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国語の説明文の授業で付けたい力
国語の説明文の授業で、どのような力を付けたいのか。僕は、文章構成を押さえて要旨を読み取る力や文章構成を意識して相手を説得する力を付けることが特に大切だと考えています(どの教科のどの単元でもそうですが、その教科のその指導を何のためにするのかを学習指導要領から自分なりにシンプルにとらえておくことは大切です。そうすることで、授業をスッキリと考えていけます)。
説明文の学習では、文章を大きく3つの段落に分けます。
●はじめ(序論)―抽象的に書かれている
問い、まとめ、話題の提示など
●な か(本論)―具体的に書かれている
結論で言いたいことの根拠になる具体例
●おわり(結論)―抽象的に書かれている
主張、まとめ、呼びかけなど
さらに「なか」の具体例を見ると、「抽象的→具体的→超具体的」というように文章が構成されていることが多くあります。ここで、説得力がある意見は、抽象的なことを述べたあとに具体的なことを述べるという構成になっていることを押さえ、指導していきます。
「抽象的」と「具体的」の意味を指導する
ところで、「抽象的」「具体的」と言っても、子どもはなかなか意味がわかりません。だからまず、この2つの言葉の意味をしっかりと説明します。
僕は、以下のような説明をいくつかして、子どもたち同士でも説明し合わせます。この言葉をここでしっかり押さえておけば、その後の様々な場面で指導がしやすくなります。
「『Aくんは優しいです。』という文章は抽象的です。次に、『Aくんは優しいです。なぜなら、いつも人のことを考えて動いているからです。』というふうにすると、“なぜなら”以降が少し具体的になります。さらに、『Aくんは優しいです。なぜなら、いつも人のことを考えて動いているからです。昨日も、運動場で転んだ友だちに大丈夫?と声をかけて、保健室に連れて行ってあげていました。』というふうにすると、超具体的です」
子どもが「抽象的」と「具体的」の意味がつかめるまで、このような具体例で何度も指導します。
自分の考えを発表するときには、まず抽象的なことを話し、その後、それに関する理由を資料や自分の体験を交えながら具体的に説明するよう求めます。子どもたちが「抽象的」と「具体的」という言葉の意味がわかっていれば、「今のは具体的な部分が抜けてるね。そこを付け加えられる人?」や「今の発表は、最初に抽象的な言葉が必要だね。それを付け加えられる人?」といったふうに、子どもたちの話し合いをつなげていくことができます。
新聞づくりや話し合いに活用させる
以上のように国語の説明文で学習したことを、例えば、社会で新聞づくりをするときなどにも活用するよう指導します。
●はじめ(序論)―抽象的に書く
問い、まとめ、話題などを提示する
●な か(本論)―具体的に書く
結論で言いたいことの根拠になる具体例を、グラフや写真、または自分で調べたことを提示しながら述べる
●おわり(結論)―抽象的に書く
自分の主張や感想、まとめを書く
このように指導すれば、何をどのように書いて新聞をつくればよいのかが明確になります。
社会に限らずどの教科でも、特に話し合いの場面などでは、国語の説明文で学んだことを積極的に活用させたいと思っています。