楽しい体育の授業 2005年8月号
ワザを習熟させる“個別評定”の極意

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楽しい体育の授業 2005年8月号ワザを習熟させる“個別評定”の極意

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2005年7月8日
対象:
小学校
仕様:
B5判 80頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 ワザを習熟させる“個別評定”の極意
特集の解説
根本 正雄
実践事例
基本の運動
〈走・跳の運動遊び〉個別評定で両足跳びの動きが変わった
梶田 俊彦
〈器械・器具を使っての運動遊び〉個別評定は“一時に一事”
池田 潤
ゲーム
〈ボールゲーム〉毎時間の個別評定こそが上達の鍵
柴崎 英里
〈鬼遊び〉確認→修正→遊びを繰り返す
浦ア なるみ
跳び箱
〈開脚跳び〉子供の動きが劇的に変化する開脚跳び個別評定
満石 大輔
〈かかえ込み跳び〉かかえ込み跳び習熟のための基礎運動の明確な個別評定
溝端 達也
〈頭はね跳び〉「頭はね跳び」は誰でもできる5つのステップ設けた指導法
波戸 裕幸
マット
〈開脚前転〉回転加速と強い前屈がポイント
石田 博一
〈側方倒立回転〉指導ステップと個別評定で技の美しさを高める
白石 周二
鉄棒
〈逆上がり〉飯田式「段階別台付き鉄棒」での個別評定
西井 孝利
〈後方支持回転〉後方支持回転で子供たちの動きを変化させる個別評定のポイント
刀祢 敬則
〈前方支持回転〉コツがつかめる前方支持回転の個別評定
坂本 和康
陸上
〈短距離走・リレー〉ポイントは歩幅と「一時に一事」
飯田 学
〈ハードル〉意図的に台数を制限し、子供に気付かせるハードルの授業
吉武 徹也
水泳
〈平泳ぎ〉美しい平泳ぎのポイントはけ伸びの状態をつくることである
濱崎 督之
〈バスケットボール〉ワザのポイントを個別評定で習熟させる
野ア 隆
〈サッカー〉サッカー個人技能で個別評定
三好 保雄
表現
〈よさこいソーラン〉よさこいソーランの指導
波多野 陽
ミニ特集 体育授業のマニフェスト「ハードル」
全員をリズム良く駆け抜けさせるために
木色 泰樹
個別評定で学力を保障する
沖平 和生
平面から徐々に高さを加えてハードル走を楽しませる
宮内 孝
振り上げ足を繰り返し評定する
河野 健一
「ペア学習」でハードル走のマニフェスト達成に迫る
浜條 信彦
ライブで体感!TOSS体育講座
TOSSデーでどのように授業をするか学ぶ
村田 斎
レベルアップ こうすれば体育授業が楽しくなる
子供のやる気を失わせないこと
岩井 邦夫
マンガで見る楽しい体育指導 (第65回)
根本体育直伝マンガ(いろいろスタートの巻)
岩野 節男
授業のつかみは最初の1分で決まる (第5回)
ちょんかげごま紹介!
岡 亨
体を意識させる器械運動の指導 (第5回)
前転A
中村 賢
〜前腕を意識させる・回転の後半〜
保護者も感動!よさこいソーラン (第5回)
ビッグな対談からうまれた感動体験企画
割石 隆浩
常識を疑え!この動き (第5回)
手の位置を疑う
桑原 和彦
微細技術で子供が燃える (第5回)
子供と一緒に動く
渡辺 喜男
全校動かす体育主任の仕事術 (第5回)
向山洋一氏が語る体育主任の仕事術
並木 孝樹
インターネットの活用で授業が3倍上手になる! (第5回)
ブログをつくって情報発信
村田 淳
ビジュアルに学べる保健の学習 (第5回)
人はもともと太るようにできている
戸井 和彦
TOSS体育授業研究会報告
中学・高校も指導技術の共有財産化
太田 輝昭
TOSS体育最前線
水泳指導は「シンプル」&「スモールステップ」で
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
障害遊び
井上 和子
〜とびこしリレーに挑戦!〜
ハードル走
小峯 学
〜教師の個別評定を取り入れた学習カード〜
子供が楽しみにするライフスキルの実践
危険から身を守るコミュニケーションスキル
小林 宏
ライフスキルと健康教育 (第41回)
コーチングとEQ(1)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第160回)
三十年昔の実践を復活させた研究論文
向山 洋一
体育科における学力保障 (第29回)
表現運動イメージを動きにつなげる授業の技術「ジャングル探検」
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第44回)
テクニカルポイントはここだ! (第5回)
着衣泳
横浜YMCA
〜レッスン1〜レッスン5まで〜

特集の解説

ワザを習熟させる“個別評定”の極意

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 向山洋一氏の阿波踊りの個別指導を何度も見たことがある。何度見ても素晴らしく、動きは短時間に変容した。流れは次のようである。

@ 足の動かしかた

A 手の動かしかた

B 足と手を一緒に動かす

C 面を付ける(顔の表情を付ける)

 指導の時間はたったの30分である。殆どの教師が阿波踊りをマスターされた。

 短い時間に、個性的な踊りができるようになったのである。向山洋一氏の指導の中で際立っていたのは個別評定である。

 例えば、1点、3点、5点などと評定する時に観点を示すのである。あるいは、「うまいですね」などとほめながら評定していく。

 だから、見ている先生は具体的なイメージをもつことができる。評定を通して動きのイメージを作り、動きを上達させるのである。

 習熟させる個別評定が素晴らしいのである。10点を目標にして、一人一人の動きを評定していった。

 最初は2点から始めた。形ができていれば合格である。基本の練習で全員できているので簡単に合格する。

 ここで達成した喜びが体験できるので、もっとやろうと意欲がでる。

 子供に指導する時には、2点、3点、4点と少しずつ点数を上げていく。私が参観した時は、先生方が相手だったので5点にしていた。そうすると合格できない人が出てくる。

 「手の動きがあっていませんので4点です」

 「下を向いてやっていたので3点です」

 あるいは、大変よい点で合格する人が出てくる。

 「動きが大変柔らかいです。8点です」

 これらの評定の観点が動きを高めていくのである。個別評定が上達させる極意なのである。極意をさらに詳しく分析していくと次のようになる。

@ 評定を数字で示す。

A 評定の観点を示す。

B 評定の点を少しずつ上げていく。

C 評定を通して動きのイメージを作る。

D 評定によって達成感が得られる

 個別評定で何が大事かというと数字で評定することである。自分の動きが10点満点で何点かを知ることである。

 点が低ければ、「どこが悪いのだろうか。どこを直せばよいのだろうか」と子供は考える。

 同時に動きのよい子供を観察し、真似をしていく。少しでも点をよくするために、どこを修正していけばよいかを探していく。

 子供が自分で動きを高める観点が理解できる場合はよいが、気がつかない場合がある。

 そういう時には、教師が観点を示していく。具体的に指摘されて初めて子供は気づく。点数で評定しただけではよくならない。

 自分で気がつく子供と観点を示さないと理解できない子供を峻別して指導する。そのためには、動きの変わる観点をしっかりと教師が把握しておくことである。

 次は評定の点数を少しずつ上げていくことである。最初から高い店数をつけると練習する目標がなくなる。

 少しずつ上げていくことによって、子供は意欲を持ち、練習に集中していく。動きも少しずつ高まっていく。

 評定を通して、どんな動きがよいのかが全体の子供に伝わっていくようにする。時には店数の高い子供に全体の前で示範をさせていく。

 動きのイメージを明確に作ることが教師の役割である。そのためにも個別評定を行なっていくのである。

 結果としてよい動きになり、達成感を得ることができるのである。踊ってよかったなと感じるのである。

 本特集では、以上のような向山洋一氏の個別評定の極意を他の領域の実践で紹介してある。参考にして実践していってほしい。

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