授業研究21 2007年10月号
よい授業・わるい授業の見分け方

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授業研究21 2007年10月号よい授業・わるい授業の見分け方

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ジャンル:
授業全般
刊行:
2007年9月6日
対象:
小・中
仕様:
B5判 88頁
状態:
絶版
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目次

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特集 よい授業・わるい授業の見分け方
提言・「すぐれた授業」はここが違う
「すぐれた授業」の基本的な要件
田中 耕治
問いと答えの水準
齋藤 勉
体験、科学、仮説がある授業
岩田 一彦
教室に学習の快感を広げるもの
長瀬 荘一
子どもが語り合い、聴き合える授業
大内 善一
よい授業・わるい授業―名人の考える基準
ぎりぎり、この三つ―学力形成、全員参加、教師主導―
野口 芳宏
材料七分に腕三分の授業
有田 和正
「研究授業の時台本を見ない」「時間を守る」それが最低の基準だ
向山 洋一
全員の知情意のベクトルが上向くか
岩下 修
楽しく感動があるか、ものがあるか
小森 栄治
よい授業・わるい授業―私の考える基準
教師は子どもの事実だけを基準にして勉強する
谷 和樹
授業術を身につけている教師の授業はよい
河田 孝文
中江藤樹に学ぶ授業者の心得
甲本 卓司
「密度」が濃いか薄いかを見る
伴 一孝
授業開始のチャイムが鳴る前にわかる
染谷 幸二
確かな学力を保障するよい授業・わるい授業
〔小学校〕子どもを動かす型を持て
畑屋 好之
〔小学校〕算数「問題解決学習」は学力を保障しない
林 健広
〔小学校〕「PISA」「学力テスト」に対応していなければ「確かな学力」を保障できない
小田 哲也
〔中学校〕指名なし討論を組織しただけでは、学力は保障されない
佐藤 佐敏
〔中学校〕この授業を通し、どんな力をつけたいのか、どんな力がついていくのか?
瀧沢 広人
子どもの心を掴むよい授業・わるい授業
〔小学校〕子どもの心を掴むよい授業=子どもが熱中する授業
山田 恵子
〔小学校〕知的な授業・リズムとテンポが子どもの心を掴む
松原 貴大
〔小学校〕授業の始まり15秒で掴む
伊藤 隆之
〔中学校〕教科書の基本型が解ける、入試に対応している、集中している
髙橋 薫
〔中学校〕優れた実践の追試こそ子どもの心を掴む授業への近道
水谷 美穂子
よい授業を創るための教室づくりの原則
「何もない!」しかし「すべてある!」ことが鉄則!
太田 恵子
学習用具を余分に準備する
上木 信弘
「どこに・何を・何のために」で教室づくりをする
田村 治男
教師の見栄からではなく、子どもの思考を助ける教室環境づくりを
戸井 和彦
討論を成立させる教室づくりの原則
東田 昌樹
熱中・集中した授業づくり
辻 和彦
教師修業への助言
話すことのプロを目指して自己修練を
中村 孝一
読解力向上をめざす授業づくり 国語科でめざす授業づくり (第7回)
新分析批評ワークの提案!
椿原 正和
読解力向上をめざす授業づくり 社会科でめざす授業づくり (第7回)
こうすれば読解力を身につけさせることができる。その授業例(2)
谷 和樹
読解力向上をめざす授業づくり 算数科でめざす授業づくり (第7回)
時刻表を読み取る
木村 重夫
~情報を取り出し、解釈し、熟考・評価する~
読解力向上をめざす授業づくり 理科でめざす授業づくり (第7回)
理科意見分類表を使う
新牧 賢三郎
日本人の気概を教える 《小学校》 (第7回)
観光立国日本を教える授業を創る(1)
河田 孝文
日本人の気概を教える 《中学校》 (第7回)
「正直さ」も日本人の誇り
竹田 博之
子どもの規範意識の育て方 (第7回)
欲求不満耐性の教育を
野口 芳宏
~艱難汝を玉にす~
授業の技を磨く (第7回)
二人の匠に触発されて
有田 和正
教材・授業開発研究所情報
有田 和正
編集後記
江部 満

編集後記

○…今から二三年ほど前の本誌(樋口編集長時代)で、「すぐれた授業はどこが違うか」という特集を組んだことがありました。その巻頭で「すぐれた授業」を問われた重松鷹泰氏(故人・名大名誉教授)は、次の三点を上げていました。第一は意外な考えや発言が表れること、第二は助け合いが強く感じられること、第三はしみじみとした感じが残ること。

○…つづいて授業をドラマとして成立させることを主張していた当時の吉本均氏(故人・広大名誉教授)は、「すぐれた授業は特定の人にしか出来ない名人芸ではない。子どもとまなざしを共有し、同じ目の高さで向かい合う教師であれば誰にでもすぐれた授業をつくり出す可能性は開かれている」と主張していました。その根底には「よい授業とすぐれた授業」とを区別して考えるという見方があったようです。

○…戦後最大の論争といわれた斎藤喜博氏の「出口」実践の評価をめぐる論争は、いまだに決着を見ていません。ご存じのように「出口」論争は斎藤喜博氏の「出口の授業」の介入授業を教授学上のゆさぶり発問の典型として高く評価した吉田章宏氏(当時東大)を批判した宇佐美寛氏(当時千葉大)との論争とその後広く研究者や現場人が参加した論争です。

○…「ゆさぶることはいずれにせよよい」とする吉田氏の主張が、よい授業の条件の一つとなるかどうか、意見の分かれるところです。指導方法の創意工夫はいくらあってもいいでしょう。ただ一部のすぐれた子どもによって授業が進行する時代はすでに終わっているのではないでしょうか。

○…本号は「よい授業・わるい授業」を表面上でとらえない「目」を養うための特集です。

(江部 満)

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