- 特集 夏休み明けの学級・学年づくりQ&A〜心地よいスタートのために〜
- 特集のことば
- 夏休み明けの学級・学年づくりQ&A〜心地よいスタートのために〜
- /
- 夏休み明けの学級・学年づくりQ&A〜心地よいスタートのために〜
- Q1/一学期の振り返りと成果・課題の確認
- 小学校/子どもたちの事実を読み直す
- /
- 中学校/一学期を子どもと振り返って二学期を考える
- /
- Q2/夏休み明けの雰囲気をどう乗り越えるか
- 小学校/やる気いっぱいの二学期スタートのために!―いくつかのポイント
- /
- 中学校/ゲームで明るくスタート・そして活動のめあてを確認しながら
- /
- Q3/気になる子ども・保護者との関わり方
- 小学校/合意づくり・居場所づくり・共感を大切に
- /
- 中学校/「九月のしんどさをのりこえる法」
- /
- Q4/リーダーたちとどう対話していくか
- 小学校/自信をもたせ、見通しを語り合おう
- /
- 中学校/活動の価値を問い、願いを読みひらく
- /
- Q5/学級・学年集団の成長をどう図るか
- 小学校/ゴチャゴチャから得る教訓を力に変えて
- /
- 中学校/学年による課題の違いを見据えて取り組む
- /
- 第2特集 秋の学年・学校行事と集団づくり―変わり・変わらされていく学校行事―
- 実践報告
- 小学校/子どもが主人公の学習発表会に
- /
- 小学校/だれかの思いを、みんなで実現したい
- /
- 中学校/『第一学年 ミニレク大会』
- /
- 論文
- 行事再生への道を探る―実践報告の分析とともに考える
- /
- 今月のメッセージ
- 実践は迷いながら、ゆれながら。でもきっと……。
- /
- 私の授業づくり (第18回)
- 小学校〈道徳〉/“ミニディベート”で話し合う場を
- /
- 中学校〈道徳〉/クラスの成長とともに
- /
- 実践の広場
- 子どもの生活・文化・居場所
- 修学旅行のおこづかいから見えてくること
- /
- 子どもをつなぐ活動・行事
- ともちゃんのホットケーキ屋さん
- /
- いきいき部活・クラブ
- 小学校低学年の「学級内クラブ」
- /
- 手をつなぐ―教師・親・地域の人々
- 子どもの居場所づくり―「子どもチャレンジ教室」の取り組み―
- /
- 私が教師を続けるわけ
- こんな楽しい商売、他にない
- /
- 案内板 集会・学習会のお知らせ
- 〈発達障害〉の理解と支援―学級・学校・地域を育てる (第6回)
- 発達障害児の個人指導を問い直す
- /
- 子ども集団づくりの今がわかるQ&A (第3回)
- 「貧困と学び」―小学校―
- /
- 教育情報
- フェアで行こう〜学校でホームレス問題を取り上げるということ〜
- /
- 読書案内
- 『山びこ学校』
- /
- 読者の声
- 7月号を読んで
- シリーズ/各地の実践
- 東京
- /
- 〜そうちゃんの世界とつながりたい〜
- 渡辺実践を読む
- 1.大人と大人、大人と子どもをつなぐ実践
- /
- 2.子どもと共存する教師の指導性
- /
- 全生研の窓
- 編集室だより
- /
- 編集後記
- /
今月のメッセージ
実践は迷いながら、ゆれながら。でもきっと……。
常任委員 篠崎 純子
それは、小雨のふる月1回のサークルの例会の夜のことだった。前の日から体調不良と多忙によるキャンセルメールが続き、参加者はとても少なかった。すると突然、若い先生たちが7名、その日のレポーターと一緒に「こんばんは」とさわやかに現れた。ちょうど手品をやっていたAさんのテンションも上がり、うーーん、何か「うれし・楽し」い雰囲気になってきた。物作りコーナーの「ポニョポニョ人形」に触ったり、「ローローローユアボート……」と歌っている。(笑顔だ。よかった。)
7名はレポーターと同じ職場の若い人で、「僕がちょっとレポーターというのをやるので、去年助けてくれたみんなに来てもらいたいな。」と言われて来たという。「彼を見てるとなんか心配で。」とその中の一人が言うと、7人一緒に大きくうなずいた。(これも立派な職場づくりだ。)
レポートの司会はTさん。やわらかい雰囲気の中にもぴんと柱がしっかりと立っている彼女の司会で、一気にレポーターの実践にのめりこむ。4月初めてのドッチボールの時、ボス的な男の子のボールを顔面に受けてしまい、「権威喪失」(レポーター弁)してしまってから、クラスは荒れていく。保護者会や学年会、校長たちの指導と続き、算数の授業は他の先生が替わりにすることになった。「強い指導をしろ」「子どもになめられてる」「任せられない」という言葉が胸に刺さっていった1学期。何とかしなくてはという思いで全国大会に参加。そこには、故郷で一緒に学んできたサークルの仲間と恩師がいた。教師の思いの通りに管理することが指導力という考えと、子どもの思いを大切にし、仲間と一緒に生きていく力をつけていく子ども集団づくりの視点に立った指導がある。「自分は後者のスタンスで教師として生きていこう」と決意を新たにした全国大会であった。
そして2学期、彼は「荒れている子どもの思いやその背景を知ろう」と思い立ち、家庭や地域に入っていく。その中で子どものつらさやなげきを知ることによって、「荒れ」をヘルプと感じ、実践構想を立て、班をつくり、係活動や遊びの会を組織する中で、子どもたちの声を聞き、保護者のつらさも知ることができた。クラスでトラブルが起きてもその原因を多様に捉えることで、「僕ひとりのせいでなく、きっとメッセージがかくれている」と思え、子どもと向き合えるようになってきた―というレポートであった。
7人の仲間からは、「あんなに言われてよく堪えた。」(職場で一人、途中で退職者あり。)「僕とは指導法はちがうけど、ここは気持ち的には分かる。」「子どもたちが迷いやつらさを語るようになっているけど、それは教師が悩んだり、ゆれたりしているからかな。」例会後みんなと一緒に自転車でごはんを食べに行くという彼には、支え合っている仲間たちがいた。
その翌月に、今度は「悩んでいます!!」というレポートが、サークルの例会に提案された。
〈2・3年生を経験して初めての高学年。他のクラスの先生はみんな4・5年生からの持ち上がり。正直、どうしたらいいのか分からないことがたくさんある。とにかく他のクラスに遅れをとってはいけない。他の先生がこなしていることを自分もできないといけない。だけど、いざやろうと思ってもうまくいかない。とにかく焦りでいっぱいで、自分が悪いんじゃないかと思ってしまう。〉
「うーんつらかったね。」「それは誰がやっても大変だ。」「名札なんていいじゃんと思いながら、点検されるとイライラするよね。」「管理と競争以外の価値観を持ち込むって、若いと言いにくい。」と分析は続く。「内なる管理、外なる管理」に迷い、嘆き、揺れる「私」。どの私も丸ごと受けとめて、抱きしめて、今日も職場で、サークルで生きていく。
-
- 明治図書