- 著者インタビュー
- 特別支援教育
通級による指導の担当教員は、平成28年12月に義務標準法が改正され、基礎定数化されました。また、インクルーシブ教育システム構築の観点から、通常の学級で学びながら、障害の特性に応じた必要な指導が受けられる通級による指導は、今後、さらに推進されていくと思います。指導を行う教員も増えていますが、適切な指導がなされるためには、まだまだ通級による指導の実践を積み重ねていくことが大事です。通級による指導のスタンダードが確立されていくことを願っています。
私の学校のある自治体でも、通級による指導を担当する先生方は急増しており、新採の先生が着任したり、通常の学級の担任から異動したりしてくる先生が多くいます。市内の小学校の教育研究会の特別支援教育部の中で、特に、それらの先生方がどのようなことに困っているか、ということを質問事項として集めてみました。通級による指導を初めて担当する先生方は、自立活動という指導内容についても理解しなければなりませんが、指導以外にも、保護者との連携の在り方や、通常の学級担任の先生との連絡の仕方、専門性の身に付け方等、様々な面で困っていることがわかりました。
障害がある、といっても、子供の状態は様々で、一括りにはできません。でも、必ず、どの子供も良い面を持っているし、成長していきます。大勢の子供がいる通常の学級では、うまく力を発揮できない子供とじっくり向き合い、丁寧に対応していくと子供は変わります。学級担任や保護者と共に子供と付き合いながら、その変化に気付くことができた時、担当者としては大きな喜びを感じることができると思います。
先ずは、一人一人の子供としっかり向き合うことが大切です。通級指導教室の担当者は、心理の専門家ではないので、関係機関をよく把握しておき、適切な機関につないだり、意見を仰いだりしていくような調整力も必要です。また、通常の学級担任や保護者等と良好な関係を築き、相談しながら進めていく力も必要です。さらに、特別な教育課程についての理解も深めておかなければなりません。これらの知識は、各地域で行われている研修や参考文献、特別支援教育総合研究所からの情報等からも得られます。
通級指導教室は、まだまだ歴史の浅い教育ですが、一人一人の子供と向き合える教育です。一人一人の子供が豊かな生活を送ることができるよう、先生一人で頑張るのではなく、多くの人と関わり合いながら子供の成長を見守ってください。
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