- 著者インタビュー
- 幼児教育
今までに、様々な教育分野の先生を対象に研修会を実施させて頂きました。その中に、必ず数名は幼児教育関係者の方がおられ、感想等で「この教材は幼稚園や保育園の子どもたちにも有効です」「歌に合わせたボディパーカッション教材もたくさんあるといいです!」「ボディパーカッションは難しいので少し簡単に工夫して行っています」などのご意見をたくさん頂きました。そこで、今回この本を書かせていただきました。
保育現場で、歌に合わせリズム遊びや手拍子を行う事はよくあると思います。それも十分楽しいのですが、本書のボディパーカッション活動は、楽曲の構成を考えてリズムを変化させ、手拍子やひざ打ち、足踏みのリズムアンサンブルを楽しめるように作っています。そのことが、幼児でも音楽的に楽曲を構造的に理解することにつながります。
また私の経験から、友達と一緒にリズムを合わせることによって、不思議なことに自然にリズムが同調し人間関係も良好になるようです。ぜひお試しください。
本のカバー袖に、QRコードを付けています。これにアクセスすると、「リズム遊び、ボディパーカッションの動画」を見ることができます。特に、「まねっこリズム」の動画は、私がいきなり保育園に行ってリズム遊び行ったものです。子どもたちの生の反応を知ることができますので、ぜひご覧ください。また他にも、「5万人のボディパーカッション」 「NHK交響楽団と特別支援学校生徒の共演」 「欽ちゃんの仮装大賞で“花火”」などがご覧いただけます。この動画を参考に、ぜひ子どもたちと一緒にリズム遊びやボディパーカッションやボイス・アンサンブルに取り組んでみてください。
また、2018年度から東京で定期的に子どものサークルや先生方の研修会を行う予定です。どうぞ機会がありましたらご参加ください。
本書の「保育のヒント」にも書いていますが、ボイス・アンサンブル作曲のきっかけは小学校通常学級で難聴の女の子は歌が大好きなのに、合唱のときに音程がうまく取れないでずれてしまい、“友達の冷たい視線”に耐え切れずに不登校になった話を聞いたからです。
つまり、ボイス・アンサンブルの魅力は、合唱のようにみんなで声を合わせますが、“歌が上手に歌えなくても、音程がうまく取れなくても、大きな声を出して楽しめる”ことです。全ての子どもたちと一緒にリズムに合わせ、声を出して“音程のない合唱”を楽しんでください。
本書の特徴は、幼児教育関係者の方々のご意見をたくさん載せています。そして、みなさんが共通するご意見は“子どもたちはリズムが大好き!”ということです。
「保育のヒント」では、幼稚園、保育園、小中学校、特別支援学校、大学など様々な立場の先生方からボディパーカッションについてご意見をいただいています。どうぞ、これらの意見を参考にされて本書を活用してください。
本書は、幼児教育のみならず、小学校低学年や特別支援学校さらには“合理的配慮”が行える「インクルーシブ教育」としても活用できると確信しています。よろしくお願いします。