- 特集 黄金の三日間・授業開きはこの教材で
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特集の解説
黄金の三日間・授業開きはこの教材で
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
学年始めの三日間の体育の授業はとても大事である。
この三日間で1年間の体育の授業の骨格が決まるからである。
どの子供も体育の授業は楽しみにしている。新しい先生の場合にはなおさらである。
子供は楽しい体育の授業を期待している。運動の喜びや楽しさを体験させてくれる授業を待っているのである。
そんな子供にどのような教材で授業をしたらよいのであろうか。どんな教材なら黄金の三日間にふさわしいのであろうか。
教材によって子供の楽しさは変わっていく。黄金の三日間でいきなり鉄棒運動をすると、子供は1年間体育嫌いになる恐れがある。
なぜなら鉄棒運動は「できる、できない」がはっきりしているからである。しかも鉄棒運動はその差が大きく、できる子供は少ないからである。
できない子供にとっては苦痛な時間である。それが学年始めにあると、1年間いやな思い出として残ってしまうのである。
できる子供は積極的に取り組んでいく。できる楽しさを十分に味わうことができる。
鉄棒の苦手な子供にとっては、鉄棒の時間が恐怖である。何もできない場合もあるからである。
3年生のT君は運動神経が悪いわけではない。鉄棒以外の種目は得意である。鉄棒から落ちたことがあり、その恐怖心で鉄棒が苦手になってしまった。
T君は前回り下りもできない。跳び上がりもできない。そんなT君にとって体育開きで鉄棒の授業をされたら、苦痛であり、体育が嫌いになる。
そこで方法は二つある。一つは誰でもできる、楽しい教材を選択して行うことである。
子供が喜ぶのは競争やゲームのある授業である。しかもルールが簡単で、誰でも参加できる教材である。
その上、技能差が生まれない内容がのぞましい。運動技能の高い子供だけが楽しんだり、活躍できる内容ではなく、運動技能の低い子供でも楽しくできる内容である。
リレーやドッジボールが好まれるのはそのためである。用具の準備も必要ない。バトンやボール1個でできる教材であり、準備が簡単なのである。
しかも能力差に関係なく、誰でも参加できる。全員参加し、しかも勝敗がはっきりしているので達成感も得られる。
勝った時の喜びは大きい。チームでの作戦が工夫でき、チームワークも必要になるので、みんなが協力していくので仲間づくりもできていく。
もう一つの方法は、子供が苦手な教材を楽しくできるように工夫して授業を行うことである。
例えば低学年の鉄棒遊びであれば、誰でも楽しくできる教材にする。
跳び上がり下りという教材で、「下りる時、どこまで遠くに下りられるでしょう」と課題をだす。
鉄棒の苦手な子供も下りることができる。能力の高い子供は後ろの方まで下りることができる。誰でも下りることができるのである。
どこまで遠くに下りられるかは個人差になる。個人の能力に応じて跳ぶことができるので、誰でも参加できる。
このように教材の内容を工夫することによって、誰でも楽しく参加できるようになっていく。
本特集では、このような「黄金の三日間の授業」を、どんな教材で指導したのかの実践例が紹介されている。
どんな教材が子供の意欲を高めていくのか。どんな指導の工夫が子供の力を伸ばしていくのか。
本特集では実践に基づいて、多くの実践が紹介されている。自分の学校や学級の実態に応じて選択をしてほしい。その中で、黄金の三日間の授業としてふさわしい授業をしていってほしい。
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- 明治図書