- 特集 教科書=教材別に見た向山型授業モデル
- 「教科書=教材別に見た向山型授業モデル」年間指導のポイント
- 向山氏の学級通信から実践を書き写し、整理し、その思想を学ぶこと
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- 「教科書=物語教材」の向山型授業モデル
- 対比による授業で討論を成立させる
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- 「教科書=説明文」の向山型授業モデル
- 十分音読させた後に「要約中心型」か「構造中心型」で進める
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- 「教科書=詩教材」の向山型授業モデル
- 「晴間」で討論を仕組む向山型国語の授業〜4・5月の討論指導を結集する〜
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- 「教科書=作文教材」の向山型授業モデル
- 向山型パロディ指導でレトリックを身につけさせる
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- 「教科書=伝統的な言語文化教材」の向山型授業モデル
- 伝統的な詩の基本事項をおさえて自分で解釈できるようにする
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- ミニ特集 向山型漢字指導の極意
- 1年生/ゆっくり、丁寧に、指書き指導 時にはわざと間違えて注目させる
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- 2年生/「空書き」の後、できなかった漢字だけ「指書き」復習する
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- 3年生/漢字は授業で指導するからこそ覚えられる
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- 4年生/1ミリもはみ出さないなぞり書きでテスト練習の質を高める
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- 5年生/ほめて、励まし、「指書き」を身につけさせる
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- 6年生/時間を意識させないと効果が半減!短い時間だからどの子も集中できる!
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- 向山型国語初心者の挑戦―手ごたえを得たあの瞬間―
- 言葉に忠実に読み取らせることで、子どもが素直に学習するようになる
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- 「書き出の工夫」で、保護者も驚く作文になる
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- 子どものノートから見る向山型国語
- 『だからわるい』で女の人はなぜおこったか
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- 圧倒的空間支配力 日本言語教育技術学会向山先生授業
- 「伝統的な言語文化」を深める授業力とは―あなたの言語力で子どもが育つ―
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- 巻頭コラム
- 写すのは大切な勉強です
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- 巻頭論文
- 向山実践から「知的さ」「熱中度」が生まれる技とその背景にある思想を学び,教科書教材を「向山型」で扱える実践に生かす
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- 学年別・教科書=教材別○年生の向山型授業[5・6月]
- 1年
- 初めての物語文で熱中!
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- はじめは「や!」 物語の設定から討論を導く
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- 2年
- 音読、音読、音読
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- 視点を示し、文の型を教える
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- 3年
- 3年生でも成功する「再話」の授業
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- 抽象概念から具体事象へ
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- 4年
- 「つぶやきを言葉に」―どんどん板書させることで、詩の書き方を教える
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- 「漢字辞典」(光村図書4年)を向山型で授業する
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- 5年
- 国語辞典を活用しよう(東京書籍)
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- 「お礼状を書こう」で、はがきと手紙の書き方を学ぼう
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- 6年
- 「短歌」言葉を重視し、熱中させる!
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- 説明文「イースター島にはなぜ森林がないのか」で「問い」と「答え」を対応する授業を組み立てる
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- 中学校
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- 〜長文教材は分けて指導せよ〜
- 高校
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- 〜『羅生門』を「イメージ」で授業する〜
- 向山型で言語力育成授業を行うとこうなる
- 向山型国語で感動的な1/2成人式を実現する!
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- 〜「呼びかけ」と「感謝の手紙」がポイントだ〜
- まず習得させたい向山型国語の基礎・基本
- あなたもすぐにできる指名なし音読
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- 向山実践から学ぶ「発問づくり」の型
- 向山洋一氏最新模擬授業の「発問」
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- 教室で起こった五色百人一首のドラマ
- 五色百人一首が近づけた男女の仲
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- 教材が生んだドラマ
- 「輪郭漢字カード」
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- 〜やんちゃ君も巻き込む! 輪郭漢字カードで授業の導入はバッチリ!〜
- 向山型国語に挑戦/論文審査 (第54回)
- どこが討論になるのか
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- PISA型対応ワークと教科書教材をこう連携させる
- 教科書「書く」単元の学習は『紹介・説明・描写スキル』でバッチリ!
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- この「授業システム」でできない子ができるようになった!
- 低学年/パーツに分け、毎日繰り返して定着させる
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- 高学年/授業開始を安定させる
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- 翔和学園の中に見る向山型国語の事実
- 教師のワーキングメモリ不足で子どもを見られなくなる
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- 新分析批評の授業が読解力をあげる
- 「だからわるい」で視点と対比をなぜ扱うのか
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- 江副文法の授業のススメ
- さらに視覚化が進む『江副文法』
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- 向山実践を読み解く
- 教師が言葉に対する鋭さをもたなければならない
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- 〜単元名『三年とうげ』@〜
- 女教師がすすめる向山型国語
- 「桃太郎の要約」の次のステップで学習する「要約指導」
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- 向山型はひと言でいうと「教えてほめる」 教えてほめれば子どもはのびる
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- ダイナミック!中学校討論授業 見逃してはいけない子どもの事実
- 基礎学力を確実に身につけさせる
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- 「伝統的な言語文化」の授業づくり
- 低学年で行う伝統言語文化の授業作り
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- 神話を語り継ぐ学習システム
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- 昔話で地域に誇りをもたせる
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- 慣用句の授業を向山型にすれば、知的に盛り上がる
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- 俳句のポイントは「いかに感動的な解釈ができるか」である
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- 名句百選かるたは1年生にも大人気
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- 最新脳科学から見た向山型国語
- 「赤ねこ漢字スキル」が漢字指導に適切な4つの理由
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- テーマ別 向山型国語QA
- 初めての指名なし討論の指導はこうする〜伴一孝氏実践に学ぶ〜
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- 読者のページ
- 「向山型教え方教室は私にとっての教科書です」という声を戴いています。特集を役立て、豊かな実践を創りあげていきましょう。
- 編集後記
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- 向山型国語最新情報
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- 向山型国語に挑戦/指定教材 (第56回)
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巻頭コラム
写すのは大切な勉強です
●本誌編集長 向山洋一
東アジアは,農耕文化の地域である。農業は一年間を計画的に作業をする。
天候の移りかわりに対応し水路,土づくりなどを作っていく。
天文学,気象学,水質づくりなど,科学の発展も高度であった。
そこでの教育は「お手本文化」ともいうべきものであった。「お手本」を「まね」するのである。農作業では,父,母の仕事をまねするのである。
教育の「教」は象形文字だ。子どもが大人の身ぶり手ぶりをまねするという意味だ。
東アジアの教育は,お手本をまねする,お手本を写すことが基本であった。それで,高い文化を作ってきた。
中国の書店に行くとわかるが,中国の児童用の本は,ほとんど「直写スキル」「うつし型スキル」である。習字も絵も物理も「直写」するのである。
日本もかつて,「素読」などの「お手本文化」であったが,戦後は大きく変った。
ヨーロッパの狩猟文化が入ってきた。鹿を狩りするときなど,動物は逃げまわる。「その場の対応」が,西洋文化の基本であった。
だから「自分で工夫をする」ことが求められた。東アジアではちがった。親や「お手本」の「まねをしなさい」ということだった。
それぞれ長短はあるが,私は初等教育では「お手本文化」がすぐれていると確信する。
発達障害の子(10%),境界知能の子(14%)を,きちんと教育できるからである。
「写すのも勉強のうちです」という教師の言葉に救われた子は,何万人,何十万人といる。
一方「自分で考えなさい」と放られて,何十万人,何千万人の子が,壊れていった。
多重債務,ニート,失業などの多くの原因は小,中学校の「無責任教育」にあったといえる。教師は,「人の子の師」の名のもとに,最も残酷なことを,平気でやってきたのである。
直写ノート(赤ノート)を使った教室での出来事を,関口さんは次のように報告している。
予想以上に直写ノートは感動だった。五色名句百選かるたを1年生でもみごとに写した。そればかりかかるたとして取り始めた。ひらがなが半分も読めない子が取れるのである。ふしぎだが,絵を写したあとだったからだろう(ここは外国籍の教室である)。
文字が書ききれなくて算数がやんなっちゃってる1年生がいる。その子は「さんすうがやだ,やだ。ぜったいやんない」というので,算数の教科書を写させることにした。
少しごきげんを直してきた。
5年生の外国人に5年生の国語の教科書ではあまりにレベルが高い。
けれど,やはりできるところはやらせたい。
そこで,絵のある詩のページを写させてみた。
もう,すぐ書けるし,見栄えがするので大喜び。
あっちでも,こっちでも「できました!」との声。
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- 明治図書