- 特集 特別なニーズを持つ子どもをどう支援するか―いま「強い」指導を問う
- 特集のことば
- 特別なニーズを持つ子どもをどう支援するか―いま「強い」指導を問う―
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- 小学校/学習室(特別支援級)の役割とは?―ゆうきの指導のなかで考えたこと
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- 小学校/望とステキな仲間たち!!みんなでいっしょに成長していこう!!
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- 小学校/きみは一人じゃない―苦しんでいる子を真ん中にして―
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- 中学校/2の1の話PART2―道夫とクラスの子たち
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- <分析論文>「強い」指導に対抗するための子ども観・指導観の確立を
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- 第2特集 一年間のまとめをしよう〜実践のしめくくりのアイデア〜
- 《小学校》学級じまいをどうするか
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- 《小学校》無理せず、できることから
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- 《小学校》「まとめの会」を次へのスタートに
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- 《小学校》笑いと涙の「がんばろうね会」
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- 《中学校》「お別れ会」なんか、どうですか
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- 《中学校》初めての卒業式とフォトムービー
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- 今月のメッセージ
- 学級会を大事にしよう
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- 私の授業づくり (第24回)
- 小学校〈道徳〉/学級の中で共通の価値をつくる
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- 中学校〈道徳〉/日々の生活に生きる道徳を
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- 実践の広場
- 子どもの生活・文化・居場所
- いい集団にはいい文化が育つ
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- 子どもをつなぐ活動・行事
- 子どもたちの提案による「遊びレク」を!
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- いきいき部活・クラブ
- 思いが通じ合うとき―激動の2年間―
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- 手をつなぐ―教師・親・地域の人々
- 教師の姿勢が伝わり、保護者が力強い味方に
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- 私が教師を続けるわけ
- 誰かの役に立っていることが生きがい
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- 案内板 集会・学習会のお知らせ
- 〈発達障害〉の理解と支援―学級・学校・地域を育てる (第12回)
- 子ども・若者が育つ町をつくる
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- 教育情報
- 歴史にみる子どもの指導と処罰
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- 〜校外教護・保導の歴史が投げかけるもの〜
- 読書案内
- 『中・高「働くルール」の学習』『絶対トクする!学生バイト術』
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- <報告>日本生活指導研究所より
- 今年度の活動について
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- 読者の声
- 1月号を読んで
- 特別支援学校の現在と課題 (第4回)
- 「子ども期」が危うい時代へ
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- <投稿論文>宗教教育を考えるために
- 人権・道徳・権力と関わって
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- 2010年度既刊目次
- 編集後記
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今月のメッセージ
学級会を大事にしよう
指名全国委員 植松 保信
以前は、学級会活動が週1時間あり、学級指導は別枠にありました。しかしいまは、学級会活動と学級指導がいっしょになって、週1時間になっています。学級会が軽視されてきたのだと思います。
子どもたちは学級会の時間が大好きです。それは、子どもたちが主体的に使える、子どもたち自身の時間だからだと思います。学級会活動には、話し合い活動、係活動、集会活動の三つの活動がありますが、そのなかでも中心になるのは、話し合い活動でしょう。
「子どもたち自身が話し合い、自己決定して」活動するためには、原案が必要になります。当面、その原案をつくって提案するのは、教師です。しだいに、教師と班長会の共同で提案し、さらに班長会が単独で提案できるように指導します。つまり、リーダー集団の指導が課題となります。
まず、班長一人ひとりにリーダーとしての自覚を促し、こんな学級になったらいいなという夢を語り合います。そして、自分たちの学級はどこがすばらしく、どんな問題点があるのか、また困っている人はいないのかなどを話し合い、学級集団の状況を分析します。
夢を語り合い、状況分析をするなかで、学級集団の願いや要求を実現できる取り組みに主題化し、原案化します。これが学級行事の原案であったり、生活規律の原案であったり、学習運動の原案であったりします。このようなさまざまな原案を文章化し、提案して、話し合いにのぞみ、決定すればその実行に責任を持ち、先頭に立つことによって、リーダーとしての自覚が深まっていきます。
話し合いでは、「みんなで決めて、みんなで守る」ことを教えるために、一方で「不利益には黙っていないこと」を教える必要があります。そして、発言権の取り方や、賛成・つけたし・反対・修正などの各意見の説得力のある述べ方、さらに集団の意志のちからと表現形態などを教えます。
「みんなで決めて、みんなで行動したら、これだけの前進があった」という経験をさせない限り、子どもたちは、話し合い、決定することや、決定を守ることの意義を学ぶことはできません。そして、みんなの行動が、一定の前進を勝ち取るためには、みんなの納得・合意による決定が不可欠です。
そこで、できるだけ多くの子どもたちの、できるだけ深い合意をつくりだすために、話し合い・決定をするにあたっての大切な点をいくつか挙げます。ひとつめは、行動の必要性の合意と方法の合意をはっきり分けて話し合い、決定することです。ふたつめは、中間派、少数派の意見を含んで合意を形成することです。「賛成」と「反対」の間には、さまざまな中間の意見があります。条件付き「賛成」、条件付き「反対」などの意見を引き出します。みっつめとして、ときには全員参加でなく、自主的な参加として決定して、行動を開始することもあってよいということです。
また、係としての仕事は、班で受け持って取り組んでいきます。「仕事をするときは、意欲を持ってあたることの必要性」。「仕事をするときは、見通しを立てることの必要性」。このふたつを指導していくために、係を決めるための学級会を開いて、仕事に取り組ませていきます。
係は、「その係を自分たちの班で受け持ったら、どのようにやっていくか」という方針を掲げ、奪い合っていくようにします。そのことにより、係活動の質をより文化的に高めたり、責任を持ってやりぬくことを教えていきます。また、班は、方針を作っていく過程、方針を述べる過程、係をとったあと係を遂行していく過程で、まとまりが強固になり、集中して取り組む力がつき、友情が深まります。
だから、学級会活動を大事にしましょう。そして、学級集団を自治的な集団に高めていきましょう。
Mar.2011
今月のメッセージ
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- 明治図書