- 特集 教師の立ち位置→子どもの動線で授業は変わる
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特集の解説
教師の立ち位置 子どもの動線で授業は変わる
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
授業で大切なのは、子どもを惹き付ける導入であり、次時へとつながる終末である。
名人と呼ばれている方に共通しているのは、鮮やかな導入であり、感動的な終末になっていることである。
落語や漫才の導入を思わせる。自然に本題に引き込まれていくのである。「なぜだろう」「不思議だな」「どうしてだろう」という疑問をもたせていく。
知らないうちに教師の世界に入り、追求が始まっている。終わりも同様である。もっと授業がしたいなと感じる。次の時間が待ち遠しくなる。
大阪府の阪下誠氏より向山先生の準備運動追試の報告があった。以下の3種類である。
1.壁に向かって腕立て伏せを10回
2.両足をあげた状態で10秒
3.3人組で壁から壁まで馬跳び
「終わったら教師の手にタッチして1列に座ります。1と2は、大混雑したが、3はスムーズにタッチし、スムーズに並んで座っていった」と言う。
成立させるには3つの方法が大切だと述べている。
1.時間差……ある程度時間差がつくような運動を指示する。
2.子どもの動線(教師の立ち位置)…… 子どもが一方通行で教師の前を通過できるようにする。教師の立ち位置を工夫する。
3.教師との関わり……先生とタッチしたい。ほめられたい。そんな気持ちを子どもがもつようにする。
阪下氏の実践で優れているのは向山先生の導入の追試を通して、時間差、子どもの動線、教師との関わりを学ばれたことである。鮮やかな導入にするためには工夫が必要なのである。
ただ真似ても効果は少ない。学級の実態に応じた方法にしていくのである。原実践に新たに工夫を積み重ねて行くのである。
ベテランの女性の先生の体ほぐしの授業を参観した。女教師は授業の最後で、まねっこジャンケン遊びを行った。
1.2人一組で体ジャンケンを行う。
2.負けた人は勝った人の真似をする。
3.2人組から4人組でまねっこジャンケンをする。
4.自由に場所を移動して自由に仲間を作ってまねっこジャンケンをする。
体ほぐしの授業は律動的、静的、活動的な流れで行われた。その最後の終末を以上の流れで行った。
この場面で感動したのは、2人組、4人組、不特定多数との関わりを通して、仲間との一体感、連帯感、達成感が生まれたことである。
1人の動きを他の人が同じように真似をしていく。そこには共感的な関係が生まれていった。いやいや真似をするのでなく、楽しく主体的に活動していた。
行っている子どもも指導している教師も参観者も一体になって、楽しい気持ちになることができた。
このような感動的な終末にすることによって、子どもは次の時間にも意欲的に参加する。
本特集では、阪下氏や女教師のような導入や終末場面の事例を紹介してある。次の内容でまとめられている。
1.単元名
2.導入・終末の場面
3.鮮やかな導入・終末にするための工夫
4.指導の結果
5.留意点
6.発展
実際に実践をして確かめて欲しい。授業の腕が上がるのは実践した時である。
うまくいく場合、うまくいかない場合がある。いずれの場合にもどうしてうまくいったのか、うまくいかなかったのかを分析することである。
分析をしてその理由を明確にすることが、次の授業に生きていく。うまくいく方法を一般化していく中で、いつでもどこでも指導できる方法として身に付けることができる。
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- 明治図書