- 特集 総合学習でめざす学力とは
- 新たな学びの理論に向けて
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- すもうでどんな力を付けるか―大ずもう大仙西場所
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- マニュアルを活かして自分たちの力に
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- マクドナルドで総合的な学習を
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- マルチメディアリテラシーをすべての人のものに―新しい科目『情報と社会』がめざすもの
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- 人権総合学習って何? どうすすめたらいいの?―『わたし 出会い 発見 Part4 人権総合学習Q&A』の発刊にあたって
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- 「学力低下」問題をどうとらえるか
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- 小特集 本誌創刊30周年特別企画
- 今、歴史の分水嶺に立つ―解放教育の課題と展望
- ディアスポラと部落、そしてパラダイムの転換
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- フリースクールの蛸壺から―「誇り」ということをめぐって
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- 「多民族・多文化共生」をめざす国際理解教育
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- アジアに背を向ける歴史教育―「新しい歴史教科書をつくる会」中学歴史教科書を読む(上)
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- エピグラフ
- 開かれたナショナリズム
- 〜寺島実郎著『「正義の経済学」ふたたび』(日本経済新聞社、二〇〇一年)二一八〜二一九頁〜
- 座標
- 人権政策で日本政府が問われたこと
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- 〈世界〉を読む・〈世界〉を感じる―異文化の風に乗って (第8回)
- 食べる
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- 調査に見る 素顔のいまどき高校生 (第1回)
- 高校生の心と進路
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- 書評
- 『進化する高校 深化する学び―総合的な知を育む松高の実践』(菊地栄治編)
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- 〜地域に触発され、地域を触発する学校づくり〜
- 記者OBの視点
- 火山島の自然と歴史を訪ねた連休の旅
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- 第28回『にんげん』実践研究集会ご案内
- 【資料】国連・人種差別撤廃委員会「最終所見」 日本訳(2001.4.2版)
- 編集後記
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編集後記
▽本特集では、解放教育の実践的課題である人権総合学習がめざす学力形成のあり方に焦点を当ててみた。現在、教育改革が政治的課題の一つになり、理由の一つに「大学生の学力低下」が指摘され、その原因に「ゆとり教育」があげられ、文部科学省批判が行われている。かつての文部省による「新しい学力観」の導入と二〇〇二年度からの学校週五日制の完全実施、総合的学習の時間の新設にともなう学習内容の三割減と授業時数の一割削減によって、従来の学力観にもとづく学力水準が低下するおそれはなしとしない。事実、大学の大衆化にともなう大学入試制度の多様化により、一部の大学では、授業成立に必要な、高校での未習得科目に対する補習授業が行われている。もっとも、学力論争での「学力」概念の検討も不充分で、学力低下を裏付ける信頼できるデータにもとづいて論争が行われているわけではない。学力低下というより学習意欲の低下を指摘する声の方が強い。いずれにしても、学習指導要領の規準の弾力化・特色化が進めば進むほど、学力形成についての学校現場の職責が問われることは避けられない。改めて、人権総合学習を推進する立場から、積極的・主体的に、学校が中心となって保障すべき学力の内容と水準を定義づけ、学力形成に資する教材開発とカリキュラムの中での位置づけ、授業づくりの研究開発を進め、学習環境を整備し、地域社会の支持と合意を形成するような地域教育連携を立ち上げていく必要がある。なお、特集には、大同教の新保真紀子さん、大阪市同教の西口清さん、大阪府立同研の林伸一さんのご協力を得た。
▽溝上瑛氏の連載は、今回で終了する。本誌創刊当時から新聞記者として健筆をふるっていただき、心より感謝を申しあげる。
▽関西水俣病訴訟で勝利判決を喜んだのもつかの間、上告で小泉内閣の非情さを思い知らされた。他方、ハンセン病国家賠償訴訟は、熊本地裁での画期的な判決で全面勝利。国側の対応や如何。
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- 明治図書