- 著者インタビュー
- 特別支援教育
自立活動は、障害による困難を克服・改善するためのものであるという目標があるので、「できないことを頑張ってできるようにする」という授業になりがちです。しかし、それでは自発的・主体的に行動し、日常生活を豊かにする指導にはなかなかつながりません。
そこで、この本では「楽しく!」「科学的に!」「生活に活かす!」という3つをポイントにして、自立活動の授業づくりをまとめました。
自立活動の基本をおさえた上で、「実態把握→指導目標の選定→教材選定→授業展開→授業評価」といった順序をQandAで示すことで、教師が授業づくりを行う際に頭の中で思考するプロセスがわかるように工夫しました。
そのため、1ページ目から読めば自立活動を体系的に理解することができ、わからないところだけを途中から読めばマニュアル本として活用できるようにしました。
また、本書を読んですぐに実践できるよう、指導例(展開例)も多く取り上げました。
この本では、子どもと教師が学校で簡単に(特別な機材を購入しなくても)できる活動を多く掲載しました。たとえば、「手遊び・くすぐり遊び」などはちょっとした時間に手軽にできるものです。
また、「風船ラリーゲーム」や「店員さんになろう」などの指導例は、子どもがとても楽しめるゲームや遊びの中で自立活動(コミュニケーション指導)を展開できます。
実際に授業を行うときには、チェックリストだけを頼りに子どもの実態を把握するのではなく、日常の子どもの様子から指導課題を考えることが大切です。しかし、自分が設定した指導課題が正しいのかを確認したいときなどに、簡易にアセスメントできる一覧表があると現場では役に立つのではないかと思い、この本では学校の子どもの様子を思い浮かべながらチェックできるコミュニケーション発達段階表を作成しました。
著者である私も知的障害特別支援学校で担任をしていますが、はじめは自立活動の授業づくりについて「1から全くわからない!」という切実な悩みがありました。私と同じように困っている先生が、本書のプロセスを追っていけば、コミュニケーションを中心にした自立活動の授業づくりが「1から」できるようになると思います。
さぁ! 一緒に、自立活動の授業づくりをはじめましょう!
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