- 特集 激変の世界へ教育の組み替えを◇学習権の視座と展望
- 教育基本法の見直しと今日の教育問題
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- 【資料】「教育振興基本計画の策定」と「新しい時代にふさわしい教育基本法の在り方について」の中央教育審議会への諮問に関する書記長談話
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- 【資料】教育基本法
- 学力の樹
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- アフガン・カブールからの伝言
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- 地域からの国際化―入管行政との新しい関係づくり
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- ニューカマーの子どもと学習権―愛知の状況から
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- 多民族・多文化共生の明日を拓く―在日朝鮮人研究の今日的課題
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- 生命と性を学ぶ〜生きる力を育てる―「こどもの里」における“大切なわたしのこころとからだの話”
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- 私たちの保育・教育はどこに立っているか―保育の三つのタイプから考える
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- 高等学校カリキュラム改革の視点
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- 新指導要録と教育評価のあり方
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- 【資料】学校教育自己診断について
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- エピグラフ
- グローバル化時代の民主主義へ
- 〜アンソニー・ギデンズ著、佐和隆光訳『暴走する世界』(ダイヤモンド社、二〇〇一年)、一四九〜一五五頁〜
- 座標
- 新たな人権救済制度への期待
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- 「自己発見工房」―細うで奮せん記 (第7回)
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- 図書紹介
- 『協働の教育による学校・地域の再生』
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- 〜地域に根ざす教育〜
- 調査に見る 素顔のいまどき高校生 (第9回)
- 学歴世襲化装置としての学校
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- 図書紹介
- 『ニューカマーと教育』(志水宏吉・清水睦美編著)
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- 〜教育を受ける権利をすべての子どもに保障するため、学校はどう変わるべきかと考えている人たちへ〜
- 『メディア・リテラシーの現在と未来』(鈴木みどり編著)
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- 〜「総合的な学習の時間」の力強い指針〜
- 授業づくり実践工房 (第15回)
- 理科の授業での学習集団づくり(橋本美彦)
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- 解放教育・バックナンバー
- 400号〜411号・二〇〇一年四月〜二〇〇二年三月号
- 編集後記
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編集後記
▽本特集は、二〇〇二年度に向け、解放教育・人権教育の実践と運動及び研究をさらに豊かに発展させる視座を確立するために企画した。文字通り激動の二〇〇一年度を締めくくるに当たって、それぞれの教育研究の領野や実践の現場から、その最前線で活躍されている執筆者の皆さんに、総括的な視座に立って、問題状況の把握と喫緊の実践的課題に対して自由闊達な問題提起をお願いした。なお、編集にあたって、大阪府教委の池田進さん、大阪府教組の山口書記長の御協力を得た。
▽本年四月から完全実施される新学習指導要領では、新しい学力観や完全学校週五日制への移行などにより、小中高の授業時間が、年間で一割、学習内容は三割、これまでより削減されるという。ところが、折からの大学人らによる学力低下批判にさらされると、責任をうやむやにしたまま、さる一月一七日に、文部科学相は、「学びのすすめ」と題するアピールを出し、宿題を増し、放課後の補習を充実する方向になしくずしに転換した。結果的には、OECDや国際教育到達度評価学会の学力調査での中高生の学力の低下や学習意欲の減退、家庭での学習時間の減少傾向を認め、ゆとり路線を放棄したことになる。もはや学習指導要領という学校の教育内容・カリキュラムの国家基準が、規制緩和され、自由化し、最低基準になったことを事実上追認したということになるのではないか。今回の方針転換によって、おそらく総合的な学習の時間の実施をはじめ、学校現場にも大きな動揺と混乱を引き起こすに違いない。補習授業の再現や私立中学校の学校週六日制堅持の動向を助長するおそれなしとしない。
▽去る一月一八日、兵庫県教職員組合主催の第五回・日本・中国・アメリカ三国による震災・国際教育シンポジウムにコーディネーターとして参加し、震災の教訓に学び、新たな防災教育のあり方について、報告討論を行った。米国の同時多発テロのテレビ映像を目にした日本と米国の震災被災児童にPTSD症状が現れたという報告が注目を集めた。
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- 明治図書