- 特集 「情報リテラシー」教育がなぜ必要か
- 提言・今なぜ「情報リテラシー」教育が必要か
- 今、なぜ「情報リテラシー」教育が必要なのか
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- 求められる情報リテラシー教育のカリキュラム開発
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- 子どもたちをネット社会の被害者・加害者にしないために
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- リテラシーの現代化の視点からとらえた情報リテラシー
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- 多種多量の情報を、活用しやすいように分類整理・再デザインできる力を
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- 「情報リテラシー」授業設計の留意点―小学校の場合
- カリキュラム・マネジメントで明確な位置づけを
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- 国語科メディア表現能力を育てる授業設計
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- 大切にすべきことは変わらない
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- 「情報リテラシー」授業設計の留意点―中学校の場合
- 情報に溺れさせようとしない「国語科」的「情報リテラシー」の守備範囲
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- 価値ある情報の分析批評
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- 「メディアを学ぶ」授業設計の留意点
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- 「情報リテラシー」を育てる小学校の実践提案
- 学校図書館を舞台とした「情報リテラシー」の育成
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- 伝えたいことを伝えるために
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- ミサイル発射報道を授業する
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- 「情報の扱い」のルールについて知る機会を与える
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- 読解力につながる情報リテラシーを
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- 「国語」の枠を越えて
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- 「情報リテラシー」を育てる中学校の実践提案
- 「書く力」の基礎・基本を身につける授業実践
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- ひろがる、ふくらむ映像の世界
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- 情報の「自分にとっての価値」を吟味する
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- 写真・図と連携した説明文の読解
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- 学校全体で取り組む読解力の向上
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- 批判的に聞く力を育てる国語教室
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- 「情報リテラシー」授業で陥りやすい問題点
- 適切な情報の取り出しと自分なりの受け止めを
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- 問題点を克服しこれからの国語教室を創る
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- PISA型「読解力」との関連を考える
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- 「伝え合う力」を育てる教室づくり (第52回)
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- 「読書に親しむ」授業づくり (第52回)
- 先進的な読書環境作りに取り組む
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- 書評
- 『主題把握力を磨く文学作品の指導』(瀬川榮志監修)
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- 『伝え合う力を伸ばす「向山型討論」の授業』(伴一孝著)
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- 『言語技術教育 第16集』(日本言語技術教育学会編)
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- 国語教育人物誌 (第196回)
- 岐阜県
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- 静岡県
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- 愛知県
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- 三重県
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- 国語教育時評
- 作文コンテスト入賞作文は、「書くこと」の導きにはならないこと
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- 現場訪問 「学力向上の国語教育」最前線 (第112回)
- 自然体験学習でPISA型学力育成
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- 検定外・日本言語技術教科書の実践と考察 (第16回)
- 報告「○○ができるようになるコツ」
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- 読解力向上のための実践提案 (第4回)
- 要約から主題の把握へ(下)
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- 読書意欲を高める多読のすすめ (第4回)
- 人生を築くお手本としての『赤毛のアン』
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- 国際的なコミュニケーションをどう取り入れるか (第4回)
- なぜクリティカル・リーディングが必要か
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- これからの国語科教育 (第4回)
- 「国語力の育成」重視―中教審の検討の推移2―
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- 編集後記
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編集後記
〇…PISA型読解力は「情報活用能力」であるとする増田信一氏の主張が注目されています。日本の読解指導そのものに検討を加え、改善すべき点は謙虚に実施する必要があると言うわけです。最近は特に「情報リテラシー」の育成が緊急課題として浮上してきました。「情報リテラシー」とは、情報化社会にあって、個々に対応した教育を推進していくために、コンピュータを始めとする情報関連機器を積極的に生かした教育活動の一層の充実に加えて、あふれた情報を読み解く力(=情報読解力)の育成を視野に入れたもので、情報を扱うことの基礎的な知識や能力のことだ、と言うわけです。(關浩和氏の主張より)
〇…確かにインターネットが一般的となって、大量の情報を手軽に入手できるようになった現状では、単に情報機器の操作能力だけでなく「情報を活用する創造的能力」が必要とされる時代に入ったと言えるようです。
〇…しかし学校での「情報リテラシー」教育の課題としては、現代の「情報化社会」を反省的にとらえることも必要ではないかとする指摘も無視できないようです。情報化社会の中での発想や考え方、価値観などを反省的にとらえ、問題点を抽出したり批判したり、それらの克服する道をさぐることも大切になってくるという主張です。(佐伯胖氏=『情報とメディア』から)
〇…同様の主張に井上尚美氏らの『国語科メディア教育への挑戦』全四巻の実践があります。そこではメディアによってもたらされる情報を鵜呑みにすることなく、これを吟味検討して読み解く力、また、メディアを積極的に活用して効果的に情報を伝えたり、価値ある情報を創り出したりする能力を身につけさせることを目標とする、とありました。本号は「情報リテラシー」の実践提案を軸に特集を組みました。
(江部 満)
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日本が朝鮮と戦争をしたとか、侵略したとかいうのは、かなり事実と違っています。 〔48頁〕
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「侵略」という言葉の定義の問題といえばそれまでなのであろうが、韓国併合に至る過程は侵略と呼ぶのがふさわしいのではあるまいか。井上先生が想定していらっしゃる「事実」とは何なのかが是非知りたいものである。
また、次のような記述も引っかかる。
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日本は北朝鮮に対して、何もやっていません。新聞には、万景峰号の入港を禁止したと書かれていますが、現在それだけです。 〔48頁〕
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確かに「現在」は何もやっていないのかもしれない。しかし過去に日本政府がやったこと(朝鮮戦争に於ける米軍支援もその一つ)が尾を引いてミサイル発射という事態に至っていることが井上先生の説明には抜け落ちている。
この授業で児童は「安全保障」というものさしで新聞記事を読もうとするようになったそうであるが、このクラスの児童にまず必要なものさしは《授業を通じて教師が行う情報操作》である。