科書を補う「発展学習」を考えてみたいとする第一回特集です。
(江部 満)
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- 明治図書