- 特集 保護者と協力して子どもを支えよう
- 特集について
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- 提言
- 保護者の歴史を尊重することを基本に!
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- 1 子どもの課題を保護者に伝えたい時
- 事例<1>幼稚園・保育所〜中学校
- 教育相談を通して―保護者から学校への思い―
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- 事例<2>中学校
- 校内支援体制における連携―それぞれの立場で手を取り合って―
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- 事例<3>高等学校
- 一緒に考えましょう
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- 2 保護者から相談を受けた時
- 事例<4>幼稚園・保育所〜小学校
- 子どもの状況を共有するために
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- 事例<5>幼稚園・保育所〜中学校
- 保護者と協働で子どもの問題に向き合う取り組み
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- 事例<6>小学校
- 保護者と学級担任との懸け橋になる
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- 事例<7>小学校
- 保護者の不安を和らげ,子どもへの指導・支援に生かす工夫
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- 事例<8>中学校
- 保護者は最大の支援パートナー
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- 事例<9>中学校
- 保護者の不安を和らげ、より望ましい支援を展開する教育相談
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- 事例<10>子ども発達支援センター
- 保護者を支える,地域で支える
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- 3 子どもへの支援方法について話し合う時
- 事例<11>小学校
- 管理職等と連携した支援
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- 事例<12>小学校・中学校
- 保護者と話し合う前に行うこと
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- 事例<13>中学校
- 不確実な将来を保護者とともに考えるために大切にしていること
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- 事例<14>中学校
- 「学級の学習アセスメント」を生かした取り組みを通して
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- 4 スクールソーシャルワーカーからみる協働
- 事例<15>専門機関
- 支援ネットワークと協働について
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- 5 保護者から先生に向けて
- 事例<16>保護者
- 個別指導計画書活用、その先に…
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- Essay
- 公認心理師に期待すること
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- 学べる!楽しい!学びにくい子への学習支援ワーク (第6回)
- 漢字のワーク(その2)
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- 発達障害の子どもに役立つ!ちょこっと支援の教材・教具 (第10回)
- 大事にしたいことは「この子に合っているか」
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- はなひらく支援の教育現場 (第5回)
- 「私」が変われば、子どもは育つ
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- 親の会・JDDネットニュース (第58回)
- JDDnetながの
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- 医療との連携 (第58回)
- 発達障害の学習スタイルとキャリア発達
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- 実践の小箱/臨床学校現場から (第53回)
- 子どもの気持ちに気づくことの大切さ,言葉を実感することの意味
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- Newsな視点 (第14回)
- 公認心理師法成立まで
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- 保護者の悩みに寄り添う教育相談 (第10回)
- 物に当たったり、友だちに手が出てしまったり、学校でのトラブルが増えています。
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- 発達障害のある子への認知・行動的アプローチ (第2回)
- 「心の動きの理解」への支援,その2
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- 〜「お出かけツアー」と他者欲求・信念の理解〜
- 一度は手にしたい本
- 『ママの心が楽になる子育て心理戦』(新井慎一著)/『発達が気になる子の心に届く叱り方・ほめ方 小学校編』(上野一彦編著・小林 玄著)
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- SENS for S.E.N.S (第5回)
- S.E.N.S臨床日誌:保護者とのかかわり:S.E.N.Sとしてできること
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- S.E.N.Sになって
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- 特別支援教育士資格認定協会からのお知らせ
- 編集後記
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特集について 保護者と協力して子どもを支えよう
明治学院大学教授 緒方明子
就学相談の時期になると,一人の子どもについて,教員や保育士,療育機関の担当者等と保護者の意見が食い違うという問題が起こることがあります。時には,子どもの祖父母も異なる意見をもっていたり,担任と管理職の意見が一致しなかったりすることもあります。皆,子どものことを思って考え,意見交換をしているのですが,時として意見が大きく異なってしまうことがあるのはなぜでしょうか。そして,そのような意見の不一致を修正し,すり合わせていくためには,どのような作業をすればよいのでしょうか。
このような考え方のズレは,就学に関することだけではありません。日々の指導目標や指導方法についても意見が一致しないことがあります。子どもにとって,今何が必要なのか,どのようにかかわることが最善なのか,子どもを取り囲む大人が同じ目標をもって,同じ方法で支援していきたいものです。
新学期のあわただしさが落ち着いてくる1学期の終わりには,課題のある子どもがクラスで目立つようになってくることでしょう。1学期末の個人面談を機会に,保護者とともに子どもを支えていくことができるよう,本特集を組みました。
保護者面談の機会を使って保護者と協力していく,ということは,保護者と面談するための技術や話術をもっていることではありません。まず子どもの特性とニーズを客観的に,時機を逸することなく把握できる技量が必要とされます。それは,子どもが困っていることや必要としている支援の内容を,保護者に,正確に,そして手遅れにならないうちに伝えることが大切だからです。また,保護者の経験や価値観を踏まえた上で,保護者の思いも受け止めて話し合うことができる力も必要となります。したがって,子どもと十分に付き合うこと,保護者とも大人同士の関係を築いておくこと,そして子どもの成長を願うサポーターの一人であるという立ち位置を知っておいてもらうことが重要です。
保護者と協力するということは,子どもへの支援を実行していくために必ず必要なことです。この,必ず必要なことに再度目を向けてください。うまくいかない時には第三者の手を借りることも必要になるでしょう。実際にどのように関係を築いていけばよいのか,皆でもう一度考え,より良い関係を作っていくヒントを得たいと思います。
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- 明治図書