- 特集 「黄金の3日間」で躾ける体育の基本技
- 特集の解説
- 「黄金の3日間」で躾ける体育の基本技
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- 実践事例
- 低学年
- 【着替え】着替えも大事な体育の学習。教えて確認し、できたことをほめる!
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- 【集合】多様な方法で『素早く集合する』ことを教えていく
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- 【整列】まがっていてもいいを基本スタンスとする
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- 【行進】一時に一事で指導をし、笑顔で楽しく評価・評定をする
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- 【座り方】正しい座り方は「ガチャピン」で
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- 【話の聞き方】子どもを動かしながら聞き方を教える
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- 中学年
- 【用具の準備】「場所と時間」を限定して「授業時間内に全員で」
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- 【用具の後片付け】楽しい体育の授業を支える後片付けのマネージメント
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- 【準備運動】準備運動で授業のリズムをつくる
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- 【示範の仕方】示範とは、「型」を示すことである
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- 【音楽・太鼓の使いかた】【リズム太鼓】のリズムが【動き】を引き出す
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- 【見学の仕方】「見学の基準」と「見学の指導」が必要
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- 高学年
- 【チーム作り】チーム作りは、いつでも、どこでも、だれとでも!
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- 【場づくり】まず跳び箱の準備がすばやくできる事実の体験
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- 【評価の仕方】評価される『基準』を示せば、荒れは防げる
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- 【視聴覚機具の活用】パソコンを活用することの三つの利点
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- 【学習ノート】授業で児童の向上的変容は保障されているか
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- 【グループ学習】「ジャイアントウォール」で、グループ活動の成功体験を味わわせる
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- ミニ特集 4月 すぐに授業ができる!今月の単元計画
- 低学年/体つくりでは基礎感覚づくりを!
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- 中学年/授業の流れをつくる(かけっこ・リレー)
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- 高学年/学習規律の確立・楽しさ・達成感の三つを意識する
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- ライブで体感!TOSS体育講座
- プロの技大公開!体育指導てんこもりセミナー IN 千葉
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- レベルアップ これだけは押さえたい体育授業の基礎・基本
- 「8秒間走」の実践から
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- マンガで見る楽しい体育指導 (第133回)
- TOSS体育直伝マンガ(ケンパーに挑戦!)
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- 図解・単元を貫く学習の場作り (第1回)
- 簡単便利!カラーコーンを使って「走跳の運動遊び」の場を工夫しよう!@
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- 〜ジャンケン関所〜
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- 運動嫌いの子も巻き込み、全員が考えながら力いっぱい走ることができるライン鬼
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- 初任者必見!体育授業ちょっとしたコツ (第1回)
- 1年間の体育の授業が安定するポイント3
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- 体育Q&A・体育授業の悩み解決します! (第1回)
- 学年始めにマネージメントをしっかり行う
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- 私の失敗体験記 (第1回)
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- 子どもの体力向上!運動の日常化 (第1回)
- 今年こそは!体力向上三つのヒント
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- ライフスキルと健康教育 (第109回)
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- 体育主任の部屋・仕事チェックリスト (第1回)
- 最低限必要ないくつかの仕事リスト
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- 「食育」の基礎を学ぶ新連載開始!
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- 〜栄養学の木村修一先生に学ぼう〜
- 効果抜群!ファックスできる体育学習カード
- かけっこ・リレー(低学年)
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- 〜知的な障害リレーで論理的思考力と言語力を鍛える〜
- 短距離・リレー(中学年)
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- 〜みんなが熱中8秒間走〜個人差を吸収できる教材〜〜
- 短距離・リレー(高学年)
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- 〜記録・目標に向けて仲間とともに取り組む「8秒間走」〜
- 授業の腕を高める論文審査 (第228回)
- 実践の厚味が反映している指導
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- 体育科における学力保障 (第97回)
- 『大阪ほんわかテレビ・親子ハッピー計画』逆上がり指導
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- 読者のページ My Opinion
- 編集後記
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- TOSS体育ニュース (第111回)
- 4月号
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- 授業の腕を上げる体育クリニック (第1回)
- 動きを引き出す魔法の道具 リズム太鼓の使い方
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特集の解説
「黄金の3日間」で躾ける体育の基本技
TOSS体育授業研究会代表
根本正雄
2010年10月、根本正雄直伝講座in出雲が開催された。
テーマは「やんちゃな子どもにも対応できる体育の授業〜マネージメント&技能を習得させるためのコツを伝授します〜」である。
若い教師が体育の授業で困るのは、子どもの掌握である。教室であれば決まった場所があるので、自分の机におとなしく座っている。
ところが運動場や体育館では、決まった場所がない。運動場に出れば開放感が一杯である。集合と言っても子どもは聞いていない。
好きな場所に行ったり、けんかをしたりしている。そこで必要なのは、素早く子どもを掌握して授業を行うことである。
ベテラン教師が何気なく行っている指導も、若い教師はできない。子どもを掌握する指導技術が無いからである。
4月の学年始めの黄金の3日間は、極めて大切である。きちんとマネージメントができれば、子どもは1年間スムーズに体育授業ができるからである。
それでは体育授業では、どのようなマネージメントがあればよいのであろうか。
根本正雄直伝講座in出雲では、バスケットボールの模擬授業を行った。随所にマネージメントの具体的な方法を入れて行った。
足ジャンケンをして、3人に勝ったらボールをとりにいく。
ボールをとってきたら、ボールの上に座り手足を上げて、バランスの練習をする。5秒できたら合格。
「手のどこを使うとボールを上手にコントロールできますか」と板書する。三つの選択肢を出して、挙手をさせ人数を板書する。
ドリブルシュートで六つのゴールにシュートを入れ、早く終わった順に六つのコーンの前に座らせ、チームを作る。
グループ毎にシュートゲームを1分間行う。シュートしたら自分で得点板をめくる。
3対3のゲームをする。得点を入れたらコートの外に出て、新しい人が入りプレーする。得点を入れた人が自分で得点板をめくる。
以上のマネージメントで、混乱無く授業はできた。常に子どもを掌握し、効率のよい授業を展開することができたのである。
「ボールを持ってきなさい」と指示すると子どもは一斉に走って行き、ぶつかったり押したりして混乱する。
しかし、足ジャンケンをすることによって、時間差が生まれる。
ジャンケンに勝った子どもからとりに行くので混乱がない。ボールをとってきた子どもは、ボールの上に座りバランスの練習をしている。
放っておくとボールをついたりドリブルしたりして、収集がつかなくなる。時間差をつけた効果がなくなってしまうのである。
ボールの上に座ることによって、ボール遊びができなくなり、授業に集中する。
静かに待つことができ、しかもバランスの練習をしていますから、遊ぶ時間はない。
全員集中したところで、「手のどこを使うとボールを上手にコントロールできますか」と発問する。
発問は板書されているので、目で確認できる。全員に徹底した後、三択を出し自分の賛成する意見に挙手させる。
以上のように、活動に対して、セットでマネージメントがなされている。だから子どもは授業に集中して、楽しい学習ができるのである。
無駄な時間もないので、運動量も確保できる。結果として技能も高まるのである。
本特集では、以上のようなマネージメントの具体的な指導法が示されている。
実際に試して効果を確かめてほしい。自分の学級の実態に合わせて活用して、楽しい授業を作っていってほしい。その中で、教師の腕が上がる。
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- 明治図書