- 特集 アセスメント―指導・支援に生かす「子供理解」の深め方
- 特集について
- 子供理解の深め方,指導・支援へのつなげ方
- 自分理解からスタートしよう
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- アセスメントのための主な心理・発達検査
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- 子供のみとりに役立つ視点
- (1)重度重複障害のある子供をみとる「黙って観るコミュニケーション」
- 声かけ以外の刺激提示も丁寧に行おう
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- (2)行動問題のある子供をみとる「応用行動分析学」
- 記録をとることから始めよう
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- (3)認知発達段階をみとる「教材・教具」
- 子供の心の世界が教具の扱いに現れる
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- (4)不器用さのある子供をみとる「感覚や運動の苦手さチェック」
- 学校教育において感覚や運動の苦手さを総合的にみとるには
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- (5)読み書きに苦手さのある子供をみとる「読み書きチェック」
- 学習行動から読み取る「読み」「書き」評価
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- (6)読み書きに苦手さのある子供をみとる「視機能・視知覚認知アセスメント」
- 教室の中のあの子の眼のお話
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- 子供のみとりを生かした指導
- (1)特別支援学校 重度重複障害のある子供
- M君がどのように外界を把握しているのか,観察を通して考察し,環境作りのためのポイントを探る〜M君にとって適切な遊べる環境を提案することを目指して〜
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- (2)特別支援学校 行動問題のある子供
- 応用行動分析によるみとりと指導で,男子生徒の他傷行為を改善した指導例
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- (3)特別支援学校 自閉スペクトラム症のある子供
- わかり方の段階に合わせた教材で伝えたい気持ちを支える
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- (4)小学校 不器用さのある子供
- 作業療法士と学校の先生とが連携して行った不器用さを抱える「子供」への支援
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- (5)小学校 読み書きに苦手さのある子供
- 漢字の学び方と活用を意識した読み書き指導
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- (6)小学校 見る力に課題のある子供
- チェックリストを活用して,状態把握→指導につなげよう
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- 学校と外部専門家との連携による子供への支援
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- トピックス (第95回)
- 特別支援学校教諭免許状コアカリキュラム
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- アイデアいっぱい・誰にでもできる指導法
- SDGsに対応した緑のカーテン作り〜環境教育に繋がる効果と諸感覚に訴える体験効果を通じたカリキュラム・マネジメント〜
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- 「話の聞き方」を教えるときの4つのコツ
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- 授業を面白くする手作りグッズ
- にぎり棒でビジョントレーニング
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- 子供イキイキ・学習活動
- 【国語】創造×想像で,楽しく読み取りアクティビティ
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- 【日常生活の指導】自立移動の力を身に付ける! 課題分析とスケジュールアプリの活用
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- 授業で120%タブレットPCを活用する!最新ちょこっとアイデア (第11回)
- Apple純正アプリを活用したポスターやアルバムの制作
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- 写真で見る 工夫がキラリ★教室環境づくり・校内環境づくり (第29回)
- 見通しをもって行動し,気持ちを伝える手助けになる環境づくり
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- はじめての「ポジティブ行動支援」実践入門 (第5回)
- 実践を支える仕組み作り
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- 子供の心にアプローチする「認知行動療法」 (第5回)
- 行動的技法を活用する
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- できた!を育む 楽しい手作り教材 (第5回)
- 「組み立て型はめ」
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- 〜活動の方向は一方通行〜
- 「図工・美術」指導のコツ&題材アイデア (第5回)
- 100キロの土粘土で自由に!「ねんどせんせい」現る
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- 〜中学部美術の実践から〜
- 心と体を整える「ヨガ」ポーズ&プログラム (第5回)
- からだのつながりを感じよう
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- 〜椅子に座っての呼吸法とヨガ〜
- はじめて発達障害のある子の担任〔通常の学級〕になったら Q&Aでズバッと解決! (第5回)
- 特別支援教育コーディネーターと協働するアイデアは何ですか?
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- 知的障害特別支援学校の実践:1人1台端末時代のニューノーマルな授業づくり (第5回)
- iPadで作る俳写
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- 〜俳句大賞への応募をめざして〜
- 特別支援教育最前線―紹介します,わが県のホープ&エース (第29回)
- 三重県
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- 編集後記
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編集後記
中央教育審議会の答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」では,学校教育が直面している課題として,子供たちの多様化を挙げています。発達障害の可能性のある子供や,さらに,特定分野に特異な才能のある子供の存在や,日本語指導が必要な子供の増加などについても触れています。それらの現状に対して,学校は,全ての子供が安心して楽しく通える魅力ある環境であることが求められ,そのためには,全ての教師が,子供の発達や学習を取り巻く個別の教育的ニーズを把握し,様々な課題を乗り越え,一人一人の可能性を伸ばしていく必要があります。特に,この答申の中の「新時代の特別支援教育の在り方について」では,全ての教師が特別支援教育に関する専門性を身に付ける必要性について述べられています。発達障害などによって通級指導を受けている子供は増加しており,通常の学級においても発達障害についての理解が進んできている状況ではありますが,これからの教師に求められる資質・能力として,子供理解を深める力を身に付けることが,非常に重要になっています。
子供理解を深めるには,まず,子供の状態を適切に把握することから始まります。子供の状態によっては,個別の教育支援計画や個別の指導計画を作成する場合もあります。学習指導要領の総則には,特別支援学級に在籍している児童生徒や通級による指導を受けている児童生徒については,個別の教育支援計画や個別の指導計画の作成と活用は必須であるが,通常の学級に在籍している障害のある児童生徒についても,それらの計画の作成と活用に努めることと示されています。全ての教師が,個別の教育支援計画と個別の指導計画の目的や意義を理解し,適切な計画を作成し,その計画に沿って実施していかなければなりません。
また,個別の教育支援計画と個別の指導計画を適切に作成したり,適切な指導や支援を実施したりするために,専門的な助言又は援助を活用し,アセスメントに生かしていくことが考えられます。そのためには,通級指導の担当教師や学校を巡回する心理士などによる専門的な助言を積極的に活用したいものです。子供の状態は多様化しており,対応を一括りにはできません。教師として,多様な対応方法の経験を積むことにより,対応のバリエーションも増えてくるものです。教師一人で考えていくのではなく,所属先の校内組織や自治体組織の体制の中で,相談したり助言を得たりしながら,子供理解の力を高め,教師自らが主体的に問題を解決していくことが大切です。今号は,多様な子供に対する理解を深め,適切な指導・支援につなげていくことについて特集しました。
/是枝 喜代治・山中 ともえ
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- 明治図書
- アセスメントの大切さを再認識することができました。特別支援教育は、まずこどもを知ることから始めること、このことが基本だと考えています。2023/1/650代・男性
- WISCXなど新しい情報を知れることがとても参考になります。インフォーマルなアセスメントの大切さもバランスよく紹介されて勉強になります。2022/11/2350代・療育施設管理者