- 特集 総力大特集 国語科授業で「読解力」を育てる
- 「読解力」を考える―読み解く6つの視点
- AI時代に求められる「読解力」
- 子供たちに感じる心を育てる
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- 国際学力調査(PISA)に見る「読解力」
- 国語科教育の「深い学び」に生かすために
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- 国語科教育史における「読解力」
- わたしたちは歴史から何を学ぶべきなのか
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- 欧米における読書技術教育と「読解力」
- クリティカル・リーディングとシンキング
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- 実用的文章の「読解力」
- 実用的文章の「読解力」は,どう鍛えたらよいか
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- 論理的思考の型と「読解力」
- 「なぜですか」から始めてはいけない
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- 「読解力」を捉える―関連する国語学力
- 「語彙力」との関連
- 文章読解と語彙指導の関連性
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- 「音読力」との関連
- 音読のない読解授業はない
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- 「メタ認知能力」との関連
- 読みの違いを捉えて交流するためのメタ認知方略
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- 「批判的思考力」との関連
- 自立した読者になるための必須の力として
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- 「表現力(書く力)」との関連
- 論理的に書く学習で「読解力」を向上
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- 「情報活用能力」との関連
- 学びの基盤である「情報活用能力」と「読解力」は両輪
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- 「読書力」との関連
- 学習指導要領とPISAの変遷
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- 「読解力」を育てる―国語教室での指導法
- 「語彙力」を育てる指導
- 筆者の意図をテキストの言葉から捉える
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- 「音読力」を育てる指導
- 三つの音読で読解力を育てる「考える音読」
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- 「メタ認知能力」を育てる指導
- 語りを検討して自覚的に読む
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- 「批判的思考力」を育てる指導
- 学習活動を思考段階で分ける
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- 「表現力(書く力)」を育てる指導
- 「書くこと」と「読むこと」の関連指導
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- 「情報活用能力」を育てる指導
- 「情報活用能力」で向上する「読解力」
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- 「読書力」を育てる指導
- イメージを広げる・深める学習で読書につなげる
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- AIに負けない「読解力」を考える (第8回)
- RSTの活用
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- 〜RSTを指導に役立てる〜
- 問い×交流が生み出す読みの学習デザイン (第8回)
- 「海の命」(光村図書・6年)
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- 論理的に「考える国語」の授業づくり (第8回)
- 「読みの力」を習得・活用する授業づくり その1
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- 〜文学作品・詩における「読みの10の観点」〜
- 小学1年/「会話文」に注目して「登場人物」の定義を考える
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- 〜[教材]文学/「おとうとねずみチロ」(東京書籍)〜
- 小学2年/説明の順序や工夫に着目して読む
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- 〜[教材]説明文/「馬のおもちゃの作り方」(光村図書)〜
- 小学3年/事例の順序と文章構成,述べ方の工夫に着目して読む
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- 〜[教材]説明文/「すがたをかえる大豆」〜
- 小学4年/変わったものと変わらないものを考える
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- 〜[教材]文学/「プラタナスの木」(光村図書)〜
- 小学5年/和の文化についてしらべよう
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- 〜[教材]説明文/「和の文化を受けつぐ―和菓子をさぐる」(東京書籍)〜
- 小学6年/文末表現「のです」が強調するものから作品を読む
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- 〜[教材]文学/「ヒロシマのうた」(東京書籍)〜
- 主体的・対話的で深い学びを実現する学習課題&発問モデル (第8回)
- 語り手である主人公「私」のあり方を読む「故郷」(各社三年)
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- 中学1年/この一文は必要か? 結論部を吟味しよう
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- 〜11月/読むこと 【教材】「幻の魚は生きていた」(光村図書)〜
- 中学2年/資料をよく見て批評の手法を手に入れよう
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- 〜11月/読むこと,話すこと・聞くこと 【教材】「君は「最後の晩餐」を知っているか」(光村図書)〜
- 中学3年/キーワードを見極め,筆者の主張を読む
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- 〜11月/読むこと 【教材】「情報社会を生きる―メディア・リテラシー」(三省堂)〜
- クラス全員が達成感を味わう! DOI流 国語教室づくり (第8回)
- 書くことの指導(2)
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- 〜日記指導で書くことの「質」を高める!〜
- 野口芳宏の国語授業四方山ばなし (第8回)
- ギネスブックに載った大編集長 江部満氏の編集者魂(下)
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- 〜名言と起居の一端〜
- 国語教育の実践情報 (第56回)
- 小学校/「指導と評価の一体化」のための学習評価に関する参考資料の事例1
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- 中学校/新学習指導要領全面実施に向けた中学校国語科の授業づくり(3)
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- わが県の国語ソムリエ (第103回)
- 長野県
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- 編集後記
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- 今月号 掲載教材一覧
編集後記
昨年12月,OECD生徒の学習到達度調査2018年調査(PISA2018)の結果が公表され,日本の読解力の平均得点・順位が前回調査よりも統計的に有意に低下したことが報じられました。また,2018年には『AIvs.教科書が読めない子どもたち』(新井紀子著,東洋経済新報社)がベストセラーとなり,その中で示されたRST(リーディングスキルテスト)による調査の結果と,そこから新井氏が導き出した結論は,教育業界の内外を問わず大きな関心を集めました。
読解力の育成について考える際,まず問題になるのは,読解力をどのように定義するかということです。昨今はビジネス書のタイトルにも「○○力」という言葉がよく見られますが,「○○の(する)力」という至って単純な成り立ちであるからか,○○にどんな言葉が入っても(「雑談力」「失敗力」など,一見して自己矛盾ととれるような表現でも),不思議にすんなりと解釈できます。しかし,その表現の簡便さゆえに,言葉が喚起するイメージだけをもとにした,雲をつかむような議論に陥りやすいという側面もあります。
平成29年告示の学習指導要領国語,並びにその解説では,「読解力」という言葉は用いられていません。一方,PISA2018においては,読解力が次のように定義されています。
自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,社会に参加するために,テキストを理解し,利用し,評価し,熟考し,これに取り組むこと。
今号では,このいわゆる「PISA型読解力」も踏まえつつ,次の3つの角度から,これからの国語教室で育むべき「読解力」の姿と,その指導の道筋を探ることにしました。
(1)「読解力」を考える
これまでの学力調査や国内外の教育において,「読解力」はどのように扱われてきたのか? これからの社会を生きる子供たちに身に付けさせたい「読解力」とはどのような力か?
(2)「読解力」を捉える
「読解力」と,国語科で育成を図る資質・能力,国語科の学習の中で働く力(≒国語学力)とはどのように関連するのか?
(3)「読解力」を育てる
国語科授業の枠内で,どのような指導が(2)の国語学力,ひいては「読解力」の育成につながるのか?
「読解力」の育成を考えるにあたっては,本誌で取り上げた以外にも,様々な視点や考え方がまだまだ残されていることと思います。本特集が,子供たちにこれから身に付けさせたい力の有り様について,改めて考えを深めていただく契機となれば幸いです。
/大江 文武
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- 明治図書
- PISA型読解力など、大学生でこれから国語の教師になる身として、実力のつく「読解力」指導について学べたのでよかった。2021/5/14シュウ
- 「読解力」を育てるというのは国語教師なら誰でも目指していることだと思う。だが、具体的にどんな指導をどんな意図で取り組むのがよいかというのは、指導者それぞれに任されているように思う。一言に「読解力」と言っても切り口は様々あり、目の前の子どもの実態に合わせてアプローチを変えて指導していくことになるだろう。今回の特集でそれぞれの執筆者の考えを参考に、自分の指導に活かしていきたいと思った。2020/11/17はるぽか
- 教育のうねり。学校現場の改革、革新は現場から飽きていく。その一手が若手の論文投稿であったこと。教育の美辞麗句で留まらない内容に感服しました。2020/10/1230代