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- 幼児教育
わらべうたの背景にある歴史や知恵を知ってもらうために、各わらべうたに“ちょっと知っ得”というコーナーを設け、その曲にまつわるちょっとした雑学を掲載しています。歌と遊びの他に歴史や知恵を知ることで、初めてわらべうたに出会う人でも、もっと身近にもっと深く感じてもらえると思います。また、初心者でも分かりやすいように楽譜を簡単なものにしたり、歌詞の言葉も分かりやすく記載しています。
年齢が上になるほど遊びの幅も広がってきます。幼児編では、一対一の手遊びから集団遊びまで幅広く選びました。この時期の子どもたちには、協調性や社会性を育むためには欠かせない円遊びや、年齢に応じた身体能力を最大限に生かせるような縄跳びなどの遊びを取り入れるようにすることがポイントです。年齢に応じてできる遊びも限られてきますが、継続して遊ぶことが何より日々の成長を促します。
何より子どもたちの声量、声域をまず考えましょう。大人とは身体の器が違うのです。“歌う”ということは身体が楽器なのです。無理な音を無理やり出せば壊れてしまいます。音域、メロディーの長さ、そして民族の持つリズム(鼓動)、言葉など、すべてを兼ね備えているのがわらべうたです。わらべうたは子どもにとって最初に触れるべき民族の音楽なのです。
まず最初に「この歌のこの遊びが好きだなぁ」というのを、教育者が一つ見つけましょう。子どもは大人が思う以上に敏感です。大人が楽しんでないものは子どもも楽しみません。歌を一つしっかりと歌い込み、自分のものにした後で子どもたちと思い切り遊ぶ。その時に、教育者は子どもの動向に注意しながらも、心は子どもたちの同じ年齢になって遊びましょう。
この本を手にとって頂き、大変感謝しております。わらべうたは音楽教育としての第1歩だったり、育児のちょっとした知恵だったり、いろいろなことを私たちに教えてくれます。しかし、何よりも伝えたいのは“先祖からの残していくべき財産”だということ。赤ちゃんからお年寄りまでが年齢の差を感じないくらい一緒になって楽しめる…… そんな素敵なひとときを創ってくれる摩訶不思議なわらべうた。その魅力を後世の人々に私たちも伝えていく義務があると信じています。