- はじめに
- 1章 「考え,議論する道徳」に変える話し合い&道徳ノート
- 01 道徳授業における「主体的・対話的で深い学び」とは
- 02 話し合いを変えると授業が変わる
- 03 道徳ノートを変えると授業が変わる
- ―道徳ノートの必要性と活用法―
- 2章 「考え,議論する道徳」に変える話し合いの鉄則30
- 01 話し合いたい気持ちに火をつける
- 02 話し合いの単位(全体,グループ,ペア)を押さえる
- 03 全体での話し合いを授業の根幹に据える
- 04 テーマ・スタート・ゴールを明確にする
- 05 教材の本質を話し合いのテーマにする
- 06 教材の性質によって話し合うテーマを決める
- 07 ファシリテーターだけに徹しない
- 08 教師と子どもの1対1の応答にならないようにする
- 09 話し合いのルールを確認する
- 10 子どもの発言を教師がやさしく言い換える(低学年)
- 11 子ども同士の意見交流を組織する(中学年)
- 12 子どもが考えを言いやすい空間をつくる(高学年)
- 13 意図的指名を活用する
- 14 ペアでの話し合いを有効活用する
- 15 意見をもちやすいテーマで話し合いをする
- 16 グループでの話し合いは教師が仕切る
- 17 固定観念を崩す発問で話し合いをスタートする
- 18 ときには相互指名を活用する
- 19 子どもの「ぎもん」を大切にする
- 20 問い返しで本質に迫らせる
- 21 道徳ノートを話し合い場面に生かす
- 22 ねらいに沿っていない発言は問い返す
- 23 一面的な意見しか出ないときは教師から別視点を与える
- 24 誰も手を挙げないときは意図的指名を活用する
- 25 思いもかけない発言はチャンスととらえ広げる
- 26 心情メーター・心情図を活用する
- 27 ネームプレートでの意見表明を活用する
- 28 AorBの対立グループでの話し合いを行う
- 29 思考ツールを活用する
- 30 今までのタブーを深い学びにつなげる観点で見つめ直す
- 3章 「考え,議論する道徳」に変える道徳ノートの鉄則15
- 01 道徳ノートを活用する意味を押さえる
- 02 授業と授業後,授業と授業をつなぐ役割を押さえる
- 03 様々な「つなぐ役割」を押さえる
- 04 オリエンテーションで明るい展望を示す
- 05 黒板の丸写しではないノートづくりをさせる(低学年)
- 06 自由に使いこなすための土台をつくる(中学年)
- 07 ノートを使いこなせるようサポートする(高学年)
- 08 ノートを書きながら考えさせる
- 09 思考ツールを活用する
- 10 ノートへのコメントは具体的な言葉で書く
- 11 子どもの無限大の意欲につなげる
- 12 道徳ノートを評価に活用する
- 13 道徳ノートを自己評価に活用する
- 14 ノートを介在とした交流の場を仕組む
- 15 道徳ノートを媒介として学びを広げる
- 4章 話し合い&道徳ノートを生かした授業の構想
- 01 話し合い&道徳ノートを生かした授業の構想(1年生)
- 02 話し合い&道徳ノートを生かした授業の構想(2年生)
- 03 話し合い&道徳ノートを生かした授業の構想(3年生)
- 04 話し合い&道徳ノートを生かした授業の構想(4年生)
- 05 話し合い&道徳ノートを生かした授業の構想(5年生)
- 06 話し合い&道徳ノートを生かした授業の構想(6年生)
はじめに
小学校で「特別の教科 道徳」がスタートしました。それに続いて中学校も,考え,議論する道徳科学習が始まります。これまでも,子どもたちにとって学びの多い授業とはどのようなものかが問われてきましたが,いざ実践するとなってはじめて見えてきた課題や疑問も多々あることと思います。
私が講演や授業で全国を周り,先生方と話をさせていただく中で出される話題で多いのは,やはり授業のバリエーションと評価のことです。
深く考え,議論させるためにはどのような発問をしたらよいのか,議論を深めるための授業形態はどうか,評価はどうしたらよいのか,評価に関連して道徳ノートの活用が謳われているがノートづくりのポイントは何か,等々です。
そこで,今回は「深く議論するための話し合い活動のあり方」「子どもたちが主体的に取り組む道徳ノートのあり方」についてスポットを当ててまとめることにしました。
話し合いも,ノート活用も,どの教科・領域の学習でも行われていますが,道徳の場合はその特質性からも,ちょっと違った観点でのアプローチが可能であり,そのような特質を理解した上での活用は,「特別の教科 道徳」としてとても重要なポイントとなります。そのポイントを項目ごとに見開きですぐに把握できるように,なるべく具体的に書きました。
本書を活用していただきながら,道徳科の授業をより一層充実させ,子どもたちの学びが深まり,ついでに子どもたちの顔が見える評価ができたら最高ですね。子どもも先生も,楽しんで授業をしていただけることを願いつつ,あいさつの言葉とさせていただきます。
/加藤 宣行
本書で紹介されている事柄はあくまで手立てであり、それが道徳科で育てたい人間像、資質能力とどう関わっているかを読者に気づかせてくれるような書きぶりだと思う。加藤先生のシリーズは、とても読みやすく、かといって何から何まで解説しているふうでもなく、何のためにその手立てを取るのかをこちらが気づける余地を与えてくれる、読み応えのあるものです。
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