- 特集 言葉の力がグングン伸びる!語彙力を高める指導術&授業づくりアイデア
- [提言]国語科授業づくりにおける語彙指導
- 国語教師が身に付けたい語彙力とは
- 言葉にこだわり,辞書の常携・常用に努める
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- 新学習指導要領における語彙指導
- 「活用的語彙力」をめざして
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- コーパスを活用した語彙指導
- 言葉の実態を知り,授業に生かす
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- 論理的な文章を書くための語彙指導
- 語句の選定と指導の系統性を中心に
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- 作文指導に生かす語彙指導
- 語彙指導の要素と語句選択の基準
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- 小学校 語彙力を高める指導術&授業づくりアイデア
- 低学年/楽しいゲームで語彙を増やそう
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- 低学年/すべては「聞く」「話す」から
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- 中学年/様子や気持ちをぴったり表現する日記指導
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- 中学年/手で書くから言葉が頭に入る―ノートに書くことで語彙を増やし,頭の中を整理する―
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- 高学年/言葉や表現の工夫に着目して作品を読み深め,語彙力を高める
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- 高学年/物語教材で身に付ける知識・技能の明確化と系統化―六年間で教えるべき学習用語―
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- 中学校 語彙力を高める指導術&授業づくりアイデア
- 1年/用語辞典づくりで多様な表現を身に付ける
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- 1年/「使うこと」を通して磨く語彙―音声言語指導における使用語彙の可視化―
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- 2年/「短歌変身集の世界へようこそ」の授業実践を通した豊かな語句・語彙力の育成
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- 2年/語彙力を鍛えて表現力を高める―言葉について調べてレポートで報告する―
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- 3年/語彙力を高める三つの視点・方法―いつの間にか多くの語彙に触れて,語彙を拡充する工夫―
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- 3年/語彙を自分の言葉として獲得する授業づくり―文学作品の「読む」から「書く」へのプロセスを通して―
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- 第2特集 これならできる!国語科授業でICT活用
- [提案]新学習指導要領と国語教育におけるICT活用
- SAMRモデルで考える国語教育の未来
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- [実践]小学校/自己評価・相互評価で主体的・協働的な学習へ導く―教育ICTの可能性―
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- [実践]中学校/ICT教具,読み深めカードで実現する「主体的・対話的で深い学び」
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- [実践]高等学校/グラフィック・シラバスのすすめ
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- 教科の本質をふまえたコンピテンシー・ベースの国語科授業づくり (第11回)
- 「根拠・理由・主張の三点セット」の活用による深い学び(その2)
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- 思考力を育てる!深い学びを導く課題と発問 (第11回)
- 小学1年【読むこと】違いを比べながら読もう
- 「どうぶつの赤ちゃん」(光村図書)
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- 要点チェック!
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- 小学2年【読むこと】知っていることとつなげて読もう
- 「おにごっこ」(光村図書
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- 要点チェック!
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- 小学3年【読むこと】心に残ったことを、自分の言葉で表そう
- 「モチモチの木」(光村図書他)
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- 要点チェック!
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- 小学4年【書くこと】本から必要な情報を取り出してよく伝わる報告書を書こう
- 「わたしの研究レポート」(光村図書)
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- 要点チェック!
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- 小学5年【読むこと】筆者の意見に対して自分の考えをもとう
- 「テレビとの付き合い方」(東京書籍)
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- 要点チェック!
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- 小学6年【読むこと】登場人物の生き方について考えを深めよう
- 「海の命」(光村図書他)
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- 要点チェック!
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- 中学1年【話すこと・聞くこと】ポスターセッションをしよう―良い質問をする視聴者になろう―
- 「一年間の学びを振り返ろう」(光村図書)
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- 要点チェック!
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- 中学2年【書くこと】卒業する三年生へメッセージを贈ろう
- 「気持ちを込めて書こう 手紙を書く」(光村図書)の発展学習
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- 要点チェック!
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- 中学3年【読むこと】自分の理想の書店を作ろう―これまでの読書生活を振り返る―
- 「本の世界を広げよう」(光村図書)
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- 要点チェック!
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- 思考力と表現力を高める作文指導 (第11回)
- 作文を書く「知識」の指導
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- 〜「技術」とは「知識」の「安定的行為化」〜
- アクティブラーニングの授業デザインと評価 (第11回)
- アクティブラーニング評価論の第一はミクロレベルの形成的評価
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- 資質・能力を育成するカリキュラム・マネジメント (第11回)
- カリキュラム・マネジメント成功の視点10
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- 〜中学校・高等学校国語における学校で行うカリキュラム・マネジメント〜
- 国語教育の実践情報 (第35回)
- 小学校/第48回全国小学校国語教育研究大会名古屋大会を開催
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- 中学校/第47回全日本中学校国語教育研究協議会(栃木大会)の開催
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- わが県の国語ソムリエ (第82回)
- 三重県
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- 編集後記
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- 今月号 掲載教材一覧
編集後記
新学習指導要領(平成二十九年三月告示)の解説『国語編』には,育成を目指す資質・能力の明確化のため,指導事項の内容の改善について次のように記されています。
@語彙指導の改善・充実
中央教育審議会答申において,「小学校低学年の学力差の大きな背景に語彙の量と質の違いがある」と指摘されているように,語彙は,全ての教科等における資質・能力の育成や学習の基盤となる言語能力を支える重要な要素である。このため,語彙を豊かにする指導の改善・充実を図っている。
語彙を豊かにするとは,自分の語彙を量と質の両面から充実させることである。具体的には,意味を理解している語句の数を増やすだけでなく,話や文章の中で使いこなせる語句を増やすとともに,語句と語句との関係,語句の構成や変化などへの理解を通して,語句の意味や使い方に対する認識を深め,語彙の質を高めることである。このことを踏まえ,各学年において,指導の重点となる語句のまとまりを示すとともに,語句への理解を深める指導事項を系統化して示した。
ただ単に知っている語句を増やすことが語彙指導なのではなく,実の場で使える力をつけさせることこそが,国語科が目指す語彙指導であるべきだと示されていると読み取れるのではないでしょうか。
「第1回 現代人の語彙に関する調査」(二〇一六年七月,(株)ベネッセコーポレーション)によれば,年齢差がある相手との会話の機会が多い高校生・大学生のほうが,そうでない人に比べて語彙力が高い,という結果が見られ,多様な年齢層とのコミュニケーションによって,知識や考えを実際に言葉にしてアウトプットする機会が多いほど,語彙力が高まる傾向がある,と分析されています。一般的な教室の中で“多様な年齢層”を実現することは困難ですが,獲得した語彙・語句をアウトプットする機会を増やすことで語彙力を高めていく,ということは,明日の授業からでも取り入れられそうです。
野口芳宏先生(植草学園大学名誉教授)は,「一般に難語句が出てくると辞書を引かせ,平易な言葉に直して理解させる「下り坂の指導」が普及している。これに対して私は,平易な語句を難しい抽象語に導く「上り坂の指導」をも提唱している。国語学力はどのくらい抽象語を的確に駆使できるかという力だとも言える。いつまでも生活語レベルの使い手では,「思考力,判断力,表現力」は高まらない。語彙指導はすべからく「上り坂」の指導も重視していくべきだ。」と述べていらっしゃいます(小誌二〇一八年一月号「語彙力の拡充に期待―国語学力向上に現場からの改訂を!」『新学習指導要領国語を“評価”する』より)。語彙力を高める「上り坂の指導」の工夫やアイデアについて,ご寄稿をいただきました。
第2特集では,国語科授業におけるICT活用について取り上げました。かつては,機器が整わず,活用ができない…という声を耳にすることも多かったですが,電子黒板の導入が進んだり,タブレットやスマホも比較的容易に使用できたりするような土壌が各学校で育ちつつあるようです。もはや避けては通れないICT活用,“これならできる”という事例をご紹介いただきました。
『国語教育』編集部/林 知里
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