- 特集 学力をゆたかに育てる授業づくり◇言語・思考力を中心に
- 「学力低下」問題をどう考えるか
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- ここちよい言葉のシャワーを浴びせよう
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- 「勉強っておもしろいなあ」
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- 生活と結びつく算数の授業をめざして
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- 「国語」教育のワクを越えるこころみ
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- 緊張した、でも「ほっ」とした
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- 「学力」の向上を目指して
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- 追悼・奈良本辰也先生
- 巨匠・奈良本先生との別れに
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- エピグラフ
- なぜ沖縄なのか
- 〜姜尚中・吉見俊哉著『グローバル化の遠近法』(岩波書店、二〇〇一年)一七八〜一七九頁〜
- 座標
- 教育と労働の差別化を排す
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- 〈世界〉を読む・〈世界〉を感じる―異文化の風に乗って (第7回)
- 〈南〉から〈南〉へB
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- 松原市第二中学校区いきいきふれあいまつり
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- 記者OBの視点
- 沖縄で宇井純さんらと来し方行く末を語る
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- 現代資本主義と教育改革
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- 【資料】教育改革国民会議報告に関する日教組見解
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- 子どもたちにラブレターを書こう〜「小1プロブレム」をともに越えるために (第9回)
- 子どもは今を生きている
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- 部落の教育保護者運動と教育格差
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- 自立・共生・創造の部落解放運動をめざして
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- 【資料】部落解放同盟2001年(第58期)一般運動方針案 抜粋
- 抜粋
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- 解放教育おりおりの断章 (第12回)
- 子どもたちの現実を見据えることから
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- 授業づくり実践工房 (第11回)
- 僻地校での教育改革(陳 曦)
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- 編集後記
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編集後記
▽本特集は、解放教育の中心的課題である学力保障の取り組みに焦点をあてた。現在、政治的課題になっている教育改革の理由の一つに「大学生の学力低下」が指摘され、その原因に「ゆとり教育」があるとの文部科学省への批判が続き、論争のテーマにもなっている。たしかに、かつての文部省による「新しい学力観」の導入と二〇〇二年度からの学校五日制の完全実施、総合的な学習の時間の新設にともなう教育内容の三割減と授業時数の一割削減によって、従来の学力観にもとづく学力水準が低下するおそれは否定できない。事実、大学の大衆化と大学入試制度の多様化により、かなりの大学で、授業成立に必要な高校レベルでの未習得科目に対する補習授業が行われている。もっとも、「学力」概念の検討も不充分で、学力低下を裏付ける信頼できるデータにもとづいて論争が行われているわけではない。学力より学習意欲の低下を指摘する声の方が強い。いずれにしても、学習指導要領の規準の弾力化・特色化がすすめばすすむほど、学力保障についての学校現場の職責が重くなることは避けられない。改めて、人権・解放教育の立場から、積極的・主体的に、学校が中心となって保障すべき学力水準を定義づけ、教材とカリキュラムの開発、授業づくりの研究を進め、学習支援環境を整備し、地域社会の支持と合意を形成するような地域教育改革運動を立ち上げていく必要がある。今回は、とりわけ日本語と算数・数学にかかわる基本的な知識と知の技法、思考力を育てる授業実践を中心に、総合学習での学力向上をも含めて新たな学力保障の取り組みを紹介し、問題提起とした。特集にあたり、大同教の新保真紀子さん、大阪市同教の西口清さん、柏木康夫さん、大阪府高同研の林伸一さんのご協力を得た。
▽好評を博した川向秀武さんと新保真紀子さんの二つの連載が、本号をもって終了した。お二人の長い間のご努力に心より感謝し敬意を表したい。
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- 明治図書