楽しい体育の授業 2001年3月号
学級崩壊を防ぐ仲間づくりの体育

K135

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楽しい体育の授業 2001年3月号学級崩壊を防ぐ仲間づくりの体育

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2001年2月
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

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特集 学級崩壊を防ぐ仲間づくりの体育
特集の解説
根本 正雄
実践事例 低学年
走・跳の運動遊び
「1、2、3、ハイ」で心を一つにして走ろう
坂本 和康
器械・器具を使っての運動遊び
長なわ跳び連続100回に挑戦!
表 克昌
表現リズム遊び
「よさこいソーラン『どっこいしょ』」は子供の心を鷲づかみにする
平松 孝治郎
ボール投げゲーム
みんなが活躍できる!ミニミニ・キンボール
山本 博子
ボール蹴りゲーム
変化のある繰り返しで!
鬼遊び
「花いちもんめ」で「しっぽとり」!!
夏目 亜弥
実践事例 中学年
走・跳の運動
「すいらいぼかん」と最後の振り返りで仲間意識を育てる
浅野 光
力試しの運動
ふれあえる機会を多くし、良い動きをしたペアをほめる
上木 信弘
バスケットボール型ゲーム
仲間づくりにはドッジボールが最適
坂本 秀行
サッカー型ゲーム
チームを二つにして、得点競争全員参加
松本 勝男
器械運動
器械運動をバリエーション豊かに構成する
中地 直樹
表現運動
毎時間の準備運動に表現運動を取り入れる
太田 麻奈美
実践事例 高学年
体つくり運動
体づくり運動で信頼関係を築く
福田 一毅
器械運動
跳び箱の授業で仲間づくり
星野 昌子
陸上運動
仲間同士で交流させる
千野 毅
水泳
やり方を一時一事で例示して、楽しく水中ゲームをする
田中 聡
ボール運動
ソフトバレーラリーに挑戦
加藤 真一
表現運動
踊り方を教え、子供の好きな歌に合わせてつくる表現
笠井 美香
ミニ特集 新学習指導要領「体つくり」指導のポイント
体ほぐしの運動
体ほぐしで仲間づくり
石橋 健一郎
5つの観点で考えよう
森 康行
「仲間との交流」を促す教材づくりを
宮内 孝
体力を高める運動
運動内容の意識化を図る
猿渡 功
ボールを使って体力を高める運動5×5
中村 厚志
汗をかいて、記録に挑戦しよう8の字跳び
木色 泰樹
写真で見る指導のポイントとコツ
あなたの体育授業をチェックするU
村田 斎
知っておくと役立つ心と体の話
テレビが子供に及ぼす害が、とても恐ろしい
桜木 泰自
マンガで見る楽しい体育指導 (第12回)
根本体育直伝マンガ(用具による補助の巻)
岩野 節男岩野 紀子
スポーツと健康づくり (第12回)
がんは普通の細胞?!
並木 孝樹
法則化体育最前線
台上前転はだれでもできる
駒井 隆治
できなかった子ができた! 子供に学ぶ成功事例 (第12回)
場づくりで工夫する開脚跳びの指導法
根津 盛吾
誰にでもできるこどもかっぽれの指導 (第24回)
子供たちから見た「こどもかっぽれ」
大賀 由里子
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
体ほぐしの運動
佐藤 道拓
〜力をぬいていいきもち〜
体力を高める運動
南 惠介
〜SAQで巧みさを高める〜
誌上授業ビデオ診断
短なわ跳びと長なわ跳び
大町 勝一
全国ネットワーク
北陸はこれから熱くなる
辻岡 義介
サークル紹介
法則化大和
浅尾 真治
授業の腕を高める論文審査 (第107回)
「参考」と「引用」を正確に示すこと
向山 洋一
授業に役立つ「体ほぐし」12選 (第12回)
活動的な運動(用具を使う)3
根本 正雄
〜輪・ボール・棒〜
世界と日本の性教育 (第12回)
イギリスの性教育(7)
武田 敏
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース
こうすればできる! (第12回)
二重跳び
渡辺 喜男

特集の解説

学級崩壊を防ぐ仲間づくりの体育

千葉市立あやめ台小学校

根本正雄


 『学校の失敗』(扶養社)には学級崩壊を防ぎ、新たな 世紀へ向けた教育の方向が示されている。

 向山洋一氏の基本的な考え方と実践レポートによって、具体的な子供を変える方法が示されている。

 「学級崩壊」の原因は、解決する方法を示せず、子供に十分な指導がなされていないからである。

 その具体的な解決方法が向山洋一氏の『学校の失敗』(扶養社)に詳しく述べられている。

 体育授業の上手な教師には学級崩壊は少ない。なぜなら、体育授業には子供を動かす指導技術が多く使用されているからである。

 教室の中の授業では、子供は自分の席に着いている。あちこちに出て歩くこともない。

 ところが、体育の授業は最初から最後まで席を離れての活動である。

 活動欲求の多い子供を集めたり、静かに話を聞かせたり、運動させたりするには指導技術が必要である。

 これらの指導技術を体得していれば、教室での子供の把握も簡単であり、学級崩壊も防げる。

 新卒のころ私も学級崩壊に近い学級を担任したことがある。1年間一人で悩み苦しんだことがあった。

 その時に役立ったのは体育の授業である。体育授業の中で仲間づくりをする中で、学級崩壊に近いクラスを立て直していった。

 影響力のある子供をリーダーにして、グループ学習を行った。あるいは、二人一組にして磨き合い学習をさせた。バラバラだった子供が、教師の指導によってまとまりを見せ、集団としての仲間づくりがされていったのである。

 学級崩壊している学級に共通しているのは、教師への信頼が欠けていることである。

 信頼のない教師の指示では子供は動かない。教師の指導によって、子供の力が伸びた時に子供は教師の指示を受け入れていく。

 本特集では、各領域ごとに具体的に子供が変容した実践例が示されている。

 教師の指示や発問が行き届かなく、まとめることの難しかった学級をどのようによくしていったのかが紹介されている。

 例えばバスケットボールで一人一個のボールをかごから持ってくる時に、「ボールをはやく持ってきなさい」と指示したとする。

 学級崩壊しているクラスでは、我先にと脱兎のごとく全員がかごに走る。そこではボールの奪い合いが始まり、混乱が生じる。授業が成立しないのである。

 そういう時には、次のように指示する。

「4列に整列します。太鼓がなったら1列目の人、ボールを持ってきなさい。太鼓が2つなったら2列目の人、ボールを持ってきなさい。太鼓が3つなったら3列目の人、ボールを持ってきなさい。太鼓が4つなったら4列目の人、ボールを持ってきなさい」

 このようにして、ルールを決めてから行動させるのである。ボールを持ってくるにもルールがあることを理解させていく。

 簡単なルールなので誰でも守れる。ルールが守れず、はやく飛び出した子供にはやり直しをさせる。

 何度でもできるまで徹底する。ボールを持ってくるという簡単な指示から、集団としての規律を作ることができるのである。

 集団としての統率力がどのように発揮されたのか、領域や教材に即して示してある。

 体育の授業で悩んでいる教師が少しでも子供を掌握し、楽しい授業ができる方法が示されている。

 本特集では、学級崩壊を防ぐ仲間づくりの体育授業の実践例が多く紹介されている。活用していっていただきたい。

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