著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
教師力をアップするには、『ふり返り』、つまり『書くこと』が大切なのだ
山口県岩国市立平田小学校教諭中村 健一
2013/5/8 掲載
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 今回は中村健一先生に、新刊『中村健一―エピソードで語る教師力の極意』について伺いました。

中村 健一なかむら けんいち

1970年、山口県生まれ。現在、山口県岩国市立平田小学校教諭。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。「笑い」と「フォロー」をいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている。主な著書に、『担任必携!学級づくり作戦ノート』(黎明書房)、『子どもが納得する個別対応・フォローの技術』(学事出版)などがある。

―本書は、「エピソードで語る教師力の極意」シリーズの1冊で、中村先生の教師人生を支えてきた方法や発想を、具体的なエピソードをまじえて語っていただく書籍になっています。まず、先生にとっての「教師力」とはどのようなものでしょうか。

 子どもたちを統率する力かな。たとえば、ザワザワとおしゃべりの止まらない教室があれば、黙らせた教師がエライ。逆にシーンとして盛り上がらないクラスがあれば、盛り上げた教師がエライ。私は頭が良くないせいもあって、超現場主義です。子どもたちを実際に動かすことのできない理想論や理屈に全く興味はありません。

―Q1で先生があげられた教師力を身につけていくには、どういったことが大切と思われますでしょうか。

 「ふり返り」が大切です。うまく行った時に、なんとなくでは力にならない。ふり返って、その実践がうまく行ったヒットポイントを探す。そうすれば、次、使える。このくり返しですよね。そのためにも「書く」ことが必要です。でも、今の若手には「書く」場が少ないですからね。私が「書く」機会を作ろうと思って、編著を多く出しています。

―中村先生がこれまで教師をされていらっしゃる中で、「転機」と言える場面が幾つかおありかと思います。一つあげるとすれば、それはどのようなことでしょうか。

 師匠の上條晴夫氏が「お笑い」に力を入れ始めたことでしょうか。それまでの私は器用貧乏で特徴がありませんでした。上條氏も私の「書きたい!」という意欲は認めてくださっていましたが、どんな原稿依頼をしていいのか困っていたようです。そんな私が今、本を出せるのも、上條氏が「お笑い教師同盟」を作ってくださったお陰です。

―教師生活は、「大切な出逢い」に彩られていらっしゃると思います。その中で、中村先生にとって印象深い出逢いを一つご紹介下さい。

 3つで許してください。1つ目は上條氏との出逢い。上條氏のお陰で、雑誌や本に原稿を書けるようになりました。2つ目は土作彰氏。土作氏の影響はたくさん受けていますが、何よりもこの歳で親友と呼べる人間が新たにできたのは大きいです。3つ目は野中信行氏。若手教師の力になりたいと思っていた私は、その方法を野中氏に学んでいます。

―最後に、読者の先生方に向けてメッセージをお願いいたします!

 若い時は、多くの本を読み、多くの講座にでることが大切です。私も若い頃は教育雑誌だけでも20誌以上購読していました。若い時は、ぜひ、多くのインプットをしてください。そうすれば、教師力はどんどん上がっていきますよ。そして、いつかアウトプットしたくなります。ということで、まずはこの本を1人3冊買ってください。

(構成:及川)

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