- 特集 たった45分で泳げるようになる「水泳の裏技18」
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特集の解説
たった45分で泳げるようになる「水泳の裏技18」
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
日本テレビ系列で放送されている「伊東家の食卓」に鈴木智光氏の水泳指導法が紹介された。
コーナー名は、「たった45分で急激に泳げるようになっちゃう裏技!」である。
裏技の内容は、「腰ヘルパーを腰に装着して、下半身は力を抜いて、息継ぎと腕の動きだけに集中することで息継ぎのリズムを覚えて長い距離を泳ぐことができる」となっている。
今までの指導では息継ぎと手足の協応を協調していた。プールに入る前に最初に行うのはばた足の練習である。その次は、ビート板を持ってのキックの練習を行う。
キックができるようになったら腕の練習で、最後が呼吸である。このような指導をするのが一般的である。
これに対して鈴木氏は、裏技として「下半身は力を抜いて、息継ぎと腕の動きだけに集中する」練習法を提案している。
「伊東家の食卓」のディレクターは「この番組を見た子が、一人で練習して泳げるようになることをねらっています。だから教師がそばにいて指導・助言をしなければならないようなものでは困るのです」と述べている。
この方針にそって3年生11名、4年生8名が授業を受けた。練習の手順は次の通りである。
@水慣れ、だるま浮き、水中ジャンケン、けのび。約7、8分。
Aこの後、泳力テストをする。
B泳力テストの後、泳げない子供を集めて裏技を教える。
C「キックをしないで泳ぎます。ゆったりと泳ぎます。キックをしないと足から沈むのでヘルパーをつけます」「なお、足はカチンカチンにしてはいけません。だらんとしておきます。そのとき足が勝手に動くのはいいです」
D裏技を使った練習に入る。30分間。
E泳力テストをする。裏技を始める前3年生8名、4年生3名が25m泳げなかった。
F裏技の後、25mが泳げるようになった子は、3年生5名、4年生2名であった。
以上の様子が収録され、テレビに放映された。私も見ていたが、たったの30分間の練習で、25m泳げなかった11名中、7名が泳げるようになった。
鈴木氏の提案した裏技の効果が証明されたのである。教師がそばにいて指導・助言をしないで、子供だけの力で泳げるようになったのである。
本特集では、鈴木氏のような裏技が紹介されている。鈴木氏のように劇的に変容する裏技だけでなく、ほんのささやかな裏技も紹介してある。
今まで表だって指導はできなかったが、経験則で効果のある指導法がある。口コミで先輩から教えを受けた方法である。
指導書や参考書には書かれていない内容である。そういう経験則で効果のある方法が特集されている。
公の指導ではどうしても伸びない子供に対して、どのように指導していったらよいのかが紹介されている。
裏技は知ると「何だ、そんなことか」と言えるようなシンプルな方法がよい。
裏技は、次の項目でまとめられている。
@裏技名
A裏技の内容
B練習方法
C効果
D指導の実際
実際に試して、本当に効果があるかを確かめてほしい。多くの追試を通して、効果抜群で子供が伸びたという裏技があったら報告してほしい。
本誌で紹介して多くの方に実践をしていただくようにしたい。そして、ちょっとした簡単な方法で水泳が好きになり、泳力が伸びていくようにしてほしい。
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