- 特集 学級に“成功体験”の感動ドラマをつくろう
- 特集の解説
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- 実践事例
- 逆上がり
- 踏み切りを中心に指導したことが、全員達成への早道だった
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- 「やればできる」という成功体験は子供を変える!
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- 逆上がりができた!
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- 開脚跳び
- 全員成功のキーワードは『ゆっくりと体重移動を体感させること』
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- 跳べたことが大きな変化をもたらした
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- 体育が苦手でも、初めての「やったぁ!」
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- 側方倒立回転
- できた!側方倒立回転、成功への道
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- 1年生でもできる側方倒立回転への道
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- 側方倒立回転は、4つのポイントでどの子もできる!
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- 回旋の力を高める
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- スモールステップで「成功体験」をつくる
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- 成功体験を何度も味わったA君は、二重跳びに自信をもつようになった
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- 長なわ8の字回旋
- 『小さな成功体験』が、『大きな感動』に
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- 「やったぁ!」歓声が上がる! 3年生の8の字回旋
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- 一体感を感じる「8の字回旋」(4年生)
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- クラス全員が25mついに完泳
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- 裏ワザの効いた子、効かない子
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- ミニ特集 新学習指導要領への提言「鉄棒運動」
- これでマスター「こうもり振り下り」
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- 「逆上がり」の指導を中心にして
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特集の解説
学級に“成功体験”の感動ドラマをつくろう
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
逆上がりができた、二重跳びができた、25mが完泳ができたという喜びは大きいものがある。
体育の基礎学力とは何かが問われている。小学校を卒業するまでにどんな力をつけてあげればよいのであろうか。
これからの学校体育は、生涯にわたって運動を楽しむための基礎的・基本的な運動を身に付けさせることが重要である。小学校ではこれだけの運動技能を習得させるという内容を各学校ごとに作成してほしい。
私は小学生に身に付けさせたい基礎的・基本的な運動として、次の5つを考えている。
@逆上がり A開脚跳び B側方倒立回転 C二重跳び
D25m水泳
これらの運動は、中学校、高校、大学での体育の基礎となるものである。しかもできた感動が大きく、喜びも大きい。
初めてできたとき、子供は泣いて喜び、周りの子供も拍手をして祝福してあげる。子供にとっては記念すべき瞬間であり、一生忘れることのできない出来事である。
これは子供だけでなく、教師にとっても感動体験となる。TOSS鉄棒ML研究会やTOSS縄跳びML研究会の実践には、そういう内容が報告されている。教師になってよかった、教育の可能性を体験できたという声を聞く。
兵庫県の行實克彦氏は二重跳びと逆上がりのできたときの子供の感想をトークライン誌で紹介している。
「体育は好きではなかったのに、今ではだんだん好きになってきました。体育がだんだん好きになってきたのは、スーパーとびなわのおかげだと思います。スーパーとびなわで、生まれてはじめて二重とびができました。スーパーとびなわを先生が紹介してくれなかったら、二重とびができません。だから、先生が担任でよかったです。とびばこもできるようになったし、さかあがりも「くるりんベルト」でできるようになりました。体育で三つもできることがふえて、うれしかったです。これからももっとできることをふやしたいです」
最後に行實氏は、「どの子もできる担任次第で」と述べている。教師次第で子供に成功体験を味わわせ、運動の楽しさを経験させることができるのである。
その成功体験が子供に自信を持たせ、運動への意欲を高めていく。本特集では、以上のような成功体験の事例行實氏の指導した子供が書いているように、成功体験をもたらした具体的な教具・教材、方法、コツなどが次の項目で紹介されている。
@種目 A練習期間(練習時間) B練習方法(教具・教材)
C成功のコツ D効果 E指導の実際(発問・指示)
練習期間(練習時間)では、どのくらいの期間練習し、1日どのくらい指導したのかが示されている。練習期間(練習時間)の目安が示されていると追試がしやすい。
練習方法(教具・教材)ではスーパーとびなわとかクルリンベルトとかヘルパーとか、効果のあった具体的な教具・教材が示しされている。その活用の方法や手順などのユースウェアも示されている。
また、購入先や値段、どこに注文すれば入手できるかも示されているので実践にすぐ取りかかれる。
次に二重跳びなどの種目ができるコツが示されている。スーパーとびなわを使用すれば効果はあがる。コツが分かればさらに成功率は高まる。上達のターニングポイントとなるコツが示されているので指導しやすい。
以上の指導によってどのくらい成功体験がなされたのか数値で示されている。数値で示せないときには、それが分かる資料や子供の感想で示されている。
成功体験の数値としては80%を目安にしている。
本特集では、以上のような「体育成功体験」の実践例が紹介されている。実践をして多くの子供に成功体験をさせ、運動の好きな子供にしていってほしい。
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