先生が読むように読んでごらん
全校朝会でのあいさつを思い浮かべてください。なんの指導もない場合、子どもたちは「おはよーーございますーー」と、何とも言えない間延びしたあいさつをします。それもそのはず、子どもたちはみんなで声を合わせるために、一文字を長く言っているわけです。教室で学習課題などの短文を読ませるときにも、同じようになることがあります。
こんなときは、「先生が読むように読んでごらん」と言って、まずは見本を見せることが大切です。そして、子どもたちが読むときには、再度教師も一緒になって読みます。最初は、このようにモデルを示す必要があると思います。
集団→号車→生活班→ペア→個人
子どもたちに群読をさせるときには、必ず集団で読ませるようにします。子どもは、ルールにはなかなか従いませんが、ムードにはすぐに従います。みんなが大きな声を出していると、その中でだんだんと出せるようになっていきます。それを「今すぐ大きな声が出るように!」とか「一人でも出せるように!」などとあせらないことです。
まずは、集団でやる。それができたら次は号車(列)ごと、それができたら生活班で、ペアで…とだんだん人数を減らしていきます。そして、人数を減らして声が出なかったら、また1つ前の人数の多い集団に戻ればいいのです。あせらず、じっくり、何より教師自身が楽しむことです。前に立っている人が眉間にシワを寄せている限り、子どもたちは自己解放しません。
どこまで声が聞こえているかゲーム
群読には、「たけのこ読み」や「交互読み」など、いろいろな方法があります。その中でも僕がよくするのが「どこまで聞こえているかゲーム」です。ルールは簡単で、読んだ声がどこまで聞こえているかを教師が確認しに行って、聞こえていたら○、聞こえていなかったら×というだけです。
「最近、エエ声が出るようになってきてんなぁ。みんなの声、どこまで聞こえてんのかなぁ。廊下の端までは聞こえていると思う人?」と聞くと、たくさんの手があがります。「じゃあ、5秒数えてから読み始めてや。先生、廊下の端まで行ってくるから」と言って、群読をします。聞こえてきたら、急いで教室に戻って「すごいやん、メチャ聞こえてたで! どこまでいけるかなあ?」と聞くと、下の階、1階、運動場、運動場の端…とどんどん距離が伸びていきます。それにつれて、子どもたちも声をどんどん出すようになっていきます。
こうして大きな声を出せるようになったら、声の調整を教えていきます。大きな声を出せれば小さな声も出せるようになります。
ちなみに、このゲームでも「集団→号車→生活班→ペア→個人」という順序を守ります。そうすれば、子どもたちは無理なく声を出せるようになります。
声が出るようになったら
子どもたちの声がしっかりと出るようになったら、いろんなことができます。「怒った感じで」「すごいスピードで」「常に笑顔で」「大阪弁で」「ここだけは心の中で」などなどいろんなバリエーションで楽しみます。表現は自由です。教師自身が楽しんでいると子どもたちも楽しみます。こうして楽しむ中で、表現の工夫を指導していきます。
声づくりは学級づくり
「おはようございます!」「はい!」という元気で張りのある声。群読に限らず、こんな声が響く教室はとてもすてきだと思いませんか。元気にしっかりと声が出せる。全力で声が出せる。一人でも声が出せる。声を出すということは1つの自己表現です。僕は安心して自分を表現できるクラスをつくりたいと思っています。だからこそ、声づくりは、学級づくりだと思っています。
派手な金 大 竜先生を最近まで追いかけていましたが、今は土台をマネできるまでになりたいです。教材研究の素晴らしさを肌で感じ感銘を受けました。
読書と実践あってこそですね。頭でっかちにならず、教師自身が実践していける人でありたいです。