楽しい体育の授業 2008年1月号
得点が倍増するバスケットボールの指導

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楽しい体育の授業 2008年1月号得点が倍増するバスケットボールの指導

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ジャンル:
保健・体育
刊行:
2007年12月5日
対象:
小学校
仕様:
B5判 76頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 得点が倍増するバスケットボールの指導
特集の解説
根本 正雄
実践事例
セット・シュート
コツをおさえてセット・シュートを確実に!
清水 清香
ジャンプ・シュート
スモールステップでジャンプ・シュートをマスターさせる
村田 耕一
ランニング・シュート
五つのステップで「あれ、はいっちゃった」
奥田 嚴文
チェスト・パス
子どもの動きが変わる「チェスト・パス」の指導方法
櫻井 英喜
ランニング・パス
パスだけでなく一連の流れ作りが大事だ!!
木村 孝康
オーバーヘッド・パス
オーバーヘッド・パスは趣意説明、個別評価、ゲームの場面で指導する
溝端 達也
ピボット
スモールステップで動きを教える
迫田 一弘
フェイント
フェイントでゲームを面白くする
駒井 康弘
その場ドリブル
ドリブルをマスターして、スムーズなスピード感のあるゲームを
中野 慎也
スピード・ドリブル
スピード・ドリブルで得点倍増
松木 康将
フロント・チェンジ
授業の組み立てをゲーム中心に!
黒瀧 耕治
ドリブル・チェンジ
ドリブル・チェンジでディフェンスを抜け
鈴木 隆夫
リバウンド
「変化のある繰り返し」で、リバウンドの技能を高める
上川 晃
マンツーマン・ディフェンス
個人の技能とチームの作戦でマンツーマン・ディフェンスの指導を
牛腸 要
ゾーン・ディフェンス
ゾーン・ディフェンスの最初の指導
松本 一樹
プレス・デイフェンス
積極的な守りを引き出す「プレス的守備」
村田 斎
マンツーマンの攻め
高得点でスリリング「バスケポートボール」
小川 宏
ゾーンの攻め
鬼遊びゲームでゾーン攻略
佐野 裕昭
ミニ特集 1月の体育はこう指導する(バスケットボール)
低学年・バスケットボール
投げてかわして、楽しいボール投げ
小野 公美子
中学年・ドッジボール
『特別ルール』採用で、女子児童もドッジボールが大好きになる
川上 勇人
中学年・ポートボール
どの子も活躍できるポートボール 練習・ルール・コートの工夫
高橋 恒久
高学年・バスケットボール
練習の場で基礎技能アップ
堀 健一
基礎感覚・基礎技能を楽しいゲームで育てる
山崎 一樹
ライブで体感!TOSS体育講座
授業を通して体育指導のポイントを学ぶ
村田 斎
〜各地で開催・TOSS体育フレッシュセミナー〜
レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
気になる子への関わり方
三好 保雄
マンガで見る楽しい体育指導 (第94回)
根本体育直伝マンガ(バスケットボールの巻)
岩野 節男岩野 紀子
教材発掘!この教具で子どもが熱中 (第10回)
「リズム太鼓」を活用する〜ライブで是非体験を!
桑原 和彦
体育科の系統的指導
折り返し持久走
浜井 俊洋
爆発的に広がるYOSAKOIソーランの授業 (第10回)
個別評定で踊りを高める
山口 浩彦
真下投げの指導 (第10回)
真下投げから次の展開A
伊藤 博一
体育指導における微細技術 (第10回)
「三重跳び1回」という指示のすごさ
渡辺 喜男
子どもの体を守る食育の指導 (第10回)
ある企業での食育実践の講演@
並木 孝樹
〜企業も食育担当が情報を求め、学んでいる〜
最新情報を盛り込んだ食の指導 (第7回)
噛んで胃腸を守る1012
齋藤 滋
逆上がり全員達成の道 (第10回)
鉄棒ブームで全校31人全員達成を目指す
齋藤 徳三
二重跳び全員達成への道 (第10回)
1年通した練習と二重跳びリレー
溝端 久輝子
TOSS体育最前線
向山型準備運動は、どこが、なぜよいのか
TOSS体育中央事務局
効果抜群!ファックスできる体育学習カード
ボール投げ遊び(低学年)
木場 智也
〜めざせ!ボール投げの達人!!!〜
バスケットボール(高学年)
東條 正興
〜準備運動でドリブル技能を高める〜
体育主任奮戦記 (第10回)
体育通信で校内の体育を変える
佐藤 真健
〜ボールゲームでの作戦の考え方を伝える〜
ライフスキルと健康教育 (第70回)
主体的健康づくり(1)
武田 敏
授業の腕を高める論文審査 (第189回)
「原因」「仮説」「結果」の関係をつきつめて追求せよ
向山 洋一
体育科における学力保障 (第58回)
足ひれを使った水泳指導
根本 正雄
〜5年・千葉大学下永田修二先生の授業〜
読者のページ My Opinion
編集後記
根本 正雄
TOSS体育ニュース (第73回)
持木 信治
1/30秒単位で見せる子どものよい動きはこれだ! (第10回)
ダブルダッチ
竹森 正人
〜ジャンパーの指導ステップ〜

特集の解説

TOSS体育授業研究会代表 根本正雄

得点が倍増するバスケットボールの指導


 TOSS体育フレッシュセミナー九州IN鹿児島の模擬授業で、有村春彦氏の「バスケットボールでもシステムが運動量を保証する」を参観した。

 運動量の多い学習で得点もたくさん入り、楽しい授業であった。有村氏は運動量を確保し、得点がたくさん入る方法として次のルールを工夫していた。

@ ボードに当たったら1点 リングに当たったら2点、ゴールに入ったら3点

A 3対3のゲームを行う。得点を入れた子どもはコートに出て得点をめくる。

B 相手チームが得点を入れるまで、コートの外で待機する。得点の入ったチームは2人となり、3対2で戦う。

 「ボードに当たったら1点 リングに当たったら2点ゴールに入ったら3点」というルールによって得点が倍増する。

 普通はゴールに入ったときだけ得点になる。そうすると、なかなか得点は入らない。子どもにとってリングは高いのである。

 ところがボードやリングに当たっても得点にすると得点は増えていく。

 簡単に得点になるので子どもの意欲は高まり、シュートへの挑戦回数も多くなる。結果として全体の得点が増加した。

 さらに優れていたのは、Aのルールである。普通は3対3、5対5というように同じ人数でゲームをする。

 しかし、有村氏は得点を入れたチームは1人抜けて、3対2で行うようにした。すると、3人のチームが有利になり得点が入りやすくなった。

 得点を入れたチームから1人ずつ抜けていくので、相手チームはシュートチャンスが多くなる。

 なかなか活躍できない子どももシュートチャンスがあるので、ゲームに参加できる。

 1人少ない分だけ、運動量も多くなる。3人のチームは、1人多いわけで、動きがよくなる。

 双方のチームの運動量と得点が多くなっていった。3分間のゲームで8対7という得点であった。

 一方的な得点ではなく、二つのチームが得点を競っていたのである。

 これはルールの工夫のためである。ルールを工夫することによって、得点が増えたのである。

 有村氏の授業でよかったのは、得点が入ると自分で得点をめくっていたことである。

 自分で得点をめくると、点を入れたという達成感が得られる。満足感が得られる。自己評価ができる。

 得点を入れに行くので、誰が抜けたのかが全員に分かる。相互評価もできるシステムになっている。

 「得点を入れる→得点をかえす→1人抜ける→3対2でゲームをする→得点をかえす」という活動が教師の指示や説明がなくても、自動的に続く。

 ゲームのルールの中に指示や説明が内包されているのである。授業のシステム化がされているのである。授業のシステム化は次の利点がある。

@ 教師が動きを止めて指示や説明をしないので、運動量が確保される。

A 自分たちで学習を進めていけるので、自主的な学習ができる。

B 得点の入る場面が多くなるので、得点の入る動きのしくみが理解でき、動きがよくなる。

 以上の方法によって、授業は活性化し、生き生きとした授業になった。

 本特集では、有村氏のようにバスケットボールの得点が倍増した実戦事例が紹介されている。

 参考にして、どの子どもも楽しくできるバスケットボールの授業をしてほしい。

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