- 学級経営チェックポイント
- 学級経営
チェックポイント
- 真っ先に子どもの表情を見る
- 余裕がある
- 「知らない」と考える
2月は学年末に向かって、まとめや振り返りを行っていく時期です。子どもたちに対して、一つひとつの手立てを、終わりを意識しながら丁寧に行っていくことが重要です。
そして、教師自身もこの1年間、自分がどのように成長していくことができたのか考えてみたいものです。3月に入るとバタバタしてしまうこともあります。また、自分自身の課題が見つかったとしたら、3月末までに少しでも解決の手がかりをつかみ、次年度に向かいたいところです。
今回は一つひとつの手立てではなく、全体的な部分で尊敬される教師の共通点を3つ挙げておきます。ご自身に照らし合わせて、考えていただけたらと思います。
真っ先に子どもの表情を見る
よい実践を知るとそれを再現したくなり、授業設計や学級経営を計画通りに進めることに目が向き過ぎることがあります。しかし、その授業設計や学級経営は、当然ながら子どもの幸せのために行われることです。「少し頑張らないと乗り越えられない壁がある」のは当然のことですが、その壁に挑戦するのかしないのかは子ども自身が決めることです。集団や教師の圧がかかった状態で取り組ませても、そのときだけの経験に終わってしまうだけでしょう。
それを避けるためには、子どもたちのことをしっかりと見ること、特に表情から気持ちを読み取ろうとすることが大切です。ろくに子どもの姿を見ずに言葉かけが先行していないでしょうか。今日、表情をじっくり見てから指導方法を吟味した子どもは何人いたでしょうか。時間に追われる中、すべてにそうできることはないかもしれないですが、少しでも意識していくことで、自然に丁寧な指導のが身に染みていきます。
余裕がある
魅力的な教師には、余裕があります。教師は多忙です。特に、子どもたちがいるときには次から次へと多くのことが降ってきて、息をつく暇がありません。その中で、心をなくして(「忙」という漢字はまさに、心を亡くす、と書きますが)機械的に振舞いたくなるときがあるかもしれません。そのような状況であるからこそ、それでも余裕があるように見える教師は魅力的なのです。
仕事の合理化や整理も重要ですので、様々な方法を学びたいものです。ただ、一番は教師自身が「笑顔でいよう」と忘れずに、毎日、毎時間、心がけることです。これは誰もができることで、それでも難しいことでもあります。自分から笑顔を振りまき、誰かに安心感を与えることで、クラスには落ち着きが生まれ、職員間では同僚性が高まります。「自分の機嫌は自分で取ること」は社会人としての常識ですが、突発的なことがあったときにそれができているか、振り返りたいものです。
「知らない」と考える
子どもたちを指導する際にうまくいかない状況に直面するとついつい腹が立ってしまうことがあるでしょう。そんなときに「あっ、『知らない』んだ」と考えると楽になります。
例えば、「バカ、死ね」「先生なんて嫌い。前の担任の先生がよかった」などと言われた場合には、「自分の不安を表現する言葉を知らないんだ」と考えるのです。自分の困り感を適切に言葉にすることができないので、汚い言葉や担任への攻撃という形になりますが、本当は「辛い自分をわかってほしい」「解決するための手段がほしい」ということなのかもしれません。
そのような場合には、子どもの気持ちを受け止めたうえで、適切な言葉に訳してあげることが大切です。例えば、「今まで辛かったんだね、わかってあげられなくてごめんね」「あなたが言いたいのは、つまり〇〇ということ?」と話していくのです。「わざと汚い言葉をかけてくる」という考えではなく「そもそも、この子は表現の仕方を知らないんだ」と考えていくことです。保護者や同僚についても同じです。
「知らない」と考えることで、「どのように知ってもらおうか」と未来志向に立つことができます。尊敬される先生が、常に未来に向かって前向きなことは言うまでもないでしょう。