著者インタビュー
新刊書籍の内容や発刊にまつわる面白エピソード、授業に取り入れるポイントなどを、著者に直撃インタビューします。
英語を使った活動でクラスを最高の雰囲気にしよう!
岐阜聖徳学園大学准教授加藤 拓由
2019/4/6 掲載

加藤 拓由かとう ひろゆき

1965年生まれ。愛知県出身。東京外国語大学中国語学科卒。東京都公立中学校、愛知県公立小・中学校、インド日本人学校を経て現在、岐阜聖徳学園大学准教授。小学校で英語を教え始め、それまでの英語教育の指導法とは全く異なる指導法・指導観があることに気付き、「小学校の担任が中心となって行う外国語活動の指導法」の研究に取り組んでいる。特に、小学校の担任教師が得意とするクラスの仲間作りや、他教科の知識を応用した外国語活動の指導法に関心を持ち、自らも学級担任・専科やALTの先生と共に授業実践を重ねつつ、全国の学会・研究会に参加し日々研究を深めている。

―好評発売中の前作『外国語活動サポートBOOKS クラスがまとまる!男女が仲良くなれる!小学校英語コミュニケーションゲーム100』に続く本書ですが、まずはどのような趣旨の本なのか、コンセプトを教えてください。

 本書は、前作同様、小学校の外国語活動を通して、クラスの雰囲気が良くなり、仲間同士の関係性が高まることを主な目的にしています。一方で、中学年からの外国語活動や高学年の教科化に合わせて、よりコミュニカティブなやりとりにつながる活動や、文字の読み書きにつながるような活動も多く取り入れています。

―本書は、各アクティビティにつき見開き2ページ構成で、ねらいや手順、板書例、活動のポイントが示されています。これらを実際の授業づくりに生かすための、活用方法を教えてください。

 まずは、その日の授業の目標を明確にしましょう。「聞くこと」が中心の活動なのか、「話すこと」が中心の活動なのかによって、使用するアクティビティが変わってきます。次に、その活動をすることで、子どもにどんな力を付けさせたいのかも考えましょう。ゴールが明確であれば、板書や活動の手順はクラスの実態に合わせてアレンジして使って頂いても大丈夫です。

―本書で紹介されているアクティビティの中でも、特におすすめのベスト3はどの活動でしょうか。ズバリ教えてください!

 「あべ れいじ」など、数字を言い合うだけの活動ですが、知的に、楽しく繰り返し練習ができます。「あべ れいじ」は英語のaverageのもじりです。こんな命名のギャグセンスも笑って楽しんでいただければ嬉しいです。文字の活動では「マスター・マインド」は頭を使う面白い活動です。遊びながら文字を目にすることで、自然にアルファベットに慣れ親しめます。「サイレント・マジョリティー」は、どの項目が多いかな?と相手のことを想像しながらやりとりすることができるコミュニカティブな活動になっています。

―いよいよ来年度から、5・6年生の教科「外国語」、3・4年生の「外国語活動」が全面実施となります。これからの小学校英語の授業で大切にすべきポイントは何だと先生はお考えになりますか

 英語の早期化・教科化目前となり、心配やあせりを感じていらっしゃる現場の先生方も多いことと思います。でも、大丈夫。先生方の授業力と指導力があれば小学校の英語の授業は必ず成功します。そのカギは、国語や理科、体育や図工などの、他の教科と同じように小学校英語をとらえることだと思います。全人教育をゴールにした、小学校教育の中の一つに外国語(活動)があるのです。

―最後に読者の先生方へのメッセージをお願いします。

 最近の若手スポーツ選手の活躍には目覚ましいものがありますね。成功している選手に共通しているのが、試合を楽しんで、自分のペースでスポーツに取り組んでいることです。小学校英語の授業も同じです。まずは、英語の授業をすることを楽しみましょう。そして、指導案に捕われることなく、自分のペースで進めましょう。そうしているうちに、いつの間にか、他の教科の授業と同様に、自然と英語の授業をしているご自身に気付くことでしょう。

(構成:木山)
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