- 特集 苦手な子・女子も熱中するサッカーの“新ルール”
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- 技術を高める「試合前にするべきこと」
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- ちょっとの工夫でおしとやか女子も動かずにはいられない!
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- 隊列サッカー
- 「タマゴわりサッカー」で女子もキック力アップ
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- 場面やルールを狭めてゲーム参加を保障する
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- サッカー界での基本練習を小学生に応用する
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- 苦手な子も得点チャンスを得ることでサッカーに熱中する
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- 三つのルールを実態に合わせて取り入れる
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- ラインサッカー・縦グリッドコート
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- ラインサッカー・横グリッドコート
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- 2年生でもここまでできる!「場とルールの工夫」で、子どもたちが目を輝かせるサッカーの学習
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- 片方のサッカーゴールの色を変える「特別支援の観点から」
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- ミニ特集 2月の体育はこう指導する(ボール蹴り・サッカー)
- 低学年
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- 時間で活動を区切って運動量を確保する
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- クラス全員を熱中させる中学年サッカーの授業
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- 高学年
- ゲーム性を取り入れ楽しみながら技能を向上させる!
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- “できるためには”基礎感覚・基礎技能を育てる
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- 適切な目標設定について
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- 体育指導における微細技術 (第11回)
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- ある企業での食育実践の講演A
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- 〜企業も食育担当が情報を求め、学んでいる〜
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- 今、「結果」に誇りをもつ教師が求められている!
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- 〜短なわの持ち方と肘の深さ〜
特集の解説
TOSS体育授業研究会代表 根本正雄
苦手な子・女子も熱中するサッカーの“新ルール”
JEF市原・千葉サッカーお届け隊の内田正コーチから、全校児童がサッカーの指導をしていただいた。
1年生から6年生までの全校の子どもが、学年ごとに指導を受けた。特に5年生の指導は今までにない、新しいルールで素晴らしい授業であった。
内田コーチは5年生、3クラス81名の子どもを45分間、1人で指導した。子どもを掌握する力、引き込む力、つかむ力は抜群であった。
ユーモアを交えた話術は絶えず子どもの笑いを生み出し、楽しい、考えるサッカーの指導であった。
内田コーチの指導は、サッカーの技術を高めるのではなく、子どものコミュニケーション能力を育成することであった。
サッカー経験者であれば上達のプログラムは知っている。内田コーチが行った指導は、サッカーを通して人間を育てることであった。
人間社会で最も必要なコミュニケーション能力をサッカーで、気づかせ学ばせるプログラムになっていた。
結果的にサッカーが上達し、サッカーが楽しくなるプログラムである。
方法と原理が一体となったプログラムであった。具体的にプログラムを分析すると、授業は次の五つから構成されていた。
@ 手つなぎ相撲
A ハイタッチゲーム
B ノアの箱舟
C 2人手つなぎドリブル
D 5対5のゲーム
@とAはボールを使わないゲームである。BCDはボールを使ったゲームである。
最初からボールを使わないで、誰でも授業に参加できる簡単なゲームから始めた。
しかも、手つなぎ相撲はその場でできる。動きのないシンプルなゲームである。初対面の子どもを授業に引き込むようにしたのである。
Aのハイタッチゲームは動きの伴うゲームである。動きに変化があり移動が伴い、子どもの歓声も大きくなり運動量が多くなった。
ノアの箱舟、2人手つなぎドリブル、5対5のゲームはボールを1個使用する。ボールを使ったゲームによって、ボールコントロールの練習が楽しくできるようになっている。
@からDのゲームに共通しているのは、全て男女のペアーで行うように仕組まれていたことである。
男女のペアーで行うと高い得点が取れるルールに設定されている。男女でハイタッチをすると5点獲得できる。ドリブルを男女でタッチしたら相手を交換し、5組とタッチできたら合格である。
男女の壁を取り払い、誰とでもコミュニケーションが取れるようになっている。サッカーの技術がなくても楽しめるゲームなのである。
もう一つ共通していたのは、うまくいかないという体験をさせるゲームである。
高い得点がもらえると分かっていても男女でのハイタッチはできない。男女で2人手つなぎドリブルをすれば、早く目標を達成できると分かっていてもできない。
そういう体験を通して、壁を意識させ、壁を取り払い、コミュニケーションを図る大切さに気づかせていったのである。
壁を取り払い、相手の動きに合わせ、相手と気持ちよく運動する楽しさを体験させていくプログラムになっていた。
本特集では、内田コーチのように苦手な子どもも熱中するサッカーの新ルールの実践例が紹介してある。
本特集を通して、サッカーの苦手な子どもも楽しい体育ができるようにしていってほしい。
Jリーグユースに所属している児童とボールが苦手な児童の能力を埋める差を1つポイントに授業をくみました。
無事、研究授業もおわり、多くの先生にお褒めの言葉をいただけました。
研究は大切ですね。