授業研究21 2001年1月号
21世紀に必要となる新しい指導力

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授業研究21 2001年1月号21世紀に必要となる新しい指導力

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ジャンル:
授業全般
刊行:
2000年12月
対象:
小・中
仕様:
B5判 88頁
状態:
絶版
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目次

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特集 21世紀に必要となる新しい指導力
提言・21世紀に必要となる新しい指導力とは
子ども一人ひとりに「寄り添う」力を持て
加藤 幸次
学び方学習の指導力である
柴田 義松
学ぶ意義が実感できる指導を
西林 克彦
指導力不足をどうする
長尾 彰夫
カリキュラム開発に必要となる指導力
カリキュラム開発見直しの視点
天野 正輝
Can We Change?―私たちの中の「誤解」と「呪縛」
山本 幸夫
学習の目標・内容・方法を子どもの手に
廣岡 正昭
職人芸からプロデューサーへ
田中 裕巳
総合的学習に必要となる新しい指導力
豊かなプロデューサー感覚が必要
高階 玲治
「今」をとらえて子どもの学習を創る力
千葉 昇
インターネットが活用できること
竹川 訓由
相互交流能力を育てる指導力を
花田 修一
国語科教育に必要となる新しい指導力
個人主義的な「学び」を指導できるか
市毛 勝雄
伝え合う力を育てるために必要な教師の指導力
河野 順子
総合的学習の基礎学力を具体的に
光野 公司郎
国語学習の焦点化と多様化を図る指導力
笠井 正信
社会科教育に必要となる新しい指導力
新しい指導力とは三つのことができること
有田 和正
「学ぶ力」を育成し、「生き方」を考える社会科学習が展開できる指導力
馬野 範雄
地域を見つめ地域教材を開発する力
西尾 一
「昭和」の歴史を授業する力
宮崎 俊哉
算数・数学科教育に必要となる新しい指導力
子どもの主体性を培う指導力
中原 忠男
算数授業のもとになるもの
坪田 耕三
具体的な「子どもの事実」を示す指導力こそ必要となる
木村 重夫
教師自身の「数学的活動」を―授業の質を高める教材開発・教材研究
太田 信也
理科教育に必要となる新しい指導力
マルチ型展開とプレゼンテーションの工夫
奥井 智久
科学に挑戦させる指導
岡田 篤
理科教育における人間形成の観点で―「とらえる」「かかわる」「育てる」という側面から指導力の育成を
引間 和彦
興味関心と思考力・判断力を高めよう
小森 栄治
学級集団を統率する新しい指導力
子どもは発言し合意形成する主体
豊田 ひさき
進むべき道を明確に示せ
青坂 信司
「危機管理能力」と「評価能力」である
長野 藤夫
学級集団を運営する新しい指導力
「閉じた」指導から「開かれた」指導へ
久田 敏彦
学級集団の運営に必要な三つの力
戸田 正敏
子どもの変化に対応した柔軟な指導法を
加藤 辰雄
教科の力を総合的学習に生かす
総合的学習を支える国語科の基礎基本
佐藤 洋一
写真で見る総合的学習 (第43回)
身近な環境問題を考える―故郷の川に生息している生物を調べる活動を通して―
平川 順子大江 浩光
写真で見る総合的学習 (第44回)
郷土の自然、社会、文化の中で、心豊かに生きる子どもの育成―4年生「長良の師匠に弟子入りだ」の実践例―
岐阜市立長良小学校
子どもに贈る応援歌
学習記録・生活記録を大切に
野地 潤家
実践研究先進校からの問題提起 (第10回)
自分づくりにつながる「確かな手応え」を
福井大学教育地域科学部附属小学校
カリキュラム開発を進めるうえで必要なもの
鳴門教育大学学校教育学部附属小学校
自己形成の学力に基づく総合学習
信州大学教育学部附属長野小学校
二十一世紀の基礎学力とポートフォリオ評価 (第10回)
課題解決のプロセスを貫いて考える力を育てる
田中 博之
小学校の英語会話学習を考える (第10回)
「話せる英語」への近道、回り道
長瀬 荘一
「何ができるか」型学力への転換 (第10回)
授業改造は、学習指導案の改造から
森 一夫
〜一人ひとりの子どもが見えてくる学習指導案に〜
総合的学習におけるメディア活用 (第10回)
総合的学習と学力、そして評価
水越 敏行
編集後記
江部 満

編集後記

 近年、授業改革はゆるやかに進展しつつあるとの見方があります。それは教師の活動が「伝達」から「支援」へと変化することによって、子どもの「学び」を中心とする指導とカリキュラムの改善が徐々に進展しつつあるからだ、との見解です。しかし多くの現場では文部省の提起した新学力観によって、「知識・技能」よりも「関心・意欲・態度」の重視という考え方に、とまどいを感じているようです。

 佐藤学東大教授が指摘されているように、もっとも大きな混乱は「自己教育力」「自学自習」「自己決定」「自力学習」などにみられる個人主義的な「学び」の強調にあることかもしれません。このような動きの中で、「一斉指導」は一方的に知識を教え込む悪者の代表のようにいわれています。それは教育課程審議会の答申で「自ら考え、判断し行動できる資質や能力の育成を重視していく」と提言され、「これまでの知識を一方的に教え込むことになりがちであった教育」の転換を求め、「子どもたちの個性を生かしながら、学び方や問題解決の能力の育成を重視するように」と提起されているからです。

 これに対して、授業方法の画一化を生んだ原因として、「参加」という視点を欠いてきたとする批判があります。授業における「学び」の出発点は、子ども一人一人が授業に参加できる条件をつくることだ、というわけです。有田和正氏も授業改善の視点として(1)子どもの学習意欲を引き出す(2)学び方(学習技能)を体得させる(3)みえない(わからない)教材をみえる(わかる)ようにする、という三条件をあげています。

 二十一世紀を目前にして、新しい指導力とは何かが、教師一人一人に問われているといえます。本号はそのための問題提起的特集です。

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