楽しい体育の授業 2006年10月号
教師の立ち位置→子どもの動線で授業は変わる

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楽しい体育の授業 2006年10月号教師の立ち位置→子どもの動線で授業は変わる

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2006年9月7日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

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特集 教師の立ち位置→子どもの動線で授業は変わる
特集の解説
根本 正雄
実践事例
導入編/低学年 基本の運動
〈力試しの運動遊び〉力試しの授業で一人一人全員を確実にほめる!
石橋 健一郎
〈表現運動遊び〉だれでもできる動きと15分のパーツで組み立てる表現運動
澤田 あかね
導入編/低学年 ゲーム
〈ボールゲーム〉的当てゲームで投力アップ
太田 健二
導入編/中学年 ゲーム
〈バスケットボール型〉授業の開始はドリブル鬼ごっこ
団野 晶夫
〈サッカー型〉立ち位置で「場」を統率する
小倉 秀志
導入編/中学年 器械運動
〈マット運動〉前を通過させるから前転が美しくなる
鬼頭 衛
導入編/高学年 陸上運動
〈短距離走・リレー〉教師の明確な判断と評価で子どもが変わる
青木 英明
導入編/高学年 ボール運動
〈バスケットボール〉教師の立ち位置には意図がある
池田 潤
導入編/高学年 体つくり
〈体ほぐし〉体育館の隅でハイタッチで確認!
河野 和正
終末編/低学年 基本の運動
〈用具を操作する運動遊び〉新たな動線が生まれ全員が跳べる!
鈴木 章弘
終末編/低学年 ゲーム
〈鬼遊び〉マット遊びの最後は島鬼で!
瀬川 恵子
終末編/中学年 ゲーム
〈ベースボール型〉ルールの工夫で仲間との一体感を生む
中井 良徳
終末編/中学年 器械運動
〈鉄棒運動〉クラスの達成感を生むこうもり振り下りの指導法
山口 浩彦
〈跳び箱運動〉たった一人、苦手な子の伸びを見本に見せる
真柄 二郎
終末編/高学年 陸上運動
〈ハードル走〉フォームはバッチリ!教師の立ち位置で子どもが変化する
中島 康
〈走り高跳び〉スモールステップで成功させる3歩助走ジャンプ
松田 信吾
終末編/高学年 ボール運動
〈サッカー〉全員にシュートチャンスを保障するミニゲーム
石田 博一
終末編/高学年 リズムダンス
〈リズムダンス〉終盤 一曲を通していっしょに弾もう
関家 千恵
ミニ特集 10月の体育はこう指導する
低学年
ろく木で基礎感覚を鍛える!
大谷 貴子
中学年
「ボール投げ」の授業
牛腸 要
開脚前転が美しくできるようになる
伊藤 秀男
高学年
基礎感覚・基礎技能を身に付けて取り組むバスケットボール
井坂 広輝
試合を中心にしたバスケットボール指導
西井 孝利
ライブで体感!TOSS体育講座
最高の教育技術を使いこなす力を身に付ける
村田 斎
レベルアップ!体育の授業を変える
書く体育学習を
小林 篤
マンガで見る楽しい体育指導 (第79回)
根本体育直伝マンガ(教師の立ち位置の巻)
岩野 節男岩野 紀子
新卒教師の陥りやすい体育指導 (第7回)
『初心者体育Q急隊』よりQ&Aに答える
桑原 和彦
〜向山式跳び箱指導B式・合同体育のボール運動・体操服忘れの対処法〜
集合・整列・グループ分けの微細技術 (第7回)
クラスの仲がよくなるチーム分けの方法・3
田代 光章
〜リズム太鼓が奏でる美しいチーム分け〜
学校と地域をつなぐYOSAKOIソーランの新展開 (第7回)
感動のドラマが生まれた!三度の舞台で踊ったYOSAKOIソーラン
山口 敏生
“ボクとわたしのからだとスポーツ”質問・疑問・悩み大集合! (第7回)
背が高くなりたいけど、どうすればいいの?
長谷川 亜弓
ライブで学ぶ体育指導技術 (第7回)
誰でもできるようになりたい
渡辺 喜男
一目瞭然!教師の個別評定 (第7回)
走り高跳び 振り上げ足の指導で個別評定する
並木 孝樹
知らなかった!技の数々!なわ跳びの世界 (第7回)
見た目の変化が分からない技
大谷 和明
〜複あや跳び〜
子ども熱中!鉄棒の新ドリル (第7回)
学校に鉄棒ブームを仕掛ける!!
佐藤 貴子
1枚の写真で示す陸上運動のテクニカルポイント (第7回)
ハードル踏み切り
竹森 正人
TOSS体育最前線
初めて会った子どもたちに跳び箱を跳ばせた!
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
幅跳び遊び
上岸 栄里子
〜走り幅跳びの基礎感覚を鍛えよう〜
走り幅跳び
坂本 秀行
〜砂場へ行く前の自主練習メニュー〜
最新情報を盛り込んだボール運動 (第7回)
サッカー トレセン活動に学ぶ体ほぐし運動
佐久間 大輔
ライフスキルと健康教育 (第55回)
新旧知識の統合
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第174回)
先行研究をふまえた誠実な実践
向山 洋一
体育科における学力保障 (第43回)
どの子も泳げるようになる水泳指導
根本 正雄
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第58回)
テクニカルポイントはここだ! (第19回)
サッカー
横浜YMCA
〜ボールキープのバリエーション〜

特集の解説

教師の立ち位置 子どもの動線で授業は変わる

TOSS体育授業研究会代表

根本正雄


 授業で大切なのは、子どもを惹き付ける導入であり、次時へとつながる終末である。

 名人と呼ばれている方に共通しているのは、鮮やかな導入であり、感動的な終末になっていることである。

 落語や漫才の導入を思わせる。自然に本題に引き込まれていくのである。「なぜだろう」「不思議だな」「どうしてだろう」という疑問をもたせていく。

 知らないうちに教師の世界に入り、追求が始まっている。終わりも同様である。もっと授業がしたいなと感じる。次の時間が待ち遠しくなる。

 大阪府の阪下誠氏より向山先生の準備運動追試の報告があった。以下の3種類である。

1.壁に向かって腕立て伏せを10回

2.両足をあげた状態で10秒

3.3人組で壁から壁まで馬跳び

 「終わったら教師の手にタッチして1列に座ります。1と2は、大混雑したが、3はスムーズにタッチし、スムーズに並んで座っていった」と言う。

 成立させるには3つの方法が大切だと述べている。

1.時間差……ある程度時間差がつくような運動を指示する。

2.子どもの動線(教師の立ち位置)…… 子どもが一方通行で教師の前を通過できるようにする。教師の立ち位置を工夫する。

3.教師との関わり……先生とタッチしたい。ほめられたい。そんな気持ちを子どもがもつようにする。

 阪下氏の実践で優れているのは向山先生の導入の追試を通して、時間差、子どもの動線、教師との関わりを学ばれたことである。鮮やかな導入にするためには工夫が必要なのである。

 ただ真似ても効果は少ない。学級の実態に応じた方法にしていくのである。原実践に新たに工夫を積み重ねて行くのである。

 ベテランの女性の先生の体ほぐしの授業を参観した。女教師は授業の最後で、まねっこジャンケン遊びを行った。

1.2人一組で体ジャンケンを行う。

2.負けた人は勝った人の真似をする。

3.2人組から4人組でまねっこジャンケンをする。

4.自由に場所を移動して自由に仲間を作ってまねっこジャンケンをする。

 体ほぐしの授業は律動的、静的、活動的な流れで行われた。その最後の終末を以上の流れで行った。

 この場面で感動したのは、2人組、4人組、不特定多数との関わりを通して、仲間との一体感、連帯感、達成感が生まれたことである。

 1人の動きを他の人が同じように真似をしていく。そこには共感的な関係が生まれていった。いやいや真似をするのでなく、楽しく主体的に活動していた。

 行っている子どもも指導している教師も参観者も一体になって、楽しい気持ちになることができた。

 このような感動的な終末にすることによって、子どもは次の時間にも意欲的に参加する。

 本特集では、阪下氏や女教師のような導入や終末場面の事例を紹介してある。次の内容でまとめられている。

1.単元名

2.導入・終末の場面

3.鮮やかな導入・終末にするための工夫

4.指導の結果

5.留意点

6.発展

 実際に実践をして確かめて欲しい。授業の腕が上がるのは実践した時である。

 うまくいく場合、うまくいかない場合がある。いずれの場合にもどうしてうまくいったのか、うまくいかなかったのかを分析することである。

 分析をしてその理由を明確にすることが、次の授業に生きていく。うまくいく方法を一般化していく中で、いつでもどこでも指導できる方法として身に付けることができる。

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