- 特集 「跳び箱運動」プロ技をこう取り入れる
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- 〈タイヤとび・平均とび〉忍者遊びで基礎感覚づくり
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- 〈またぎ越し〉無理なくできる「またぎ越し」の指導
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- 〈腕立て跳び上がり〉多くの運動の基本となる腕立て跳び上がり
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- 〈横とび越し〉忍者になって何でも跳び越そう
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- 〈抱え込み跳び〉うさぎ跳びをマスターすれば抱え込み跳びはできる!
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- 〈台上前転〉三つのステップで台上前転はだれでもできる
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- 〈あおむけ跳び〉映像と学習カードであおむけ跳びを攻略!
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- 〈横跳び〉うさぎ跳びが横跳びのポイント 場づくりは「できる。できる」の連続で
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- 〈側方倒立回転とび〉側方倒立回転の指導は、スモールステップで
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- 〈シンクロ抱え込み跳び〉動きをそろえることで心も一つに「シンクロ抱え込み跳び」
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- 〈シンクロ台上前転〉「向山式跳び箱指導」A式・B式でも跳べなかったらどうするか?場作りの工夫で、子どもをできるようにさせる!
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- 〈ネックスプリング〉スモールステップで取り組むネックスプリングの指導
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- 〈ヘッドスプリング〉ヘッドスプリング「はね」の指導の前提
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- 〈ハンドスプリング〉倒立姿勢をいかにして意識させるか
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- ミニ特集 7月の体育はこう指導する(跳び箱運動)
- 低学年
- 挑戦したくなる遊びを続けて基礎感覚を身に付ける
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- 中学年
- 跳び箱運動を取り組む前に準備運動で、基礎感覚を育てる
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- 跳び箱で表現させる
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- 高学年
- ICT活用でわかって、できて、かかわる跳び箱運動
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- 「正座」ができれば「かかえ込み跳び」もできる
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- 明日からすぐ使える!体育授業の基礎基本!
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- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- フィンを用いた水泳指導
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- マンガで見る楽しい体育指導 (第89回)
- 根本体育直伝マンガ(基本の運動・器械・器具を使っての運動遊びの巻)
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- 水をこわがって顔をつけられない子に効果てきめん!ヘルパーを使っての背浮き・ちょうちょう泳ぎでクリア!
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- 体育科の系統的指導
- 水泳は変化のある繰り返しで「ゆったり」泳がせる 2
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- 爆発的に広がるYOSAKOIソーランの授業 (第5回)
- 全校児童全員で踊るよさこいソーラン
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- 真下投げの指導 (第5回)
- 上肢投球障害の驚くべき現状A
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- 体育指導における微細技術 (第5回)
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- オーバーロードの原則の活用 成功は突然に訪れた!
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- 二重跳び全員達成への道 (第5回)
- それは、男女対抗二重跳びリレーがいい!
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- 〜「TOSSデー渋谷会場」村田斎氏の講座に学ぶ〜
- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
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- 〜こわがりやさんも大丈夫!〜
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- 岩井邦夫氏の「豆忍者修業でござる(U)〜忍術村の巻〜」@
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- 〜基礎から指導、ABCと確認させる〜
特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
「跳び箱運動」プロ技をこう取り入れる
2007年2月25日(日)、奈良女子大学付属小学校で第15回日本体育教育技術学会が開催されました。岩井邦夫氏は「豆忍者修業でござる(U)〜忍術村の巻〜」の授業を行った。
岩井氏は跳び箱の開脚跳びを直接指導しないという。自然にできてしまうと話された。その秘密が本時の指導で理解できた。
なぜなら逆上がり、開脚跳び、マットの前転などに必要な感覚づくり、基礎技能づくりが全て行われていたからである。
多くの器具・用具を使用し、豊富な運動量が確保されていれば、直接個別の教材を指導する必要はなくなる。
子どもは忍者修行をしている中で、自然に個々の教材の技能を獲得していく。しかも押しつけられるのではなく、多様な動きを工夫しアレンジして自己の動きの世界を創り出していく。跳び箱では次のような動きが見られた。
@ 開脚跳び
A 抱え込み跳び
B 台上前転
C 中抜き
D 仰向け跳び
E よじ登り
F 背中を跳び箱につけてバックで下りる
岩井学級の子どもは、マットを並べ、所々に跳び箱を設置した。跳び箱だけを行うのではなく、マットと一緒に運動していたのである。
マットでは@横回り A前回り B仰向けで動物歩きCアザラシ Dうさぎとび E側転 Fロンダートなどの運動を行う。さらに途中にある跳び箱を跳んでいくような場づくりがされていた。
跳び箱は高さが変えてある。さらに横向き、縦向きに置かれているので、自分の力で跳び方を選択することができる。
マットと跳び箱を分けて指導するのではなく、同時に練習できるようになっているので効率的に運動できるのである。その結果、次のような運動能力が身に付く。
@ 多様な動き作りができる。
A 器械運動に必要な基礎感覚・技能づくりができる。
B 逆さ感覚、腕支持感覚、回転感覚、平衡感覚、高さ感覚づくりが自然にできる。
その結果、開脚跳びを直接指導しなくても自然にできるようになる。
和歌山県の平中氏は次のような報告をしてくれた。
「飯田式逆上がり指導法を、4月より、やってきました。そして、先月やっと、クラス31名、逆上がりができるという、奇跡が起きました。私の指導力のなさもあり、ずいぶん時間もかかりましたが、これを機会に、さらに鉄棒の楽しさを広めて参りたいと思っています」
平中氏は、逆上がりに絞って指導し、全員できるようにしたのである。基礎感覚、基礎技能を育てながら運動課題をクリアーしていく方法と平中氏のように一つの教材をできるようにする方法を用いて、達成させるようにしていく方法とがある。
跳び箱遊び、跳び箱運動には多様な指導法がある。子どもの実態、学級の実態に応じて方法を選択していくことが必要である。
本特集では、実際に指導して、うまくいった事例が紹介されている。
追試をしてさらによりよい方法を工夫したり開発された事例も紹介されている。跳び箱がみるみる上達する方法を紹介されている。
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- 明治図書