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小学校の国語の授業に限ったことではありませんが、「こんな授業をしたい」という理想を叶えるのに、指導スキルは欠かせません。本書では、国語の授業づくり全般のスキル、領域ごとのスキル、個々の子どもたちへの指導スキルなど、新任や若手の先生にぜひ身につけてほしい指導スキルを、さまざまな場面を想定して、実例とともに収めるようにしました。
例えば、「書くこと」の領域では、「書きたいことを探す、決める」「構成を考える」「書き方を工夫する」「推敲、共有」という学習過程ごとの指導スキルと、「日記、手紙を書く」「詩や物語を書く」「新聞づくり」などの文種ごとの指導スキルの、両方を紹介しています。指導場面に応じて、選んだり組み合わせたりして活用すると効果的です。
「音読が苦手な子」や「字が乱雑になってしまう子」、「本に興味がない子」、「自分の気持ちをうまく言葉にできない子」など、どちらかというと国語が苦手な子どもたちへの個別的な指導スキルを載せています。また、「特別支援が必要な子への指導スキル」として、文字指導、ノート指導、座る指導などの例も簡潔に紹介しています。
一つ目は、「解説」などを手がかりに、新学習指導要領が目指す方向と内容を理解することです。二つ目は、その方向と内容を受けて、どのような授業をすればよいかを考えることです。三つ目に、その考えた授業を、自分の教室で子どもたちに合わせ、具体化する方法を工夫することです。この三つ目の取り組みに、本書は役に立つと思います。
学習指導要領が変わっても、国語の授業づくりの基本となる指導スキルは、大きく変わることはありません。指導スキルをしっかり身につけることで、さまざまな国語の授業づくりに対応できると言えます。移行期を機に、若手、中堅、ベテランのキャリアを超えて、国語で大切にされてきた指導スキルをお互いに見直してみてはいかがでしょうか。