先日の算数の「割合」の授業でのことです。教科書の問題は、こんな感じでした。
5年生は50人います。そのうち男子は20人です。5年生全体をもとにすると、男子の割合はいくらになりますか。
このような文章問題に出会ったとき、ただ板書するだけでは問題場面をイメージできない子がいます。具体物や半具体物、図などを準備してあげることも手だての1つですが、僕は、いつも次の2つの工夫を意識しています。
問題の状況を示す一文を付け加える
1つめは、問題文の中に以下のような3つの要素を入れることです。
1 問題の状況を表す文
2 問題の条件を表す文
3 どのような操作をするのか表す文
2や3の文は、多くの場合問題の中に書かれています。しかし、1の文が書かれていることは多くありません。例えば、上の割合の問題の頭に、
「金くんはA小学校の人数調査をしています。」
という一文を付け加えます。他にも、
「一本五十円のペンを五本買います。代金はいくらですか。」
という問題で、
「金くんは買い物に行きました。」
という文を冒頭に付け加えます。
このように、問題の状況を示してあげるだけで、問題場面のイメージをよりはっきりともつことができるようになります。
問題を一文ずつ提示する
2つめは、問題を一文ずつ提示し、問いの文を子どもに予想させることです。先の割合の問題の場合、「5年生は50人います。そのうち男子は20人です。」まで板書した後、「この後、どんな問題が続くかわかる人?」と聞きました。すると子どもたちから、下の3つの問題が上がりました。
・男子の割合はいくらですか。
・女子の人数は何人ですか。
・女子の割合はいくらですか。
そして、子どもたちに、「先生の先を予想できるとはすごいなあ。ちなみに、この問題にレベルをつけるとこうなります」と言って板書しました。
・男子の割合はいくらですか。……レベル2
・女子の人数は何人ですか。………レベル1
・女子の割合はいくらですか。……レベル3
そして、「レベル1の問題の答えはすぐわかるやんな。ほんなら、レベル2からやってみよか」と言って取り組みました。しかし、レベル1もいらない問題ではありません。レベル3の問題を考えるためには大切になってきます。
この3つの問題を解いていく中で、割合はもとになる数字を1で表すということ、男子の割合と女子の割合を合計すると1になるということ、そして比べる数の割合の合計は1になることを確認できました。
先から今を見られる人間になる
子どもたちには、思いやりのある自立した人間に育ってほしいと思います。人を思いやり、自分で行動するためには、どんな状況でも未来から現在を見て、何をするべきか考える力が大切です。それは、学校生活のいたるところで磨いていくことができ、授業の中でもできます。また、先のように自分でどのような問題が出るのか予想し、考えることは、イメージ力を高めることにもつながります。
ちなみに、子どものイメージ力を高めるために、絵本を年間100冊以上読むことを高学年でも行っています。絵本強化月間を設けて、図書室から各自1〜2冊の絵本を借り、それを回し読みします。高学年になると、なかなか絵本を読まない子もいますが、こうしてクラスみんなで取り組むことで、熱心に絵本を読む子が増えます。
私も明日からのクラスで役立ていけるように、教材研究したいと存じます。
ありがとうございます。
また一緒に学びましょう!!