楽しい体育の授業 2005年7月号
最初の3分が見事に決まる“授業の優れパーツ”

K188

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楽しい体育の授業 2005年7月号最初の3分が見事に決まる“授業の優れパーツ”

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2005年6月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 最初の3分が見事に決まる“授業の優れパーツ”
特集の解説
根本 正雄
実践事例
低学年/走・跳の運動遊び
タンバリンを使い、リズムよく走・跳の運動を行っていく
藤井 優作
低学年/器械・器具を使っての運動遊び
楽しく 汗をかく準備運動
伊藤 新吾
低学年/用具を操作する運動遊び
個別評定を交えて「共創なわとび」の基本形を身に付ける
三宅 孝明
低学年/ボールゲーム
子供 わくわく どきどき ボール運動
宮野 正樹
低学年/鬼遊び
手つなぎ鬼で楽しく始めよう
池町 徹也
中学年/跳び箱
タイミングよく声掛け、テンポよく個別評定
徳永 一哉
中学年/マット
既習の技をテンポよく
吉岡 剛
中学年/鉄棒
向山型体育の指導の原理原則を意識し、3分間を組み立てる
浦岸 徹
中学年/バスケットボール型ゲーム
スムーズな導入はイメージをもたせる言葉がけで
松尾 英明
中学年/サッカー型ゲーム
パス! ドリブル! シュート!
原口 雄一
中学年/ベースボール型ゲーム
ベースボール型ゲームで汗をかく
小倉 秀志
高学年/跳び箱
基礎感覚・基礎技能を育てる運動をテンポよく行い、心拍数を上げる
鈴木 康一
高学年/鉄棒
基礎の積み上げが成功へと導く
神山 豊
高学年/体ほぐし
「バランスウォーク」で仲間と交流しよう
伊藤 秀男
高学年/短距離走・リレー
短距離走の記録を伸ばすための6つの運動
末宗 昭信
高学年/バスケットボール
一人ボール一個で個々の技能を高める
水野 彰子
高学年/サッカー
ボールタッチを中心に
山下 敏彦
高学年/ソフトバレーボール
パス・トスはこの導入でばっちり
宇梶 誠司
ミニ特集 体育授業のマニフェスト「水泳」
3つのステップで25m全員完泳をめざす
中村 厚志
学校としての指導方針を明確にする
村田 正樹
体育主任の立場で宣言する水泳のマニフェスト
表 克昌
全員が泳げる 全員が大好き
小松 裕明
全員に25mを完泳させる
古川 光弘
ライブで体感!TOSS体育講座
基礎学力を保障する体育授業のマニフェスト
竹森 正人
レベルアップ こうすれば体育授業が楽しくなる
“不思議トンカチ”で「給食メニュー」を分解しよう!
近藤 真庸
マンガで見る楽しい体育指導 (第64回)
根本体育直伝マンガ(前回り下りの巻)
岩野 節男
授業のつかみは最初の1分で決まる (第4回)
何をするかが明確な運動
小路 健太郎
体を意識させる器械運動の指導 (第4回)
前転
中村 賢
〜腰を意識させる・回転の前半〜
保護者も感動!よさこいソーラン (第4回)
8時間で完成させる
橋 真
常識を疑え!この動き (第4回)
「歩いてピョン」で必ず跳べる長なわ
柴田 泰士
微細技術で子供が燃える (第4回)
言葉を削る=指示の量を変化させる
渡辺 喜男
全校動かす体育主任の仕事術 (第4回)
体育の教材・教具 授業をイメージした購入法
並木 孝樹
インターネットの活用で授業が3倍上手になる! (第4回)
子供のイメージと実際の動きをつなぐ
山ア 一樹
ビジュアルに学べる保健の学習 (第4回)
いろいろな場合を想定し、授業しておく
戸井 和彦
TOSS体育授業研究会報告
模擬授業の百倍学べた飛び込み授業
三好 保雄
TOSS体育最前線
「跳び箱が跳べる」という事実
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
跳びっこ
森田 允亮
〜楽しみながら、基礎感覚を養う〜
走り幅跳び
辻 和彦
〜空中姿勢を相互評定でチェックする〜
子供が楽しみにするライフスキルの実践
上手な「抗議」のしかた
横崎 邦子
ライフスキルと健康教育 (第40回)
コーチング(4)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第159回)
「効果」を実証した論文である
向山 洋一
体育科における学力保障 (第28回)
全員が跳べるようになる。習熟過程を踏まえた二重跳びへのステップ
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第43回)
テクニカルポイントはここだ! (第4回)
跳び箱
横浜YMCA
〜「前方倒立回転跳び」の動きづくり〜

特集の解説

最初の3分が見事に決まる“授業の優れパーツ”

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 最初の3分をどのように展開するかによって、体育授業の全体が決まる。それだけ、出だしの3分は重要である。

 どのようなパーツで子供の心を掴み、授業に参加させるかが勝負なのである。

 浜井俊洋氏の「シンクロ側方倒立回転」の模擬授業を参観した。次の導入のパーツは見事であった。

説明1 はじめに、基本形を説明しますね。マットの上に立って、跳び箱に手をついて、そして、向こうのマットに下りる。(1回示範)これが基本です。

指示1 最初は両手を同時について「トン(両手)・トン(両足)」で渡ります。終わった人はこちら側でやります。どうもこの方向がやりにくいという人は方向を変えてやってごらんなさい。

 リズムに関する言葉かけ(はじめは先生がリズムを刻んでいる)

・トン・トン、声出してやるんだよ。

・トン・トン、そう、福岡君のように声を出すんだ。(自分で声を出して回り始める)

・トン・トン、みんなで声出してやるんだよ。(待っている子も声を出し始める)

・田中君すごいなあ。トン・トン。

・リズムに合わせてやってごらん。

 マネジメントに関する言葉かけ

・できるだけ友達の様子が見えて、声がかけられるところでいてね。

 このパーツの優れているのは次の点である。

1.教師が基本形を示範し、視覚的な情報で動きのイメージを明確にした。

2.トン・トンと声を出してやることを示範し、聴覚的な情報で動きのイメージを明確にした。

3.声を出す動きのイメージを教師→福岡君→みんなの順にたたみみ込むようにして、繰り返し指示して明確にした。

4.「田中君すごいなあ。トン・トン」とよい活動をすかさず誉め、動きの方向を明確にした。

 浜井氏の動きのイメージを伝える3分間のパーツによって、模擬授業に参加していた教師はどのように動いたらよいのかを把握することができた。

 体育授業で大切なのは、いかに動きのイメージを子供にもたせるかである。

 そういう意味で浜井氏の指導は優れていた。その後の教師の動きは明確なイメージをもち、自信に満ちた動きになっていた。

 明確なイメージをもたせるために、浜井氏は最初に示範をした。しかも跳び箱を使って、実際に跳んでみせた。

 物を使って、子供の前で跳ぶということが、イメージ作りに有効であることを認識した。

 教師が跳べない時にはどうするか。子供に練習させておいて、子供に跳ばせるのである。教師がすべて示範する必要はない。

 次にリズム言葉で跳び方を指導した。ただ跳ばせるのではなく、「トン・トン、声出してやるんだよ」と言われたほうが動きやすい。

 動き方は分からなくてもトントンというリズムは伝わりやすい。浜井氏はさらに、上手にできている子供をほめて、動きの真似がしやすくしている。

 一人だけではない。次から次へとほめていっている。子供は自分もほめてほしいと思って動くようになる。

 3分間で、浜井氏の意図する動きと授業の流れに沿って展開されていたのである。

 最初の3分のパーツによって、授業がスムーズに展開していったのである。子供を授業にのせていく指導の極意が見られた。

 本特集では、浜井氏のような最初の3分のパーツが紹介されている。

 具体的な実践事例に基づいて、教師のどんな意図があり、どんな方法で指導したのかが紹介してあるので、授業にすぐ役立つ内容である。

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