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特集の解説
水泳・細かいステップの級別手だて
千葉市立弥生小学校
根本正雄
水泳で大切なのは細かなステップを踏んで指導していくことである。
いきなり高いステップで指導すると子供は恐怖心を持つ。一度恐怖心を持つとずっとそれが続いていく。
一つ一つのステップを十分に習熟しながら指導していくと、子供は安心して学習していく。
本特集では、水泳の級別指導でパワーアップしていく方法が示されている。
鈴木智光氏は「楽しい体育ビデオシリーズ 第7巻水泳」(明治図書)の解説書の中で、次のような習熟過程を紹介している。
習熟過程はそのまま、級別指導になる。顔を水につけられない子供が、平泳ぎまでできるステップが紹介されている。
1.背浮きが3分できる。
2.ちょうちょう背泳ぎが25mできる。
3.連続だるま浮きが10秒できる。
4.手の動きと呼吸のタイミングをあわせて連続だるま浮きが30回できる。
5.くらげ足平泳ぎができる。
6.キックのタイミングができる。
7.かえる足ができる。
8.平泳ぎができる。
このステップに従っていけば、水に浮けない子供も短時間で泳げるようになる。
なぜなら、水に浮き、泳げるまでの習熟過程が示されているからである。習熟の目安が3分、25m、10秒、30回と数値で示されている。
一つのステップが身に付いたのかを判断するのは難しい。その場合、数値で示されていれば判断がしやすい。理屈が分からなくても到達基準を達成すればよい。
さらに鈴木氏の指導で優れているのは、級別の指導の段階がなぜ必要なのか、どうして10回、30回の練習が必要なのかの根拠が示されていることである。
「連続だるま浮きが10秒できる」のは、息を止め、沈んだ体が浮いてくるまでの時間である。そのために10秒間必要だと主張されている。
だるま浮き10秒ができない子供は、浮いたり沈んだりしながら漂うことが難しいと説明している。
また「連続だるま浮き30回」についても呼吸のリズム習得には30回の回数が必要であると述べている。
顔をつけられない子供には、「背浮きが3分」できるようになれば、「ちょうちょう背泳ぎが25m」できるとも述べている。
3分という数字は、指導者の経験から示されている。それが大切なのである。自分の実践の経験からの数字が示されていると参考になる。
一つのステップの習熟が次のステップに連続している。一つ一つの動きの原理や原則が説明されている。
どの程度習熟すれば次のステップに進級できるのかが分かれば、子供は学習の目安ができる。進級表を見ながら子供は目標を持って自発的に学習していく。
教師も安心して指導することができる。教師が自信を持って指導していく時、子供は伸びていく。
本特集で紹介されている進級表は、すべて実践を通して効果が実証されているものである。
本誌の内容をもとに、各学校・学級の実態に応じて進級表を工夫していってほしい。
多くの実践を通して優れた進級表を作り上げていきたい。そうすれば、水泳指導の苦手な教師には大変役立つ。
本特集ではこのように、泳げるようになるまでのステップを級別にして、具体的な実践と根拠が紹介されている。
追試をして、泳げない子供を泳げるようにしていってほしい。そして、泳ぐ喜びを体験させてほしい。
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- 明治図書