- 著者インタビュー
- 教師力・仕事術
「見抜くビーム」が出ているかどうかわかりませんが…(笑)、そうですね、「経験」があるからでしょうか。私は、本当にこれまでたくさんの失敗をしてきたのです。そこから、「危険を察知!」するんです。つまり、ある程度経験すれば、見抜けると思うのです。ただ、今、若い先生が増えてきていますね。若い先生だらけなので、ベテランもフォローしきれません。フォローされないものですから、若い先生も経験を積む前に倒れてしまいそうなのです。教えてくれる人も少ない状況だからこそ、本書のようなもので、ベテラン教師たちが無意識に身に付けている「見抜く視点」を若い先生方にちょっとでも知っていただけたら!と思いました。
これも過去のとっても手痛い失敗経験の数々から、「必死の状況」で身に付けたものです…(遠い目)。一見反射的に見えている「見抜く技術」(『スルー?orリアクション? 指導の本質を「見抜く」技術』』)、「とっさの対応」(『お年頃の高学年に効く! こんな時とっさ!のうまい対応』)、「切り返しの技術」(『新任3年目までに知っておきたい ピンチがチャンスになる「切り返し」の技術』)も、実は十分に準備されたものなのです。様々なケースを事前に想定しているからこそ、その場に合った手を選んで打つことができるのです。こんな経験を、本書で仮想体験していただき、私がハマったような失敗を回避していただけたらと願っています。
私は実は「叱る」のがニガテです。自分自身が子ども時代、いっぱい叱られてきました。人にはとても言えない…というような子だったんです(笑)。
また、一方で「ほめる」もわざとらしくなってしまって苦手です。では何をしているかといわれると…「驚く」「感心する」「感動する」です。「子どもは本当にすごい存在だ」と思って見ているからです。パッと叱ったりほめたりするのは得意ではありませんが、それが子どもにとって本当に良い影響が出るかどうかを考え指導するよう心がけています。
学校とは子どもが良くなる場。将来、子どもが少しでも良い人生を過ごしてくれたら…と願っています。
教師の仕事は、決して楽なものではありません。真面目にやっているのに、辛い思いをすることもたくさんあるでしょう。でも、その困難も、こうすれば解決できるかもしれないという見通しがあるだけで、勇気が湧いてくるはずです。一筋でも光が見えれば、世界が全く違って見えます。本書は頑張っている先生たちが指導の「本質」について見直すことのできるきっかけになってくれたら…と思ってまとめました。全国の志ある仲間へのエールになればと思います。ぜひ一度本書を手に取って読んでみてください。