生活指導 2002年5月号
子どもが豊かにつながる学級活動

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生活指導 2002年5月号子どもが豊かにつながる学級活動

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ジャンル:
生活・生徒・進路指導
刊行:
2002年4月
対象:
小・中
仕様:
A5判 124頁
状態:
絶版
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目次

もくじの詳細表示

特集 子どもが豊かにつながる学級活動
子どもが豊かにつながる学級活動
鈴木 和夫
実践記録 子どもが豊かにつながる学級活動
「るるる共和国」で「黄金伝説」を
田北 昌司
全校にデビューした「浦島太郎」学級
志賀 廣夫
世直し中央隊はゆく
花山 尚人
分析
活動がつくりだす新しい関係と課題
安島 文男
集団づくりにとって活動とは何か
山本 敏郎
Q&A 子どもが豊かにつながる学級活動
溝部 清彦
第2特集 子どもたちはテロ・戦争をどう見ているか
実践記録 子どもたちはテロ・戦争をどう見ているか
討論会 同時多発テロから報復戦争まで
桂川 史郎
テロ対策支援法の成立をめぐって
渡辺 雅之
子どもたちと現代のテロ・戦争
子どもたちと現代のテロ・戦争を語り合うために
高橋 英児
関係図書紹介
戦争と平和についての教育を考えるために
高橋 英児
今月のメッセージ
五月を実践の“スタート期”に
浅見 慎一
風の声―この人に聞く
ネパールからの手紙
神保 映
21世紀の生活指導を探る (第2回)
あらためて子どものグループづくりを考える
竹内 常一
集団づくり―わたし流メソッド
小学校/ひとりひとりとつながることから
松田 圭一
ほっとたいむ サークルからの発信
常に学んで
柴坂 和彦
案内板 集会・学習会のお知らせ
書評
『子ども・若者の居場所の構想』
鈴木 庸裕
読者の声
3月号を読んで
投稿 実践記録
優君に平和が訪れる日
中村 弘之
コメント
照本 祥敬
全生研第44回全国大会参加要項
編集後記
鈴木 和夫

今月のメッセージ

五月を実践の秦スタート期紳に

常任委員 浅 見 慎 一


 新年度がはじまって一ヵ月。いま、あなたの実践意識はどこにありますか?

 早くも学級・学年が「壁にぶちあたって」いるかもしれませんね。「こんなはずじゃなかった……」ととまどい、悩んではいませんか?

 いいえ、出会った子どもたちの状況がどんなに大変でもよいのです。問題は、実践者である私たち自身の意識のあり方なのです。

 だいたい、四月の実践が「思うように」進まなくてもよいのではないでしょうか 問題なのは、「意のままに」というその実践思想のほうです。事実、私自身も一昨年度の転任したての六年生との一年間は悲惨でした。出会いの感覚のズレにもとづく実践のあせりが、そのまま二学期以降へともつれ込んでしまったのです。あとから思えば、出会いのそのときこそ、力まず、決めつけず、ゆったり受け止めるべきだったと反省です。

          *

 そこで、子どもたちとの出会いの一ヵ月を、自己点検してみませんか?

 たとえば、指導の言葉(子どもたちへのメッセージ)が「〜ねばならない」調に陥っていないでしょうか。とかく、進級したての子どもたちを前にして「もう○年生になったんだから○○できるはず」というように、お仕着せの尺度をもって強迫的な観念を押しつけがちですから。

 また、指導の方向(子どもたちへの行動要求)が「追い込み型」になっていないでしょうか。四月当初からの目まぐるしいスケジュールのなかで、教師自身があせりを感じてしまうと、「早く!早く!」と子どもたちを追い立て、追い込むだけの効率主義の管理的な指導になってしまいますね。

 その結果、指導の成果(子どもたちの行動の変化)を性急に求めすぎていないでしょうか。子どもの変化はゆっくりなのに、指導したことがすぐにプラス行動にならないと気がすまないのではやっていけません。学級や学年のトーンを一気に盛り上げたいと思うと、実践が空まわりするのが落ちです。

 思うに、四月の一ヵ月は、教師と子どもとの関係も、子ども同士の関係も「慣らし運転」の時期ではないでしょうか。何となくようすや事情がわかり、何となく落ち着く場所ができれば、それでよいのではないでしょうか。

 そういう意味で、五月をもって実践の、秦スタート期紳と考えたらよいとおもうのです。ようやくこれから意図的・意識的な指導を開始すればよいのではないでしょうか。

 たとえば班づくりにしても、私は、四月の一次班では班長も決めずに寄り合い所帯感覚の「班生活」をだいじにし、五月の班替えのころから班長を互選し、具体的な班長指導を開始すればよいと思っています。

 子どもとの対話にしても、これから少しずつ集団的な視点を入れ込みながら、評価したり要求したりすればよいでしょう。学級の討論・討議も、なぜそうするのか、そのねらいを意識しだす一歩を踏み出せばよいのではないでしょうか。

            *

 いよいよ「新教育課程」の全面実施となりました。「総合」「総合」と追い立てられてきた現場は、またまた文科省大臣の「学びのすすめ」やらに振りまわされています。学校間競争も現実化するなか、おそらく四月の職場は大混乱ではなかったでしょうか。

 職場づくり、学校づくりの視点からも、四月の一ヵ月を振り返りながら、五月を実践の秦スタート期紳にしていきたいと思うのです。

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