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今月のメッセージ
チーム、コーディネート、……。横文字が増えてきた!
福島大学 鈴木 庸裕
最近、職場の中でカタカナや横文字が増えてきました。
「チーム」、「コーディネート」、「マネジメント」、「アセスメント」など、従来、学校教育の組織文化や風土から生まれてきたものではない言葉が、教育実践の周囲にはたくさん見られます。カタカナの表記が教育現場にはいってくると、「また、なにやら仕事が増えた」という気持ちになりませんか。
こうしたカタカナの表記には、私たちの日常会話の用語というよりも、「チーム会議の実施」「コーディネーターの役割と機能」というように、その行為を通じて何らかの具体的な成果が求められる傾向があります。すでに、特別支援教育の全国的な推進の中でチームやコーディネーターという言葉が浸透しはじめています。みなさんの周りではいかがでしょうか。
ひと頃、「plan-do-see」といった組織管理のシステムが校務分掌などでの運営の中で話題になっていましたが、近頃は「PDCAサイクル」なるplan-do-check-actionといった、これまた横文字が広がっています。
これは、計画―実践―評価―実行という「個別の指導計画」の流れを示したものです。それぞれを、「目標と手立てを具体的にする」―「計画に基づいたきめ細かい実践をおこなう」―「支援方法や手立てをみんなで検討し、場合によっては修正する」―「実践の中から次へのヒントを見つける」という解釈もできますが、実際のところ、「C―評価」の部分が抜け落ちたり、関係者みんなで検討できず、その先に進まなかったりすることが多くあります。
また、コーディネートを辞書で調べると、「つなぐ」という意味もありますが、さらに、あるもののあいだに入って双方を対等・等位にするという意味があります。特別支援教育コーディネーターが校内の関係者との連絡や調整、情報共有、そして個別の支援計画プランを提案するなど、積極的にすすめることは大切です。しかし、コーディネートとは、その人の呼びかけに応答する人がいてはじめて成立する行為です。ある目的に向かって相互に「対話」できる他者が欠かせません。
同様に、校内委員会という組織も、校外の関係者や地域、保護者、協力者との協働やその存在があってはじめて成立するものだと思います。校内に閉じこもった校内委員会は「?」です。
今後、「教員免許状更新制」が導入されます。その中で、「子どもをめぐる問題やその教育に対する組織的対応のあり方」、「学校組織の一員としてのマネジメント・マインドの形成」、「地域社会や保護者との円滑なコミュニケーションの形成」などの項目が研修内容に示されています。しかし、こうした内容が、何もかも一教師が「対応」の当事者になったり、組織の歯車になるための力量形成に結びつけようとするのには疑問があります。
カタカナは嫌い。でも、チームやコーディネートなどの横文字は、同僚間に適切な空間をつくり、人と人、人と物事との間に、外部性や客観性を持ち込んでくれる場合もあります。例えば葛藤や対立のある当事者同士の間に介在する人やその解決方法を創出し、もっと言えば、教師と子どもや家庭を取り巻く他職種との接触を柔軟に試みていく実践的なヒントになります。
ますます教師の仕事が増えるという感覚は誰しもです。しかし、職場にカタカナが増えてくるのは、それだけ私たちを取り巻く他者との協働が広がる入り口なのかもしれません。
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- 明治図書