前作の「100万人シリーズ」は、学力格差を乗り越え、すべての生徒が意欲的に学習できるネタや授業実践を中心に紹介しましたが、続編は、活用力、思考力、判断力を意識した構成になっています。ディープラー二ングが提唱されていますが、生徒指導やクラブ活動などと忙しく、すべての先生方にできる授業ではありません。本書は、比較的、簡単にできるライトラーニングを多く紹介しました。
原動力は三十数年教えていた東大阪の、「手強い」がホントは「愛しい」生徒たちです。厳しい生活背景を一つの要因とした「学習の意欲が低い」「低学力」の生徒たちとの格闘から生まれたものです。そんな生徒にも「わかる喜びから目が輝く体験をさせたい」という思いが、教材開発の原動力です。今は、私に教材開発力や授業構成力を培ってくれた生徒たちに感謝しています。
「主体的」に授業と向き合うためには、「知りたい」「考えたい」発問や課題が不可欠です。「対話」をするためには「学力差」を超えた「誰もが一言いいたくなる」課題が必要です。「深い」学びは、入り口は誰もが参加できる課題で、取り組んでいるうちに「へっ!」「そうなんだ!」という「子ども(日常)の視点」から「教師(科学)の視点」へと導く課題設定が大切です。つまり「主体的・対話的で深い学び」は、本質的には、方法論ではなく、「学びたい」と思う単元を貫く課題設定がもっとも大切だと思います。
授業中の生徒の「つぶやき」を大切にしたい。「なんでも言ってやれ!」とバンバン発言するのは往々にして、いわゆる荒れた生徒です。また、複雑な生活背景をもった生徒は、社会事象に敏感です。そんな生徒の発言により授業が活性化し、それに触発され、何を言ってもいい雰囲気が醸成されます。ただしケジメは大切です。授業の本筋をはずれた発言はスル―しないと、授業が崩壊します。
「100万人シリーズ」は多くの先生方に追試していただきました。「続編」も、まずは追試していただき、生徒たちが生き生きと学習する姿を体感していただければと思います。そこから、生徒の目が輝く教材、発問、討論課題の法則性をつかみ、それぞれの先生方の個性的な教材開発をしていただきたいです。本書はあくまでもヒントです。
私の人生の宝物です!!
あの授業で得られたモノは
その後の人生にもずっと今も良い影響を与え続けています。
そして
この本の内容は今流行りの
アクティブラーニングの本質が知れる内容になっていると感じました。
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。