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特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
得点が倍増するバスケットボールの指導
TOSS体育フレッシュセミナー九州IN鹿児島の模擬授業で、有村春彦氏の「バスケットボールでもシステムが運動量を保証する」を参観した。
運動量の多い学習で得点もたくさん入り、楽しい授業であった。有村氏は運動量を確保し、得点がたくさん入る方法として次のルールを工夫していた。
@ ボードに当たったら1点 リングに当たったら2点、ゴールに入ったら3点
A 3対3のゲームを行う。得点を入れた子どもはコートに出て得点をめくる。
B 相手チームが得点を入れるまで、コートの外で待機する。得点の入ったチームは2人となり、3対2で戦う。
「ボードに当たったら1点 リングに当たったら2点ゴールに入ったら3点」というルールによって得点が倍増する。
普通はゴールに入ったときだけ得点になる。そうすると、なかなか得点は入らない。子どもにとってリングは高いのである。
ところがボードやリングに当たっても得点にすると得点は増えていく。
簡単に得点になるので子どもの意欲は高まり、シュートへの挑戦回数も多くなる。結果として全体の得点が増加した。
さらに優れていたのは、Aのルールである。普通は3対3、5対5というように同じ人数でゲームをする。
しかし、有村氏は得点を入れたチームは1人抜けて、3対2で行うようにした。すると、3人のチームが有利になり得点が入りやすくなった。
得点を入れたチームから1人ずつ抜けていくので、相手チームはシュートチャンスが多くなる。
なかなか活躍できない子どももシュートチャンスがあるので、ゲームに参加できる。
1人少ない分だけ、運動量も多くなる。3人のチームは、1人多いわけで、動きがよくなる。
双方のチームの運動量と得点が多くなっていった。3分間のゲームで8対7という得点であった。
一方的な得点ではなく、二つのチームが得点を競っていたのである。
これはルールの工夫のためである。ルールを工夫することによって、得点が増えたのである。
有村氏の授業でよかったのは、得点が入ると自分で得点をめくっていたことである。
自分で得点をめくると、点を入れたという達成感が得られる。満足感が得られる。自己評価ができる。
得点を入れに行くので、誰が抜けたのかが全員に分かる。相互評価もできるシステムになっている。
「得点を入れる→得点をかえす→1人抜ける→3対2でゲームをする→得点をかえす」という活動が教師の指示や説明がなくても、自動的に続く。
ゲームのルールの中に指示や説明が内包されているのである。授業のシステム化がされているのである。授業のシステム化は次の利点がある。
@ 教師が動きを止めて指示や説明をしないので、運動量が確保される。
A 自分たちで学習を進めていけるので、自主的な学習ができる。
B 得点の入る場面が多くなるので、得点の入る動きのしくみが理解でき、動きがよくなる。
以上の方法によって、授業は活性化し、生き生きとした授業になった。
本特集では、有村氏のようにバスケットボールの得点が倍増した実戦事例が紹介されている。
参考にして、どの子どもも楽しくできるバスケットボールの授業をしてほしい。
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- 明治図書