- 特集 ケースで学ぶ! 子ども理解の深め方 支援へのつなげ方―アセスメント活用術―
- 子ども理解を深める教師の視点
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- 指導に生かす発達検査の活用法
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- 子どもの「発達上のニーズ」の捉え方
- 子どもの発達上のニーズを読み解く手立て
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- 発達上のニーズを探るアセスメント
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- 子どもの「行動上のニーズ」の捉え方
- 子どもの行動上のニーズや要因を読み解く手立て
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- 行動上のニーズや要因を探るアセスメント
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- キャリア発達支援に役立つアセスメント
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- 子ども理解を深める「ケース会議」の進め方
- 「個別の指導計画の作成」に向けたケース会議
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- 個別の「ケース検討会」の持ち方・進め方―その子のよさを引き出すために,専門機関としてのそれぞれの良さを生かして―
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- 実践 子ども理解の深め方 支援へのつなげ方
- 特別支援学校:小学部
- 荷物整理等の日常生活に必要な活動が苦手なAさんへの支援
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- 見ることが苦手なBさんへの支援〜「むずかしい」から「できた!」へ〜
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- 特別支援学校:中学部
- 依存心が強く自分から行動を起こそうとしないCさんへの支援
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- 特別支援学校:高等部
- 具体的に使える語彙を習得させ,認知を高めるためのDさんへの支援
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- 小学校:特別支援学級
- 「こだわりの強く自分の世界が一番」なEさんへの支援
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- 中学校:特別支援学級
- 作文を書くのが苦手なFさんへの支援
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- 小学校:通級指導教室
- すらすら読むことが苦手なGさんへの支援
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- フォトライブ教室 (第9回)
- みんなで楽しく『絵合わせカルタゲーム』!
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- インクルーシブ教育最前線 (第9回)
- 言語理解が苦手で,衝動性の強い児童への合理的配慮の実践事例
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- トピックス (第63回)
- 特別支援学校幼稚部教育要領,特別支援学校小学部・中学部学習指導要領の告示 他
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- わたしと特別支援教育 (第9回)
- 特別支援教育にガチABAを!
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- 通常学級で行う5分間SST
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- 〜みんなで学ぼう「ルール」と「マナー」〜
- 子ども生き生き・学習活動
- 【国語】苦手克服! 高校入試作文の書き方
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- 〜通級と教科担当の協働〜
- 【算数・数学】表面的な「わかる」,「できる」ではなく,内面から数学に「きづく」
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- 【造形】デッサン 鉛筆で描こう
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- 〜持ち方・角度・力の入れ方を工夫しよう〜
- 【音楽】「繰り返し」を使ったカノン
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- 〜見通しを持った器楽演奏〜
- 【運動】みんなで楽しく! キックチャイム・ベースボール
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- 【自立活動】自立活動で学び,各教科等で使えるスキル
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- 〜牛乳パックを利用して作るペアカード教材〜
- キーワードで学習指導要領改訂を読み解く! (第3回)
- 幼稚園・小・中・高等学校の教育課程の連続性
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- チーム学校で取り組む! 特別支援学校におけるカリキュラム・マネジメント (第3回)
- カリキュラム・マネジメント促進フレームワークを活用しよう!!
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- Q&A悩み解決!知っておきたい指導のイロハ (第15回)
- 事例から学ぶ 「感覚面と認知面のアプローチを組み合わせて」
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- 楽しくできる! 障害のある子どもの発達を支援するムーブメント教育・療法 (第3回)
- ムーブメントで自分も! みんなも! みんな○!!
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- ライブ講義で考える (第27回)
- (5)個と集団の成長を考える特別支援教育
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- 〜教師と子どもとの「縦糸(垂直的関係)」を太くする〜
- 特別支援教育で「特別の教科 道徳」の授業づくり (第3回)
- 「ざぼんじいさんのかきのき」で節度・節制,自立を学ぶ(2)
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- ディスレクシア〈読み書き障害〉の子どもたちとその支援 (第3回)
- 通常学級で支援をしなければいけない必然性と合理的配慮提供の義務
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- 生きづらさを抱える子どものためのレジリエンス〈resilience〉を育む (第3回)
- 目に見えない心の輪郭を描き出す対話を試みる
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- 写真で見る 発達障害のある子どもの主体性を高めるICT活用 (第3回)
- [今月のテーマ]アプリ探しの前に,課題の目的について考えてみませんか?
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- 編集後記
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編集後記
特別支援学校や特別支援学級に在籍する子どもたちは,発達段階が幅広く障害の特性も一人ひとり異なるため,個々の子どもの実態把握を適切に行い,それぞれのニーズに応じた支援を検討していくことが必要です。そのためには,まずは子どもの発達の状況(認知面,言語・コミュニケーション面,運動面,行動面,社会性面など)を的確に把握することが重要です。
子どもの実態把握に際しては,保護者からの聞き取り,前籍機関からの情報の引継ぎ,さらには担当する先生たちの日常観察による「みとり」が重要であることは言うまでもありません。しかし,対象となる子どもの状況を客観的に捉えられるアセスメント(assessment)は,子ども理解を深めるための有効なツールの一つです。現在,学校や病院,療育機関などでは,対象となる子どもの状況を的確に把握するために,種々の心理検査や発達検査が使われています。一つの発達検査を学部や学年のすべての子どもたちに実施して,個別の指導計画の作成に役立てている学校も見られます。但し,こうしたアセスメントは生活年齢や発達段階の異なる子どもたちに対して,一律に使用できるものではないため,個々の子どもの発達段階やニーズに合わせて,必要に応じて適切な検査を選択していくことが大切です。また,子どもの評価結果を数値や到達度(IQ(知能指数)やDQ(発達指数)など)で表すものも少なくないため,保護者に提示する方法や説明の仕方には十分注意を払う必要があります。数値だけが一人歩きをしてしまい,保護者のやる気や子どもに向き合う気持ちを損ねてしまうことのないように,子どもの持つ良い面,強い面を十分認めた上で,客観的な状態を把握するための一つの指標として活用していくべきでしょう。
子どもの状況を的確に把握できた後は,次の手続きとして個別の指導計画を作成していくことになります。個別の指導計画は基本的に学級担任が作成しますが,学年や担当者同士で支援の目標や内容,手続き等について話し合い,共通理解を持つことが重要です。放課後の時間を有効に活用しながらケース会議などを適宜開催し,相互理解を深めていくことが望まれます。
今回の特集では,「ケースで学ぶ! 子ども理解の深め方 支援へのつなげ方−アセスメント活用術−」と題して,学校における種々の事例を取り上げながら,子どもの実態把握の観点や手立て,ケース会議の進め方などについてご執筆していただきました。今回の特集を参考に,学校における「子ども理解」がより深まっていくことに期待しています。
/宮ア 英憲・是枝 喜代治
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- 明治図書