- 特集 “ごまかし総合”から“ほんもの総合”への道
- 中教審「審議のまとめ」に見る総合への期待と将来像
- 子どもの学びから評価基準を創り 自己評価で総合化させる
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- 課題解決型人間の育成こそ重要
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- 同じ観点で継続的な評価を
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- “ごまかし総合”VS“ほんもの総合”違いはここだ
- 贅沢は言わない、せめて「授業」にしてほしい
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- 牧歌的なふるさと学習と教科発展型総合への回帰
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- 「総合的な思考の時間」と変えたら
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- “ごまかし総合”と“ほんもの総合”―グサッとくる外部評価のポイント
- カリキュラム 見分け方と評価のポイント
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- 単元構想と展開 見分け方と評価のポイント
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- 指導案 見分け方と評価のポイント
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- 授業活動 見分け方と評価のポイント
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- 子どもの発言・発表 見分け方と評価のポイント
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- 子どもの作品 見分け方と評価のポイント
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- “ごまかし総合”と“ほんもの総合”―ドキッとする自己評価のポイント
- 教科との関連性 どうなっていればOKか
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- 学習法の工夫 どうなっていればOKか
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- 学習テーマの面白さ どうなっていればOKか
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- 素材・教材のスケール どうなっていればOKか
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- 学習の発展性 どうなっていればOKか
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- 学習への熱中度 どうなっていればOKか
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- 学び方の習得 どうなっていればOKか
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- “ほんもの総合”が育てる学力の質―違いはここだ
- “モザイク楽習”が知を成長させる
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- 領域固有の知識とメタ認知は獲得されているか
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- 子どもの「質問力」で授業が変わる!
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- “ほんもの総合”への道―楽しくもあり苦しくもある教師の修業道
- 現場主義を貫き、常に批評を受ける姿勢を持つ!
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- ほんものの総合は子どもと教材を見つめるまなざしから
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- 『子どもによる授業』をめざす
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- じっくりとかかわり、共に歩く
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- 子どもと共に楽しみながら教材開発
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- 地域を生かす総合学習の教材&授業 (第10回)
- 一歩外へ出てみれば
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- 全国マップ 栽培できて食べられるもの珍?図鑑 (第10回)
- キクイモの栽培はいかが?
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- 子どもの興味関心を高めるネタ話 (第10回)
- 十勝平野の防風林は守れるか?
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- 元気な教室英語のバリエーション (第10回)
- Where〜?と前置詞で場所を伝える英会話
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- ゲストティーチャーと付き合う準備と留意点 (第10回)
- 計画的、組織的に動いて 報告も忘れずに
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- すぐ使える小話&FAX教材集
- 【環境教育編】 (第10回)
- 「水」を授業する その一
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- 【情報教育編】このファックスでパソコンの誌上レッスン (第10回)
- 「学級新聞作り」を行う前に、基本的な技能を身につけさせる
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- 【福祉教育編】体験にいざなう小話 (第10回)
- 心に響く資料を探す 楽しさだけからの脱却
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- 【小学校英語編】子どもがのってくる英会話のゲーム集 (第10回)
- 英語の発音をどうする
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- 【学び方学習編】総合の学力 読み聞く力を育てるカード (第10回)
- 「調べ学習の具体例」インターネットの情報を活用して「循環型社会」を学習する
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- どう進めるか総合的学習の評価 (第10回)
- ルーブリックの導入
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- これで成功!ピーター先生の小学校英語学習 (第10回)
- 飛び出せ、English!
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- 編集後記
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- 漢字でするオモシロ博物館 (第10回)
- 日本人の気概〜漢字文化「腺」の授業2〜
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編集後記
○……3月にでた藤澤伸介先生の『ごまかし勉強―ほんものの学力を求めて』によると、ごまかし勉強は以下の5点に絞られると言います。
1 学習範囲の限定(多くのことを分かろうとするのではなく学習範囲をできるだけ減らそうとする)
2 代用主義(要点整理や暗記カード作りを自分でやらずに他人のものを利用する)
3 機械的暗記主義(意味を理解しようとせず、機械的に憶えてすまそうとする)
4 単純反復志向(学習法を工夫せずに、ただ繰り返して量をこなそうとする)
5 過程の軽視傾向(自分の解答が正解かどうかだけに関心があり、誤りの原因や別解答などに関心がない)
このように列挙されてみると、まさにこういう風潮が強くなっているなーという気がしてなりません。 特に最近は100マス計算のような単純反復が多受けしている事からも、この傾向を裏付けている―と思います。
これはまさに、総合的学習のねらいの逆をいく学力観と言うか、学力形成の視点にたった教育観ではないか―と思います。
藤澤先生が「ごまかし勉強」として指摘されるような形の学力向上運動一辺倒になったとしたら、やはりこれからの社会を担っていく子どもの学力としては片手落ちの謗りを免れないと思うのです。
藤澤先生の書名にあやかって考えてみると、こういう時代背景があるゆえか、どうも「ごまかし総合」がかなりあるのではないかとも思えます。そのような実践に乗っかって総合はダメだ!と言う烙印が押されては、本気で「ほんものの総合」を推進している方々が浮かばれない―ことになるのではないかと思います。
本号はこのような点へのアプローチをめざして問題提起しました。
(樋口雅子)
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- 明治図書