- 特集 クラスに合理的配慮がやってきた! 知っておきたい基礎知識
- 特集について
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- 提言
- 合理的配慮を身近に理解するために
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- 【特別寄稿】Q&Aでみる合理的配慮―国内法の整備と障害者の権利条約―
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- 【特別寄稿】通常の小中学校における合理的配慮とは?―現場での取り組み― 合理的か否かを判断し、合意形成を図る
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- 【特別寄稿】発達障害のある子どもへの合理的配慮とパソコン・タブレット利用
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- 事例1[通常の学級でできること・小学校]
- 学校の努力でできる「合理的配慮」とは?
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- 事例2[通常の学級でできること・小学校]
- 小学校で行う合理的配慮の提供
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- 事例3[通常の学級でできること・中学校]
- ひとりひとりがくらしやすく学びやすい学校づくり―情報の共有化と個に応じた支援を通して―
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- 事例4[通常の学級でできること・中学校]
- 「どの生徒もわかる授業」を目指して―「ユニバーサルデザインの視点」を取り入れた授業の構築―
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- 事例5[地域でできること・スクールクラスター]
- 地域の中で,共にあることの大切さ―クラスルームからコミュニティへ―
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- 事例6[地域でできること・スクールクラスター]
- 地域性を生かした多様な教育の展開を目指して
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- Essay
- 発達障害のある子どもによって得たもの
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- 発達障害の子どもに役立つ!ちょこっと支援の教材・教具 (第3回)
- 教室にICTを持ち込もう! 目指せ!未来につながるCOOL&ROCKな指導!
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- 親の会・JDDネットニュース (第51回)
- コミュニケーションを支援する言語聴覚士
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- 医療との連携 (第51回)
- 前思春期〜思春期の子どもたちへの支援
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- 実践の小箱/臨床学校現場から (第48回)
- 特別支援教育と通常の学級の教育との融合
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- Newsな視点 (第7回)
- 合理的配慮のデータベース(その1)
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- 保護者の悩みに寄り添う教育相談 (第3回)
- 休み時間や下校時に友達とトラブルが絶えません,どうしたらよいでしょうか。
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- やってみよう!授業のユニバーサルデザイン (第3回)
- 【算数】子どもから“引き出し,そろえる”ことを意識して,「聞くだけ」の時間を減らすことから始めよう
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- はじめての特別支援教育コーディネーター (第3回)
- つなぐこと,つながることを大切に
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- はじめての通級指導教室担当 (第3回)
- 保護者への支援の実際
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- 〜共に子どもを支えるために〜
- 一度は手にしたい本
- 『AAC入門―コミュニケーションに困難を抱える人とのコミュニケーションの技法』(中邑賢龍著)/『高等学校の特別支援教育Q&A―教師・親が知っておきたい70のポイント―』(柘植雅義・石隈利紀編著)
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- 編集後記
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特集について
国立特別支援教育総合研究所総括研究員/梅田 真理
2006年に国連総会で採択された「障害者権利条約」に,日本政府もその翌年,署名し,以来,批准に向けての国内法の整備を進めてきました。2011年には「障害者基本法」の改正(8月施行)を始めとして,種々の国内法の整備を終え,本年1月20日に「障害者権利条約」を批准(2月19日に発効)しました。
「障害者権利条約」には「合理的配慮」として,障害のある人がその権利を行使するにあたり,その妨げとなるような状況等について必要かつ適当な変更及び調整を行う義務があることが述べられています。その影響は確実に学校教育にも波及すると言われますが,具体的にどのような内容になっていくのか,「合理的配慮」の概念自体が,まだはっきりしない部分も多くあります。
身体障害などと比べ障害自体がわかりにくいLD,ADHD,ASD等発達障害のある子どもにとっての「合理的配慮」はどのように考えるとよいのでしょうか。特に,通常の学級でどのように行うかについては,学級経営,環境整備も含め検討が必要になります。
そこで今回は,特に通常の学級で学ぶLD,ADHD,ASDの子どもたちへの「合理的配慮」とは何かに焦点を当て,実際にどのようなことが行われ始めているのか,特集を組んで学校の先生を始め保護者の方々など発達障害のある子どもにかかわられる皆さんにお伝えしたいと考えました。
本特集では.最初に「インクルーシブ教育システム」とはどのようなもので何を目指すのかという基礎的な部分や背景となる法律に関するQ&A,基礎的な内容について識者の先生方に解説をお願いしました。また,現場での実践は,小学校については学校としてどう取り組むかについてまとめていただきました。中学校では小学校との連携,個々の生徒に対する支援についてご紹介いただきました。また,地域での取り組みについては,新潟県上越市と宮城県石巻市での実践について,教育委員会,中心となる特別支援学校の2つの立場の先生方にまとめていただきました。
それぞれの地域や学校種によって実践の形は様々ですが,一人一人の子どもが能力を十分に伸ばしていけるよう,工夫しながら支援を行っている状況は共通しています。
読者の皆さんの地域での取り組みの参考にしていただければ幸いです。
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