- 支援のあるクラスづくり
- 特別支援教育
今回は、ゆみ先生が相談にいらっしゃいました。
ゆみ先生
発達障害の疑いがあるクラスのK君は、ちょっとしたことで怒りだし、授業中も集中できずに立ち歩いたりします。2学期も後半に入り、他の子は少しずつ落ち着いてきて勉強に向かう姿勢がついてきていますが、K君の行動はあまり変わりません。校内でも特別支援教育コーディネーターの先生などから通級による指導をすすめてはどうかと言われたのですが、ご家庭にどう働きかけたらよいのか困っています。
裕子先生からのアドバイス
通級による指導や固定の学級への転学をすすめるなどの教育や就学に関する相談は、保護者・本人にとっては、とてもデリケートな問題です。説得ではなく、納得して進路を決断していただけるように、無理をせず丁寧に話を進めていくことが大切です。
ちなみに…通級による指導とは
その障害の状態に応じて、週1〜8時間の範囲において特別の指導を行う教育形態です。
言語障害者、難聴者、自閉症者、学習障害者、情緒障害者、注意欠陥多動性障害、弱視者、その他が対象となります。
保護者の方にはこんな姿勢でお話を…
保護者の方が、わが子の課題や障害を認めるまでになるには、深く思い悩む方がほとんどです。しかし、深く悩みながらも、わが子にとって今の状態はつらくてたいへんだ、もっとやりやすく安心して生活ができたり、学習への取組がスムーズになったりすればと、保護者の方が願うようになったときが、相談の始まりと言えます。
保護者がSOSを出せないときは、その必要性を感じていないか、またはSOSを出すことそのものに抵抗があると考え、学校からの積極的な働きかけは逆効果といえます。
では、どんな風に話を進めたらよいでしょうか。
クラス以外でも支援を受けたいと思い始めた保護者への対応は
- クラスでの本児の課題と伸ばしていきたい点を把握し、保護者に伝えられるようにしましょう。クラスでの対応が大変だからではなく、本児のためを考えてのすすめであることが理解されることが大切です。
- 通級による指導や固定の学級でどのように学習を進めているのか、問い合わせるなどして正しい情報を得、保護者に伝えるようにしましょう。
- 学校がその市区町村の教育相談・就学相談のシステムを確認して、手順良く話を進めましょう。ちょっとした行き違いが、話をこじらせてしまうことなります。
クラス以外の支援や転学の希望がない保護者への対応は
- 保護者の思いに寄り添う姿勢をとる努力をしましょう。どうせわからない親だからといった思いをもっているとその雰囲気が伝わり溝を大きくしてしまいます。
- 日頃から、本児の課題と同じように良かったところも保護者にこまめに伝えましょう。
- 保護者はまた何か言われると考えるだけで、耳をふさぎたくなります。良かったところがない場合でも、「本児に対してこんな対応をしている」といった学校側の努力も伝えると、少しずつ心を開いてくれるようになるでしょう。
- 他での支援をすすめることは、本児を追い出すことではなく、本児のよさを伸ばすためのものであると、希望がもてるように話すことが大切です。
ゆみ先生
通級や転学をすすめるには、1つひとつ丁寧にことを進めていかなければいけないことがわかりました。個人面談の時に急に話すのではなく、日頃から保護者との良い関係づくりが必要なのですね。
特別支援教育をすすめるときのポイント!
- 教育相談・就学相談は保護者や本人の思いに沿って、丁寧にすすめます。
- 通級や固定の学級の指導の内容等についての情報を正しく伝えられるようにします。
- 市区町村の相談システムを理解して、手順に沿って進めていきます。
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