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困っている人を見たら…
こんなとき、自分ならどのように声をかけてもらったらうれしいでしょうか? 自分自身がどう感じるか想像するだけで、子どもにどう接すればよいかもみえてくると思います。
子どもには、「困っている人を見たら手伝ってあげましょう」と話しますよね? そんな話をしながら、一方で、子どもが「忘れ物しました」とやって来たら、痛いところに塩を塗り込むようにしかってしまうことがあります。これでは、“困っている人を見ても助けなくていいんだよ”と、言葉ではなく行動で指導しているようなものです。
さらに、カリカリしながらしつこく指導していると、準備ができているその他の多くの子どもたちの学習時間を奪ったり、学習のムードを悪くしたりしてしまうことになります。
貸してあげる
では、子どもが忘れ物をしたらどうすればよいのか? 答えは簡単です。貸してあげればいいんです。思いっきり親切にしてあげればいいんです。こんなところで厳しさをみせる必要はないと僕は思います。
これは、あくまで教師を11年しかしていない僕の経験上で考えたことなので正解かどうかはわかりません。でも僕は、今貸してあげています。それも、できるだけ優しく貸してあげます。コンパスも筆箱も三角定規も下敷きもたくさんもっています。ていねいに貸し、ていねいに返してもらう。例えば、鉛筆なら削って「ありがとうございました」と言って返すよう指導します。
甘いのではないかという声も聞こえてきそうですが、厳しくするより、ていねいに対応してあげる方が忘れ物は減ります。これは断言できます。だって、“その人のためにも忘れ物せんとこう”と思えるのはどちらでしょうか? ぜひ、だまされたと思って3か月ぐらい試してみてください。
宿題やノート忘れは…
宿題忘れは、休み時間や放課後を使って出させます。ノート忘れは、ノートを印刷しておき、それをあげます。そして、次の日までにノートに写させます。やっていなければ、その日、休み時間に写してもらいます。
4月、宿題は一人ひとり提出してもらいます。ていねいさややる気をチェックし、ひと言添えながら集めます。時には、お手本になる子のノートをコピーして配ることもあります。これは結構効果があります。
また、忘れ物は自分だけでなくまわりの友だちや先生のためにもしないんだと教えます。僕は、たまに自分の教材研究ノートを子どもたちに見せ、これぐらい準備して授業に臨んでいるんだと話します。忘れ物をするとこうした準備をすべてムダにすることがある。だから、自分だけの問題ではないということを話します。…となると、授業も同じ。教師の感情でつぶしてはいけない。そういう意味でも子どもには親切に貸してあげればよいと思います。