- 特集 集団の発展をどうつくり出すか―集団を高める実践のポイント
- 集団の発展をどうつくり出すか―集団を高める実践のポイント
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- 集団発展をつくる対話の指導
- 小学校/なぜ「対話」を重視するのか
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- 中学校/集団の発展につなげる対話とは
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- 集団発展をつくる討論の指導
- 小学校/ひとつのトラブルから
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- 中学校/討論を引き出す教師の指導
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- 集団発展をつくる決議・決定の指導
- 小学校/価値ある生き方を自己決定できる集団のちから
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- 中学校/決議・決定を実質化する豊かな活動を
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- 集団発展をつくるリーダーの指導
- 小学校/リーダーは、ふたつの顔を持つ
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- 中学校/リーダーを立ち上がらせる場をつくる
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- 集団発展をつくる班・グループの指導
- 小学校/螺旋階段のように
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- 中学校/「困っている子」を軸に考える
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- 学習集団を発展させる指導
- 小学校/「何を学びたいのか」を共有し、学び合う集団を
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- 中学校/生徒と教師の「共同」を育てる総合学習
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- 第2特集 今、子どもたちの思春期に何が起きているかPart2・小学校高学年編
- レポート
- 生きづらさを背負った子ども達
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- グループ化する女の子たち
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- 子どもたちにふりまわされて
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- コメント
- 思春期の中を揺れながら生きる子どもたち
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- 今月のメッセージ
- 意欲・イヨク・いよく…
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- 若い教師のための子ども集団づくり12か月 (第8回)
- 小学校11月/トラブルから、対話を通して出会い直す
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- 中学校11月/子ども達がつながりあう学びをつくり出す
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- 実践の広場
- 私の教室
- 『自分たちで出来ることは自分たちで!!』
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- 学びの素材
- 「今こそ」“加害者としての視点も入れて”平和教育を!
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- すぐ使える遊び・ゲーム
- 子どもと遊ぶ・楽しむ・つながる
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- 部活動・クラブ活動の工夫
- 卓球部顧問の体験で学んだ部活指導
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- 子どもの文化事情
- 女の子の目線から
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- 手をつなぐ―親と教師
- 教師は親同士をつなぐ接着剤
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- 心に残る子どもとの対話
- 負けない指導とはなにか
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- 掲示板Y・O・U
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- 案内板 集会・学習会のお知らせ
- 風の声―この人に聞く
- 診療所ができた―七十五年前の夢が現実に
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- 教育情報
- 国際学力調査PISAとリテラシーをめぐる政治
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- 読書案内
- 『困った子は困っている子』
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- ホッと一息・コーヒータイム
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- マンガ道場
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- 読者の声
- 9月号を読んで
- 声明
- 教育基本法改正に反対します。
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- 【特別寄稿】教育基本法の旅
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- 全生研の窓
- 編集後記
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今月のメッセージ
意欲・イヨク・いよく……
全生研常任 佐藤くみ子
『国語の授業で、次の二つの文章を読んだあとに、環境問題をテーマとした意見を書くことになりました。意見を書く準備として、あなたはどのようなことをしますか。次の1から4までの中には適切なものが複数ありますが、あなたの考えに最も近いものを一つだけ選び、番号で答えなさい。
1 考えを深めるために、都市型洪水の問題について考えたことを友人と話し合う。
2 雨水の問題は身近なできごとなので、ポスターを作成する。
3 二つの文章以外にも、参考になる本や資料を図書館で調べる。
4 二つの文章以外にも、参考になる資料をインターネットで探す。』
正答は1、3、4で、2を選ぶと×になります。東京都中の中学二年生(昨年度)の十四・一%が「ポスターを作成」するのが自分のパターンだなと判断して×をもらいました。東京都の「児童・生徒の学力向上を図るための調査」の「関心・意欲・態度」を計る問題です。
ポスターを書くことで環境問題についての考えを深めるのでは、「国語に対する関心・意欲・態度」はダメだというわけです。出題者の意図を察知する能力があれば、2以外がいかにも正答風であると見抜かないといけないのでしょう。2なんか選ぶはずがないと、出題者は思っているのです。
この他に、『討論に臨むに当たって、あなたはどのようなことに気をつけますか』という問に対して、「他の人の意見より自分の意見が優れているという自信をもち、自分の意見発表だけに集中する」を選ぶと×になるというのもあります。あなたはどうしますかという問に正直に答えたら×だったという子がいるということです。都知事の石原慎太郎氏だったらどう答えるのでしょう。自分の本音を棚にあげて、ちゃんと正答するのでしょうか。それとも×を食らって開きなおるのでしょうか。
とにかく、こういうことで「関心・意欲・態度」がランクづけされるのです。
都知事と都教育長に、「希望するすべての子どもにゆきとどいた高校教育の保障を求める要請」をしに都庁に行きました。もちろん、都知事や都教育長が出てくるわけではなく、居並ぶのは課長とか局長とかいう人たちです。で、彼らは目を伏せて、そこにいるだけなのです。
Q 平成十九年度東京都立高等学校等入学者選抜検討委員会報告書の都教委の今後の取組に、「より一層の趣旨の徹底を図り」ってありますね。趣旨って何ですか?
A 意欲と熱意のある者を選抜するということでございます。
(ハア?「意欲」?今既に「意欲」を持っていないと、高校教育の対象外となるのか?)
Q 意欲と熱意を引き出すのが教育のしごとじゃないんですか?未来に対する責任じゃないんですか。
A ……(だれも顔をあげない。この人たちも人の子の親じゃないのかなァと思ったりする)
Q じゃ、仮に意欲と熱意のある者を選抜するとして、それをどうやって選ぶんですか?
A 公平公正を旨として適宜点数化して選抜しております。
Q 意欲とか熱意って、そんなふうに表面化しているものなんですか?本当に点数化できるんですか。話はズレにズレて、こんにゃく問答の態。お役人方は人間離れしているように見えました。フー。
でも、メゲちゃいけませんね。自分が音読した文章に感動して、「鳥肌たった!」とびっくり顔で知らせてくる子がいるのですから――。彼の意欲は、これからスタートなのでしょう。
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